【テレビドラマ感想】VIVANTシーズン2あらすじ整理と伏線と考察(重要回16話終了後、『世界を巻き込む大きな渦』)
言わずと知れた大ヒットドラマ『VIVANT』。伏線や謎解きを楽しむ考察ドラマとしても絶大な人気を誇ります。しかし、第16話(シーズン2 第6話)まで進むと、あまりの怒涛の展開に「ストーリーを追うだけで手一杯で、考察どころではない」という方も増えているのではないでしょうか?海外のハードボイルド小説を読んでいる感覚に近いです。
そこで今回は、和洋ブックスの書籍レビュアー視点で第16話までのあらすじを整理し、感想と考察をまとめました。特に第16話は『世界を巻き込む大きな渦』の正体が見えた重要回だと思います。皆さんの頭の整理のお役に立てば幸いです。
※なお、本記事は第16話までのネタバレを含みますのでご注意ください。
■ あらすじ整理
シーズン2は、第11話(シーズン2第1話)の衝撃的な展開から幕を開けた。日本で入院中だった4名、そしてバルカにいた黒須を含む別班員5名が、ほぼ同時に中国系国際諜報機関「シンシー」に拉致される。
第15話までに、その裏にはシンシーの監視下にあった公安の野崎が、シンシーへの潜入捜査を行うための作戦だったことが明らかになる。
続く第16話、別班による佐野への尋問から、長期的な伏線である「世界を巻き込む大きな渦」の全貌が見え始めた。シンシーの真の目的は「核融合技術」の主導権を握ること。そのために研究者を確保したが、技術を完成させるためのラストピースが揃っていない。そのピースを揃える鍵が「テント」と「別班」にあると突き止めたシンシーは、情報を得るために野崎を引き入れ、野崎はあえて別班の情報を売ることで潜入捜査を成功させた。
ところが野崎のエージェントだったリュウとチョウの2人は、実はシンシーとの二重スパイだった。野崎が「自分のせいで死なせた」と思い込んでいたリュウは生きており、シンシー側の尋問者として野崎の前に現れる。野崎の動きが潜入捜査であることを見抜き問い詰めたところで、第16話は幕を閉じた。
■ 「世界を巻き込む大きな渦」の全貌考察
自分が考える「大きな渦」の構造は、こうだ。
1. 渦の中心は「AIの発展」
すでにAI自身の暴走から始まっている、というのが自分の見立てだ。
2. AIの発展に不可欠な「核融合技術」
シンシーが追っている核融合技術。だがその実態は、シンシー自体がAIに操られ、追わされているだけなのかもしれない。
3. 核融合に必要な「フローライト」と「実験データ」
核融合の完成に必要なのは、実験データと、レーザー核融合を起こすための材料「フローライト」だ。この実験データを記憶しているのがジャミーンであり、黒幕AIは別班の乃木や柚木薫医師がジャミーンを匿う展開まで見越したうえで、別班の情報を欲しがっているのだろう。
4. テントの動きと利権争い
テントが孤児救済のためにフローライトの商流を抑えようとしていること自体、黒幕AIの計算のうちだったはずだ。
この巨大な渦に、シンシー、テント、別班、そして公安が巻き込まれている――これが、和洋ブックスのレビュアー半澤による物語全貌の考察である。
■ 回収されていない副伏線と考察
無数にある伏線の中から、個人的に気になっているポイントをいくつかピックアップしたい。
リュウが野崎に語った過去の矛盾
リュウの過去の語りには明らかな矛盾がある。これは重要な副伏線になりそうだ。リュウがダブルエージェントであること自体は事実だろうが、根底では今も野崎を慕っており、最終的には野崎に協力するのではないか。
アリがジャミーンの帰国に反対した理由
テント元幹部でノコルと和解したアリが、人の善悪を見極められるジャミーンのバルカ帰国に異様なまでに反対していた点。アリは全貌をある程度把握しており、薫先生のもとに匿ってもらった方が安全だと判断したのではないか。
ノゴーン・ベキと新庄の生存説
ノゴーン・ベキと新庄の検死がなされていない点、ベキの兄と野崎の接触、そして新庄が殺される直前に見せた違和感(ガムのようなものの付着)など、副伏線と思しき描写が散見される。2人の生存はほぼ確実で、いずれ乃木(別班)に協力し、「渦」との最終決戦における強力な戦力になると見ている。
■ 感想
いま社会問題となっている「生成AIデータセンター」の爆発的増加と、それに伴う深刻な電力不足。その解決策として期待される「核融合技術」、そして実現に不可欠な材料「フローライト」を巡る利権争いは、まさに現実世界でも起きているリアルな課題だ。
現実社会では、生成AIデータセンターの構築と核融合研究で米国が圧倒し、フローライトのサプライチェーンは中国が制覇している。日本はフローライト加工技術やデータセンター用の光ファイバ供給によって、かろうじてこの渦の脇役として踏みとどまっているのが現状だ。
果たして作中の日本は、技術と諜報の争いで中国やアメリカに対抗できるようになるのだろうか。もし「別班」のような組織が実在すれば、それも可能だったのかもしれない。
ーーー以下、考察のための個人メモーーー
【組織の整理】
⓪シンシ
中国系国際諜報機関でシーズン2で登場しシーズン2での『世界を巻き込む大きな渦』の中核と思われるが多くは謎に包まれている。
木を隠すなら森の中の理論で世界の諜報機関が集まるエルサイムに拠点が置かれている。
主要メンバー
樊林杏(ハン・リンシン) リーダー
野崎野崎守(公安 潜入中?)
