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NOCEBO/ノセボ プラシーボの逆はノセボ 特級呪術師の復讐劇

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0D1K94M8Z/ref=atv_dp_share_cu_r

先日、映画飯で書いたフィリピン料理フンバが登場するホラー映画ノセボの感想を書く。
そもそもノセボってなんやねんって人もいると思うが、自分も知らなかった。

https://www.bohseipharmacy.co.jp/patient/cate03/post-40.html

薬効成分が無くても「ある」と信じれこまされれば効果があるのがプラシーボ。その逆がノセボとのこと。勉強になりましたわ。


あらすじ
ファッションデザイナーとして名を馳せるクリスティーンは、夫のフェリックスと幼い娘のボブスとダブリン郊外で悠々自適に暮らしていた。ある日、仕事中にクリスティーンはダニに寄生された犬の幻影に襲われる。8ヶ月後、クリスティーンは筋肉の痙攣、記憶喪失や幻覚などを引き起こす原因不明の体調不良に悩まされていた。そんな彼女の前に、ダイアナと名乗るフィリピン人の乳母が現れるのだが…。

主人公のクリスティーンを演じるのはエヴァ・グリーン。
颯爽としたクール・ビューティな役が印象に残るが、今回は病的なイメージの役。
クリスティーンが出会うダニに寄生された犬の場面が生理的にくるものがある。
「これ本当に厭ぁ~な映画だ」
と期待感が膨らむ。この幻影は呪いで、彼女に深刻なダメージを負わせる。
一気に8か月後になり、酸素マスクをつけて起きるクリスティーンが映し出される。
順風満帆だったキャリアも生活も体調不良と精神不安で手放しつつある。
それでも親切な夫フェリックスと娘のボブスとの暮らしに救われていた。

ある日「あなたに雇われた」と言うダイアナと名乗る女性が現れる。
クリスティーンは記憶障害も患っていたので、自分の記憶や判断を信用できないでいた。
そのような状態では家事も娘の送り迎えもろくにできない。人手が必要だった。
彼女のことを信用しメイドとして雇うことにした。
ダイアナは不思議な印象を与える女性で、ぱっと見は少女のようだ。
よく西洋人から見ると「アジア系の人は子供に見える」と言われる。
この映画のテーマの一つ西洋人の無意識のアジア人差別だ。

クリスティーンも家族も基本的に善良で、ダイアナに対して親切だ。
とくにクリスティーンはフェリックスが無意識に差別的な発言をしてしまった時には、ダイアナをかばっている。
ダイアナも、それに応えるように献身的に尽くす。
しかし、クリスティーンの体調不良は日に日に悪くなり限界に達しつつあった。
ダイアナは独自のマッサージを施すと、不思議とクリスティーンの体調が良くなった。
ダイアナはクリスティーンのまじないのような民間療法で少しずつ快方へと向かい仕事にも復帰できるまでになった。
フェリックスは妻の復調に喜びつつも、医者から処方された薬を飲まなくなったりダイアナを盲目的に信じるようになるクリスティーンを不安視する。



以下 ネタバレあり感想




昨日の映画も呪術廻戦案件だったが、今回もガチで呪術。
後半の主役はダイアナ。
この物語は彼女の復讐譚なのだ。
ダイアナはオンゴというフィリピンの呪術師なのだ。
このオンゴ自体が連鎖する呪いのようなもので、オンゴの死に際に立ち合ってしまった者が次のオンゴとなる。
幼い頃に偶然老婆の死を看取ってしまったダイアナは、その日からオンゴとして生きていくことになる。
このオンゴの力が継承されるシーンが、死にかけの鳥の雛のようなものが口から這い出て次の者に移る。
呪術廻戦を見たことある人ならば、まさに呪霊。
ダイアナは癒しの力と呪いの力を同時に持ち、人々に恐れ敬われていた。
そんな彼女も普通に恋をして結婚し子供を授かる。
幸せな家族ではあったが、生活は貧しかった。
オンゴの力を使って仕事をすれば大金が手に入るが、ダイアナは呪いの力を使いたくなかった。
そうも言ってられない状況になってきた時に、事件が起こる。
娘を夫の勤務先の工場に預けたときに火災が発生する。
通常ならば逃げることが出来たのだが、出口に鍵がかかっていたため逃げることが出来ずに娘は亡くなってしまう。
上からの指示で施錠を義務付けられていたのだ。
その指示を出したのは、たまたま現地にきていたクリスティーンだった。
クリスティーンが出した指示は悪意のあるものではなかったが、結果的に娘が亡くなった事実は変わらない。
ダイアナはオンゴの力を使って復讐すると誓った。
一連の出来事は、すべてダイアナの仕組んだことだった。

途中、異変に気付いたフェリックスによって一度は解雇されてしまうダイアナ。
クリスティーンだけではなく、ボブスまでも洗脳していたので戻ってくるのだ。
このへんのやり取りは非常に面白い。
通常のホラーだと、被害者側の頭が悪くご都合で騙されっぱなし、やられっぱなしのことが多いからだ。
先の読めない面白さがジョジョの奇妙な冒険の戦いのようだ。
クリスティーンは終始振り回され愚かな女性のように描かれるが、冒頭で呪いをかけられているので仕方ない。
クリスティーンは仕事に出る時は赤い靴を履き、自分を鼓舞するような言葉を言う。
ジンクスも、それをすると良い結果になるという一種の呪術で、クリスティーンは影響を受けやすい性質だったのだろう。
クリスティーンの行動はすべて「善かれ」と思ったことなので哀れだ。
ダイアナも悪女とは思えず、おなじアジア人からすれば白人からの薄っすらとした差別は理解できる。
どんなに優されても上から目線は抜けず、ダイアナの眼は冷ややかだ。
もし、本当の意味でクリスティーンやフェリックスがダイアナに対して親切だったら、復讐を完遂しようとしなかったのではないか。
ダイアナはオンゴの力の忌まわしさを理解していた。
使わずに済めばいいと思った可能性もある。

結果的にクリスティーンはダイアナの娘のように焼死する。
ダイアナはボブスの前で屋根から飛び降り死亡。
オンゴの死を看取ってしまったボブスに、力が継承される。

クリスティーンに一番苦痛を与えるとしたら、彼女の前で娘の命を奪うことだろう。
ダイアナも娘を持つ身、ボブスの命は奪えなかったのだろう。
自分と同じ呪われた運命を背負わせはしたが。
オンゴの力は呪いではあるが癒しの力も持っている。
ギフトでもあるのだ。
ボブスが、オンゴの力をどう使って生きていくのかは彼女次第ということになる。
限りなく過酷な道ではあるが。

ダイアナは亡くなった後に故郷の夫の前に影で現れ感謝を伝える場面が切ない。ダイアナはモンスターではないのだ。

ここまで書いたが、この映画の魅力の半分以下しか伝えきれない。

実際観てもらうほうが良いだろう。
ホラー映画好きならば大満足だと思うし、人間ドラマ、サスペンスとしても一級品だ。
呪いは超常的な力ではなく、呪いを信じる心なのだ。
という基本的な部分がしっかりしている
クリスティーンが悪夢で見る巨大なダニや、生理的に無理と思う場面は多いので注意。
いやあ、それでも観て欲しいなぁ。もっと評価されて良い映画ですよ本当に。







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