【エッセイ】🪴 畑と父と、週末と。 vol.31 ボロボロの父の靴
🪴畑と父と、週末と。
本当に久しぶりの更新です。
8月23日(日)気温37度
とある大阪の端っこの家庭菜園。
今日畑に行く約束をしていた訳ではないですが、
だいたい日曜日の三時ごろに行くことにしています。
しかし、あまりの暑さに電話で
「今日は四時にしよう」
と、あらかじめ決めました。
ちょっとした用を近くのホームセンターでこなして、秋植えのじゃがいもと、九条ねぎを購入しました。
じゃがいもは「でじま」です。
ホクホク系のジャガイモです。
400gで598円。
こんなに高かったかな?
と訝しがりながら、畑に向かいました。
行くと、父と母は先に来て、一汗をかいたところでした。
一回目の水やりを終えた感じでした。
雨がしばらく降らなかったせいか、畑はカラカラに乾いていて、
きゅうりもナスもピーマンも葉っぱに勢いがありません。
「これ、大丈夫?」
「まだ、大丈夫や。明日になったらシャンとしよる」
畑の年数というか、経験値が私より低いはずの父は、自信たっぷりに答えます。
それもそのはずです。畑を始めてから何年になるのでしょうか?
もうとうの昔に私の経験値は追い抜かれています。
ずっと、平日は父が水やりをしています。
水場は歩いて、1分とかからない場所ですが、十リットルの水が入ったじょうろを二つ持って一往復するだけでも、汗が吹き出します。それを五回は往復するので、相当な体力を使います。
だから、父は元気なのでしょうか?
定年してから十年くらい経ちますが、幸い大きな病気にはかかっていません。
そして、今日は母も一緒です。
妻と、母と畑にあるベンチに座ってぺちゃくちゃ井戸端会議です。
そこはまるで異空間。
それが終わると(強制終了させます)きゅうりやピーマンや枝豆の収穫です。
このカラカラの畑から収穫物があるのはもう父のおかげです。
車で一時間かけて、父が足しげくこの畑に通ってくれるから、週末の収穫があります。
その父に感謝しながら、今日は父の靴を買いに行きました。
父は私が以前何年前に買ったか分からない靴をずっと履いていました。
気づいたのは、
「お父さんに靴を買ってあげて。もうボロボロよ」
と、母の一声で決めました。
涼しい服もついでに買えたらいいと、近所のワークマンへ行きました。
最近のワークマンは安くて機能性のいい、おしゃれな服や靴を売っています。
そこで、父の靴を皆でああじゃこうじゃいいながら、選びました。
父は普段面倒がる人なので、靴や服は買いません。
全部母の言うがままです。
着せ替え人形みたいなものです。
実は私も同じです。
着るものは自分で買うことはほぼないです。
靴だけは別です。
走るようになってから、靴へのこだわりはあります。
そんな父の靴を選ぼうとしたら……驚きました。
1500円からあるのです。
もちろん、機能性の良いものを選んで、それです。
父は普段から長靴を履かないので、防水の靴を選んで地面に置きました。
サイズは25.5センチ
どうだ?
と、皆で見守ったところ、きつくて入りません。
それもそのはず、父は足の横幅が広いようで、4Eが合うと言うのです。
それで、父は結ぶのが嫌なので、マジックテープか何もないやつ。
絞られてきます。
3Eの黒い靴が気に入ったようで、
「もう、これでええ。そのうち広がるやろ?」
と言うのです。
私の靴へのこだわりは相当強く、靴はいつも店員に選んでもらいます。
だから、父の靴をワークマンで必死に探しました。
きっと、4Eはある。
そう信じて。
母はめちゃくちゃいいます。
「この前まで、痛いけど、履かせたから大丈夫よ。これで」
そんなメチャクチャなことはしたくありません。
ちょっと、高めの靴がある棚を探しました。
すると……ありました!
ちゃんと、4E幅広用の靴が見つかりました。
父に履かせてみると、25.5はサイズがきつかったようなので、26.0でスポンと音がしました。
誰が見ても、「これだ」というサイズ感でした。
私が以前父に買った日は覚えていませんが、もうクタクタになるまで履いた靴にお礼を言いたい気分です。
父を運んでくれて、ありがとう。
そして、新しい靴には父のことをこれからよろしくお願いしますと、言いたい気持ちです。
父が元気で、畑で過ごせる時間。
それは今日の夕方の畑の柔らかな風のような時間です。
帰りの畦道の上で、父がしばらく立ち止まり、
「あー、ええ風が吹いとる」
その言葉が忘れられません。
暑い日が続きますが、畑と父と、週末と。
これからも、頑張っていきたいと思います。
【今日の畑の様子】









【今日の畑の料理】

【TALES小説『おかんという生き物』】いつのまにか46話58262文字に及ぶ大作になりました。
「番外編⑳ウォークマン」にこの日のおかんの様子を描いております。ほぼノンフィクションです。
どうぞ、畑の自由奔放なおかんをご覧ください。
おもろい生き物なんです。
※気軽に読めるエッセイです。
私が一番気軽に書いてる文章かも……
【TALES小説『こもれびの下で🍀』】🆕
※農家レストラン「こもれび🍀」を夫婦で切り盛りするなぎさという女性のスローライフ。
長野県の安曇野を舞台に描きました。
これも、家庭菜園をやってるおかげかもしれません。どうぞよろしくお願いします🙇