①別班(自衛隊の影の諜報組織)
非公式に日本の防衛と脅威排除を担う組織。各地区に統括が存在する。
主要メンバー:
乃木憂助(丸菱社員)
黒須駿(フローライトエンジニア) ※シンシに拉致(又は潜入)
長野利彦(丸菱専務)※第12話で別班と判明
別班員5名※シンシに拉致(又は潜入)
司令官
サイバー協力者:太田梨沙(元丸菱社員)
②テント(孤児救済組織)
ノゴーン・ベキが創設した孤児救済組織。その資金調達としてテロ請負やご送金詐欺といった犯罪にも加担していたことがシーズン1のテーマだったが、シーズン1で解体・再編が進みノコルが引き継いで資金源が地下資源(フローライト事業)に置き換わる。
世界中に全3階級からなる「モニター」と呼ばれる協力者ネットワークを保持する。
主要メンバー:
ノゴーン・ベキ(創設者)
ノコル(幹部・事業承継)
アリ・ザイード(元モニター統括幹部)
新庄浩太郎(最上位モニター・元公安)
ザイール(最上位モニター・自爆)
山本(最下位モニター・丸菱商事)
チョッピー(モニター訓練 タイの実業家 新庄に協力)
③公安(警視庁公安部外事課)
国内のテロ対策や外国諜報機関・スパイの摘発を行う表の治安維持組織。
主要メンバー
野崎守(外事第4課課長)
東条翔太(特別捜査官・サイバー担当)
ドラム(協力者)
新庄浩太郎(潜入テントモニター)
別班情報を知る幹部達
④丸菱商事(大手総合商社)
表向きは総合商社、別班・テントの潜伏先となってきた。
主要人物:
乃木憂助(別班)
長野利彦専務(別班)
太田梨沙(別班に協力するハッカー、過去にはテントにも協力)
山本巧(元テント最下位モニター・シーズン1で死亡)
【重要な人物の整理】
⓪樊林杏(ハン・リンシン)
シーズン2で登場したシンシのリーダー
謎に包まれているがテントの目的が孤児院だったことに強く反応がサブ伏線となっておりバルカの孤児にあたるノコル又はジャミーンと関係への考察を誘導している。
①乃木 憂助(のぎ ゆうすけ)/ 堺雅人
幼少期・奴隷時代: バルカ共和国で両親(卓・明美)と離別後、人身売買ブローカーに売られ、蔑称で呼ばれながら凄惨な虐待・奴隷扱いを受ける。
日本帰国・丹後園時代: 戦場ジャーナリストの飯田に保護されて帰国。「丹後隼人」名義で児童養護施設「丹後園」に引き取られる。
「F」の発現: 小学生時代(丹後園時代)、過酷ないじめやトラウマに耐えるための防衛本能として、もう一つの人格「F」が生まれる。
記憶回復と別班入り: 記憶を取り戻して乃木家に引き取られ「乃木憂助」となる。コロンビア大学留学を経て自衛隊に入隊後、「別班」にスカウトされる。
テント潜入と決着: 父・ベキに会うため仲間を撃ったフリをしてテントへ潜入。ベキの復讐を止め日本を守った。
ジャミーンの判定(善人): 善悪を見極める能力を持つジャミーンから心から懐かれており、真の「善人」であることが証明されている。
ベキ生存の関与: 別班の射撃技術(急所外し)でベキを生かして密かに潜伏させており、失踪した別班員の件でも裏で連絡を取り合っている可能性が高い。
②野崎 守(のざき まもる)/ 阿部寛
警視庁公安部外事第4課課長。過去に協力者(リュウ)を死なせたトラウマを持つ。シーズン1では乃木の正体(別班)を見抜きつつも共闘。
推測・考察:
ジャミーンの判定(最終的には善人): 当初馴染んでいなかったがジャミーンが恐れずに心を開いたことから、表向きは敵になることもあるが、根底に強い正義感と温かさを持つ「善人」と
第14話終了時点で、共同戦線を張ったはずの乃木達別班チームを裏切ったが組織に潜入捜索をしている善人の可能性は高いと思わせる様に
③長野 利彦(ながの としひこ)/ 小日向文世
別班の東南アジア地区統括: 丸菱商事専務取締役の表の顔を持ちながら、その実体は自衛隊「別班」の東南アジア地区統括。
