第95話|「一年で出られるよ。」その一言で、未来の景色が変わった
チームのリーダーと初めて話した日。
単身赴任をきっかけにトライアスロンへ挑戦したいと思ったこと。
そして、五年後くらいに大会へ出られたらいいと思っていることを話した。
すると、笑顔で返ってきた。
「五年もかからないですよ。」
「一年くらいで出られます。」
思わず笑ってしまった。
私の中では、五年かけて少しずつ準備する計画だった。
それを初対面の人は、当たり前のように「一年」と言う。
もちろん、その場ですぐに信じられたわけではない。
「本当にできるんだろうか。」
そんな気持ちもあった。
でも、それ以上に大きかったのは、
「経験者には、そう見えているんだ。」
という驚きだった。
自分一人で考えていた未来と、経験者から見た未来は違っていた。
その日から、目標は「五年後」ではなく、「一年後に向けて何を積み重ねるか」に変わった。
未来が近づいたわけではない。
未来の見え方が変わったのだ。
振り返ると、この頃から考え方も少しずつ変わっていた。
「できるか、できないか。」
ではなく、
「どう積み重ねれば、その未来に近づけるか。」
目標は、誰と出会うかで変わることがある。
あの日の一言は、私にとって未来の予定を書き換えた言葉だった。
