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人生の大半を費やす仕事が、無味乾燥であっていいはずがないーー仕事を、生活費を得るための手段から、生命が世界に触れる活動へ戻す

Work should be where life takes form.


🌍 仕事だけが、人生の外側に置かれている


人生の大半の時間を使う仕事が、無味乾燥であっていいはずがない、と思っている。

人は、食事や住まいや服には、自分らしさや心地よさを求める。

どこへ旅をするか。
誰と生きるか。
どんな空間で過ごすか。

そういうことには、自分の感覚を使おうとする。

けれど、仕事になると急に話が変わることが多い。

生活のためだから。
仕方がないから。
責任だから。
大人とは、そういうものだから。

そう言いながら、仕事の時間だけ、
自分の生命を引っ込める。

考える力も、感性も、美意識も、欲望も、
世界に触れようとする衝動も脇へ置いて、
求められた機能だけを差し出す。

それを一日八時間、何十年も続ける。

そして、仕事の外側に残った短い時間だけを「自分の人生」と呼ぶ。

でも、本当にそれでいいのだろうか。

私は、好きなことだけを仕事にしようと言いたいわけではない。
楽しく働けばすべて解決する、とも思っていない。

仕事には、面倒も責任も、現実的な条件もある。

それでも問いたい。

人生の中心にこれほど大きく存在する仕事を、
生命の外側に置いたままでいいのだろうか。


🕰️ 人生の中心にあるのに、仕事だけが「手段」になっている


一日の中で、仕事に使っている時間は大きい。

実際に働いている時間だけではない。

仕事のことを考える。

移動する。

人と話す。

判断する。

気を遣う。

緊張する。

疲れる。

そして、そこから回復する。

仕事は、収入を得るための時間だけではない。

人間関係にも影響する。

住む場所にも影響する。

朝起きる時間にも、夜眠る時間にも影響する。

身体の調子にも、生活のリズムにも、自分をどう見るかにも影響する。

うまくいけば、自信になる。

うまくいかなければ、自分の価値まで揺らぐことがある。

それほど人生の中心に近い場所にあるのに、
仕事だけはなぜか「生きるための手段」として扱われやすい。

人生は仕事の外側にある。

仕事は、その人生を維持するための装置である。

平日は耐える。

休日になって、ようやく生きる。

働いてお金を得る。

そのお金で、好きなものを買い、旅をし、自分を満たす。

もちろん、仕事に生活を支える役割があることは間違いない。

収入は必要だし、責任もある。

誰もが簡単に仕事を選び直せるわけでもない。

だからこれは、ただ好きなことで生きればいいという話でもない。

問題は、職種ではないのだ。

どんな仕事をしているかより、
その仕事をしている時、自分の生命がそこにいるかどうか。

身体だけが席にいて、意識は終業時間を待っている。

求められた機能だけを果たし、自分の感覚も判断も美意識も使わない。

仕事の時間だけ、自分という存在が薄くなる。

私は、その分断こそが、人を少しずつ空洞にしていくのだと思う。


🫀 私が求めていたのは、やりがいではなかった


「やりがいのある仕事」という言葉に、
私はずっと少しだけ違和感があった。

もちろん、やりがいは大切だと思う。

誰かの役に立った。
成果が出た。
認められた。
目標を達成した。

そういう実感は、仕事を続ける力になる。

けれど、私が求めていたものは、
それだけではなかった。

もっと根源的なものだった。

自分の中にあるものが動き、
外の世界に触れ、
そこに何かが生まれること。

考えること。
美しいと感じること。
人を見ること。
違和感を拾うこと。
言葉にすること。
決めること。
形を与えること。

それらがバラバラではなく、
一つの流れとして動いていること。

私は、仕事をしている時に、自分の一部分だけを差し出したくなかった。

効率だけを使う。
知識だけを使う。
愛想だけを使う。
忍耐だけを使う。

そうやって機能の一部だけで働くのではなく、
自分の生命全体がその場に参加している感覚がほしかった。