防衛大学校出身。一橋大学大学院時代に訓練を受け別班に。
シーズン1で過去に公安の取り調べで「薬物依存の更生施設に入っていた」「ハッカー太田と不倫関係にあった」という事実はなかったと13話で判明。
④新庄 浩太郎(しんじょう こうたろう)/ 竜星涼
警視庁公安部に潜入していたスリーパーであり、テントのモニター(全3階級)の中で最上位(第1階級)に位置する幹部級工作員。第11〜12話ではベキを逃した首謀者であり、別班員達の失踪に関与していたと疑われていたが、13話でその疑いが薄まった。14話で逃亡中に射殺されたが、生きていると考察
サブ伏線
背中についていたガムのようなもの
防弾直帰を着ている様子だったこと
逃亡前に乃木裕介と話をしていたこと
日本で遺体の検死が省略されたこと
⑤東条 翔太(とうじょう しょうた)/ 濱田岳
警視庁公安部外事第4課の特別捜査官でサイバー捜査のスペシャリスト。野崎の右腕。ノゴーンベキをベキ様、孤児院のヒーロータイガーマスクを崇拝する等テントモニターであることも匂わせている。第13話で別班チームをミスリードさせるハッキングをした履歴を太田に発見されている。
経歴、実力、発言、共に公安というよりサイバースペシャリストであり、敵にも味方にもなりうる。ただし、実力は太田に劣る。
逃亡中だが、捕まるのも時間の問題
⑥太田 梨沙(おおた りさ)/ 飯沼愛シーズン2で交代
天才ハッカー「ブルーウォーカー」: 元・丸菱商事財務部社員。誤送金事件を経てその突出したハッキング能力を認められ、現在は「別班」のサイバー協力者として正式に協力している。
敵対勢力や「謎の組織」が擁する同等レベルの天才ハッカー(含むAI)に対抗する、別班側の防壁・捜査の要となる。
第13話で長野専務との関係が不倫ではないことも判明して、黒須を心配している様子も伺えわかり敵である可能性は低いと推測。
⑦ノゴーン・ベキ / 乃木 卓(のぎ すぐる)/ 役所広司
公安時代と見捨てられた過去: バルカ潜入捜査中クーデターに巻き込まれる。公安上層部に見捨てられ妻を失う。
テント結成: 孤児救済資金を集めるためテロ請負組織「テント」を結成。「緑の魔術師」と崇められる。
表面上の最期: 日本への復讐時に憂助に阻止され、撃たれて倒れる。
シーズン2でバルカで葬儀が予定されている。
生存説、死体が見つかっていなく、DNA鑑定もなく、心臓を外せる乃木が射殺したとされていること、更に11話で野崎がわざわざシーズン2がベキの兄に会いに行っているというサブ伏線があることから、死は偽装されている可能性が高いと考察。
⑧ノコル / 二宮和也
ベキの養子。ベキからフローライト事業を託される。
テントの表の事業を率いる一方で、ベキの生存や別班員の失踪についてどこまで把握しているかが鍵となる。
別班の真相を知る11人に含まれながら情報流出の可能性の映像がなかったのはサブ伏線となっている。
⑨柚木 薫(ゆずき かおる)/ 二階堂ふみ
「国境なき医師団」の医師。バルカでジャミーンらの治療に尽力。日本帰国後、乃木と恋人関係になる。
ジャミーンの判定(善人): ジャミーンが母親のように最も全幅の信頼を寄せる人物であり、人命救助に尽力する真の「善人」である。
過去の経歴や周囲との繋がりから、今後さらに重要な秘密が明かされる可能性が残る。
⑩黒須 駿(くろす しゅん)/ 松坂桃李
別班員。乃木の相棒。テント潜入時には乃木に撃たれる演劇を経て、真意を理解し完遂を支えた。バルカに残りフローライト事業にエンジニアとして協力。
シンシに捕えられている。
⑪アリ・ザイード / 山中崇
GFL社社長。テントの元モニター統括の幹部。別班の狂言処刑によりテントの情報を乃木に告白した。テントを裏切った身だが13話でノコルに協力することになり和解。
ジャミーンがバルカに戻ることに強く反対していることがサブ伏線になっている。

