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Claude週報#2 ①/⑥|Claudeの情報漏洩、経路は5つだけ

取引先からもらった見積書を Claude に貼ろうとして、指がピタッと止まりました。

これ、貼っていいんでしょうか。

先に結論です。Claude を使っていて情報漏洩が起きるとしたら、経路は大きく5つです。ここでいう経路とは、入れた情報が自分の管理の外へ出ていく道筋のこと。個人向けプランでチャットを普通に使う範囲なら、この5つで足ります。

この記事では、その5つを数えるところから始めます。そのうえで、みなさんが今いくつ開けているかをセルフチェックで出す、という流れです。設問に答えるだけなら5分。

ちなみに、冒頭の見積書を貼っていいのかどうか。その答えは明日の仕分け表で出します。今日は数えるところまでです。

家に例えると、玄関・勝手口・窓のようなもの。全部ふさぐ必要はありません。どこが開いているかを知らないまま暮らしているのが、いちばん怖いだけです。

対象は、Claude を使い始めて1〜3か月の方。チャットは使えるけれど、Projects や API は触っていない、くらいの方を想定しています。


今週の6日で手に入るもの

今週のテーマは「会社の情報の線引きを決める」。月曜から土曜まで6本書きます。

  • 月(この記事) 危険度セルフチェック 5問

  • 火 貼っていい情報とだめな情報の仕分け表(15例)

  • 水 今日変える設定 3つ(画面の場所つき・10分)

  • 木 入れた情報がいつ消えて、何が消えないかの一覧

  • 金 コネクタと拡張機能の権限棚卸し表

  • 土 上司に出す社内ルール 1枚の雛形(5項目)

日曜には、6日分をつないだ完成版を有料で出します。

先週の日曜版(第1週の完成版)はこちらです。

なお、以前書いた「講座⑤ セキュリティ監査編」と混同しないでください。あちらはコードの監査、こちらは情報の線引き。別の話です。

経路は5つしかない

順番に見ていきます。ざっと数えるだけなので、身構えなくて大丈夫です。

① 入力そのもの

貼った文章が、Claude の学習に使われる経路です。

Anthropic のプライバシーポリシー(発効 2026年7月8日)には、こう書かれています。アカウント設定でオプトアウトしない限り、入力と出力をモデルの学習と改善に使うことがある、と。

オプトアウトとは、使われないように自分で断ること。つまり、断っていなければ対象になりうる、という構造です。

しかも、断ったあとも例外が2つ残ります。1つは、安全性のレビュー対象として印が付いた会話。もう1つは、フィードバック機能で自分から報告した内容です。評価ボタンを押した会話は、ここに入ります。なお、どの会話に印が付いたかは、自分では分かりません。

取引先の社名や見積金額が入った文章を貼れば、それが自分では取り消せない場所に残る。だから1つ目の経路です。

② 共有リンク

会話の画面から作れる、閲覧用のリンクです。作ると、共有した時点までのやりとりをコピーしたページができます。添付したファイルそのものは含まれません。

個人向けプラン(Free / Pro / Max)の場合が問題になります。リンクを知っている人なら、誰でも中身を見られる。パスワードはかかりません。

Team / Enterprise は別で、同じ組織のメンバーにしか共有できない作りです。

この共有ページが検索結果に出てしまう、という件が過去にありました。リンクが1本でも社外に出れば、そこから全部が読まれます。点検の手順は以前まとめました。

③ メモリ

メモリ(過去の会話から、Claude が覚えておく仕組み)も経路の1つ。

2026年8月25日の発表で、仕組みが変わりました。チャットのメモリと、Cowork のメモリが同じものになりました。Cowork は、Claude にファイル整理や事務作業を任せる機能のことです。仕事の会話で覚えたことが、別の場所の会話にも出てくる、ということ。今 Cowork を使っていない方も、クラウドで使い始めた時点でつながります。

メモリの初期設定はプランで違います。Free / Pro / Max はオン。Team / Enterprise は既定でオフ。まず組織のオーナーが有効にし、そのうえで各自がオンにする二段構えです。

覚えた内容は、①の学習にも②の共有ページにも乗ります。自分が把握していない情報が、勝手に他の経路へ流れ込む口。だから1つと数えます。

④ コネクタ

コネクタ(Claude と他のサービスをつなぐ窓口)は、読むだけの機能ではありません。

Google Workspace のコネクタでできることを、公式ヘルプから拾うとこうなります。

  • Gmail:検索、読む、下書き、送信、返信、転送

  • カレンダー:予定の作成、更新、削除

  • ドライブ:ファイルの共有、移動、ゴミ箱へ移す、アップロード

送れるし、消せます。ヘルプに承認の記載があるのは、Gmail の送信・返信・転送と、ドライブの共有・移動・ゴミ箱について。既定では、毎回承認を求める作りです。

ただし Team / Enterprise は別。オーナーが「毎回聞かずに実行してよい」と許可できます。

取ってきたデータは、その会話と一緒に保存される仕組み。会話を消せば、一緒に消えます。

承認の画面を流し読みして通すと、社内の数字が社外あてのメールに乗って出ていきます。ここが4つ目の経路です。

⑤ ブラウザ操作

Claude in Chrome、Chrome の拡張機能です。開いているページの中身を読み取って、代わりにクリックしたり入力したりします。

2026年8月26日に一般提供になりました。有料プランなら、どれでも使えます。無料プランでは使えません(Enterprise は管理者が有効にする必要があります)。

