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第30話|違和感があるまま、始めていた

2月中旬、
たまに体の成長を感じられる日もある。
だが肩や手首の違和感が続き、
練習は簡単ではなかった。

以前の自分なら、
「体に痛みがあっても無理するか、
思い切って練習をやめるか」
そのどちらかを選んでいた。

結果はだいたい同じだった。
無理をして悪化させ、
できない自分を責め、
結局は続かない。

今回は違った。
練習をやめない。
でも、無理もしない。

距離は維持しながら、
体の状態に合わせて調整することを選んだ。

ある日は片手クロールで左手首を使わずに泳ぎ
ある日はキック中心で体幹と脚の感覚を確かめ
また別の日は手の力を入れずに腕を添えるように使い
腕に負荷をかけずに水を感じながら進んだ。

できないことを嘆くのではなく、
今できることを丁寧に積み重ねる。

体と対話しながら泳ぐ。
距離や時間だけではなく、
ひとつひとつの動きに意識を向ける。

このころは、
練習を続けながらも、
確かに前に進めていたと感じられた。

小さな工夫と意識の積み重ねが、
肩や手首の違和感に左右されずに続けることを可能にした。

考え抜いた結果、
無理せず、でもあきらめずに進める方法を見つけられた。

この日は、
そんな感覚とともに、
前に進むことの意味を改めて実感した日だった。


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