育成記録|実践ログ35|任せることは、“放置”ではなかった
入院中、仕事は任せるしかなかった。
不明点があれば連絡があり、その都度指示を出す形になる。
そのときの「任せる」という感覚は、少しこれまでと違っていた。
任せる=手を離す、ではなかった。
むしろ、任せたあとに“どこまで見に行くか”を設計する感覚に近かった。
仕事でも、リハビリでも同じだった。
全部を自分でやることはできない。
しかし、完全に手放してしまうと状況が見えなくなる。
その中間が必要だった。
まず任せる。
必要なときだけ介入する。
その「距離の取り方」が、少しずつ分かってきた。
リハビリでも同じだった。
理学療法士に任せる。
ただし、自分でも状態を観察する。
痛みの種類や変化を記録し、その情報を持った上で次の判断をする。
完全に任せるのでもなく、完全に抱え込むのでもない。
その間に、仕事と身体の両方が成り立つポイントがあった。
このとき初めて、「任せる」は能力ではなく設計だと感じた。
それは信頼の問題というより、構造の問題に近かった。
どこまで任せて、どこから自分が見るのか。
それを決めることで、物事は止まらずに回り始めた。