Claude に操作させたページは、その中身が読み取られ、Claude 側へ渡ります。社内システムの画面でも同じ。ここが5つ目の経路です。

この1週間で、2つの経路が広がりました

5つのうち、③と⑤がこの1週間で変わりました。ここが今週このテーマを書く理由です。

メモリ(8月25日)は、さっき書いたとおりチャットと Cowork で共有されるようになりました。「このチャットの中だけの話」という前提が、ここで崩れます。

Claude in Chrome(8月26日)は、一般提供と同時に既定の動きが変わりました。こちらはコネクタと逆です。Claude が安全と判断した操作を、自動で承認するようになっています。設定で手動承認に戻せます(戻し方は金曜に書きます)。

この自動承認でも、全部が素通りするわけではありません。拡張機能の権限画面には、サイトごとに「常に許可」(Always allow actions on this site)という選択肢があります。これを選んでいても、次の3つは毎回確認が入ります。ファイルのダウンロード。機微な情報の入力。認可の付与、つまり他のサービスにアクセスする許可を出す操作です。

とはいえ、既定が変わったことを知らないまま使っているなら、それは経路が1つ開いた状態。知らないことが問題であって、機能が悪いわけではありません。

危険度セルフチェック 5問

ここからが今日の持ち帰り物です。5問に、はい/いいえで答えてください。5分で終わります。

数え方を先に断っておきます。「閉じている」と言い切れるときだけ「いいえ」です。確かめていない、覚えていない、自信がない。それは全部「はい」に数えます。開いているかどうかを自分で言えない状態は、開いているのと同じだからです。

なお、答えるのが先です。画面を開いて確かめるのは、5問を書き終えてからにしてください。

Q1(経路① 入力そのもの) 「設定」→「プライバシー」→「AIモデルの改善を支援する」が、オンのまま。または確かめていない → □はい □いいえ

Q2(経路② 共有リンク) チャットの共有リンクを出したままにしている。または、出したかどうか覚えていない → □はい □いいえ

Q3(経路③ メモリ) メモリがオンのまま。または、何が入っているかを一覧で確かめていない → □はい □いいえ (場所は設定の「Memory」。覚えている内容が一覧で並びます)

Q4(経路④ コネクタ) Gmail・ドライブ・カレンダーなどのコネクタを、1つ以上つないでいる → □はい □いいえ

Q5(経路⑤ ブラウザ操作) Claude in Chrome(ブラウザ拡張)を入れている → □はい □いいえ

「はい」の数が、みなさんが今開けている経路の数です。

白状すると、わたしも数えてみてヒヤッとしました。「はい」が4個。特に①は、完全に忘れていた口です。

開いた口ごとの、今週の読み方

数が出たら、次は「どの口を、いつ閉じるか」です。設問と、それを閉じる日を対応させました。

この表の使い方は簡単で、「はい」が付いた行の曜日だけ読めば足ります。

Q2 だけは今週の6本に担当日がありません。共有リンクは今日そのまま消せるので、②に貼った点検記事を先に開いてください。5分で終わります。

全員に読んでほしいのは火曜と土曜です。火曜は貼っていい情報の仕分け表。土曜は上司に出す社内ルール1枚。冒頭の見積書の答えは、火曜に出します。

「はい」が0個だった方は、火曜と土曜だけで足ります。閉じる口がないので、あとは決め方の話だけです。

「はい」が4個以上だった方は、月曜から土曜まで通しで読んでください。順番に意味があります。数える → 分ける → 設定を変える → 消える範囲を知る → 接続を切る → 人に出す、の順です。

数が多くても、事故が起きたという話ではありません。開けたまま気づいていない口が多い、というだけのこと。

参照した一次ソース(2026年8月30日に確認)

設定名や既定値は変わります。この記事の内容は、上の確認日時点のもの。実際に操作するときは、必ず自分の画面を開いて確かめてください。

明日は、貼っていい情報とだめな情報の仕分け表です。

今日やるのは2つだけ。5問に答えて、Q1 の設定を開くところまでです。オンになっていたら、その場でオフにできます。


この記事は「Claude週報 #2 会社の情報の線引きを決める」の1本目です。

▶ はじめての方はこちら:先週の完成版(第1週の日曜有料版)

▶ 次の一歩:Claude共有チャットが検索に出た件、5分で点検(無料)

▶ まとめて読む:マガジン「Claude週報」

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