ドサクサ日記 5/12-18 2025
12日。
リハーサル。インドネシアのセットやアコースティックのアンサンブルなどを話し合う。インドネシアがのんびりとした時間感覚なのか、こちらのスタッフの怠慢なのかはわからないが、何がどうなっているかほとんど教えてもらえず、不安になることが多い。そもそも観客がどれくらいいるのかも知らされていない。どうあれ現時点で最高の演奏と、機会を楽しむ気持ちだけは持っていこうとメンバーで確認。
13日。
FM802とFM COCOLOへ。いろいろな番組でNMFや新曲の「MAKUAKE」について話す。そして10年振りくらいにFM大阪へ。ラジオの良さは、どんなお喋りでも最後にちゃんと曲をかけてくれるところだと思う。その後は、音響設計の専門家と会食。藤枝の音響について、様々な知見を得ることができた。特に壁の意図的な傾きは音響にとってとても重要で、これから始まる内装工事の前に知れてよかった。
14日。
ポッドキャストの収録のあと、SATOHと一緒に作っている楽曲の歌をワンオペで録音。20歳以上離れたミュージシャンとの制作で気をつけているのは、自分の感覚を押し通してはいけない瞬間があること。自分が20歳のころは、技巧には欠けていても、同世代の作ってるサウンドのほうがフレッシュだと感じていた。スタジオワークの伝統から考えれば、このやり方こそがオーセンティックというものはいくつもあるけれど、楽曲にとって何が正解なのかというのはまったく決まっておらず、知らず知らずのうちに経験や技術がその世代特有のテクスチャーを削いでしまうことがある。言語化できない「なんかいい感じ」はとても大事。言葉にできないけれど「これじゃない」もとても大事。そこに音楽があるとも言える。ただ、バンドでやるなら、それぞれが努めて言語化しないとバンドが壊れてしまうことがある。
15日。
Kアリーナのタイムテーブルが公開になった。メンバーで話し合って、両日ともに自分たちがトップバッターをやることに決めた。いろいろな価値観が存在していい場所だからこその摩擦もあって、それは11年前までに散々体験したことだ。改めて、誰でも参加できる交差点のような場所になったら嬉しい。推しはいくらあってもいい。というか、音楽全体を推す、反転して音楽が好きな自分を推して欲しい。
16日。
Awichのパフォーマンスの動画を観る。ファッションピープルたちが少し前にパティ・スミスで盛り上がっていたけれど、同じ時代に、ポップミュージックの分野に足をかけて、Awichという詩人/ラッパーがいることを誇ってほしい。心の底から尊敬する。そしてやっぱり、俺には何が書けるのかと自問する。気がつけば、俺はあらゆるマジョリティのなかに浸かっていて、内向きに掘って行って自己嫌悪に浸るか、厭世観バリバリ全開で嘆いてみせるか、そんな手札しかないのかと落ち込みそうになるけれど、書くということは手持ちのカードから何かを選ぶような容易いものではないだろう。とはいえ身を切るように書いているかと言えば、俺は随分とメロディや演奏に助けられているなと思う。どうやって、彼女と同じ時代を生きてみせるのか。当事者性だけが書くことのエンジンではない。気張れよ、俺。
17日。
釜飯を炊いて散歩。渡航の準備をすべく、無印良品に出かけてサプリを入れるためのピルケースと蒸れなそうな靴下を買い、スーパーでフリーズドライの味噌汁やスープも買った。夜中にお腹が空いたとき、ふらっとコンビニまで買い物に行ける国は少ない。日本は安全なので、いつでもどこでも出歩ける。深夜というより明け方までやってるラーメン屋があったりもする。旅行者にとっては素敵な国だと思う。
18日。
昼過ぎに良くないニュースを聞き、緊急ミーティング。なんとも言えないズシリとした重さが残る。立場的に何ができるわけでもなく、何ができたわけでもない。自分の仕事はきっちりしたつもりだが、何か様々な掛け違えが起こる前に、感じた異和は率直に伝えるべきだった。ただ、それを怠ったわけではない。「MAKUAKE」はやり直すことについての歌だ。ショックは大きいが、前に進む方法を考えたい。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートは全額、NPO法人「APPLE VINEGAR -Music Support-」の活動に寄付させていただきます。
https://www.applevinegarmusicsupport.com