それは、いつも楽しいということではない。

苦手なこともある。
面倒なこともある。
責任を引き受けなければならない場面もある。

それでも、その仕事の中に、
自分の感覚も、思想も、美意識も、判断も、意志も流れている。

その結果として、
自分が触れる前には存在しなかった何かが、
現実に生まれる。

私は、仕事を楽にしたかったのではない。

仕事の中に、生命を戻したかった。

成果や評価がなくても満足したい、という話でもない。

成果も必要だし、評価も受け取る。

けれど、それらは生命が動いた結果であって、
生命の代わりではない。

私が欲しかったのは、
「頑張った甲斐があった」と思える仕事ではなく、
ここに自分がいた。

ここで自分の生命が動いた。

そして、その動きが世界に何かを残した。

そう感じられる仕事だった。


🔥 仕事が生命活動である、とはどういうことか


では、仕事が「生命活動である」とは、どういうことなのだろう。

それは、楽しいことだけをするという意味ではない。

苦手なことを避けることでもない。

努力しなくていいという話でもないし、
趣味をそのまま仕事にすればいいという話でもない。

仕事が生命活動であるとは、
仕事を通して、自分の生命が世界に働きかけている状態のことだ。

私たちの内側には、まだ形になっていないものがある。

感覚。

思想。

欲望。

美意識。

違和感。

能力。

こうありたいという願い。

まだ世界に存在していない何かを、存在させたいという衝動。

けれど、それらは内側にあるだけでは、まだ現実にはならない。

言葉にする。

商品にする。

サービスにする。

空間を整える。

関係を結ぶ。

仕組みを作る。

判断し、選び、責任を引き受ける。

そうやって、内側にあったものを、他者が触れられる形へ変えていく。

その運動が、仕事なのだと思う。

Lifeが息づくWork。

生命が動き、その動きが現実の形になるところに、仕事がある。

だから、生命活動としての仕事は、自己表現だけでは終わらない。

自分が表したいものを、一方的に世界へ差し出すことでもない。

言葉を出せば、読まれる。

商品を出せば、選ばれることも、選ばれないこともある。

人に関われば、喜ばれることも、拒まれることも、予想とは違う反応が返ってくることもある。

その応答を受けて、言葉を変える。

形を整える。

自分の思い込みに気づく。

伝え方を変える。

時には、最初に思い描いていたもの自体を作り直す。

つまり仕事とは、完成した自分を世界に表現する行為ではない。

世界との応答の中で、まだ完成していない自分自身も創られていく運動なのだ。

私は仕事を通して世界に何かを渡す。

同時に、世界から返ってきたものによって、自分も変わる。

自分が世界を創り、世界との関係がまた自分を創る。

その往復が途切れずに起きている時、
仕事は生活費を得るための機能を超えて、
生命活動になる。

そこでは、自分は仕事のために生命を削っているのではない。

生命そのものを、現実に存在する形へ変えている。


🧱 生命活動だからこそ、現実を引き受ける


「仕事を生命活動に戻す」と言うと、
自由や感覚や直感を大切にすることだと思われるかもしれない。

それらも必要だ。

自分の内側で何が動いているのか。
何に違和感を持つのか。
何を美しいと感じるのか。
どんな世界を作りたいのか。

そうしたものを無視した仕事は、
やがて生命から切り離されていく。

けれど、感覚だけでは仕事にならない。

直感だけでも、世界には届かない。

生命が仕事になるには、現実の条件を引き受ける必要がある。

時間を決める。
価格をつける。
期限を守る。

相手に届く形へ整える。
面倒な工程を引き受ける。

売れなければ、何が届いていないのかを見て修正する。

一度きりで終わらないように、続けられる仕組みを作る。

思想を語るだけでは、まだ仕事にはならない。

美しい理想を持っているだけでも、それは自分の内側にある光のままだ。

その光を、誰かが受け取れる言葉や商品やサービスへ変えなければ、世界には存在しない。

現実に触れた時、理想は少し形を変える。

思っていたより時間がかかることもある。

価格をつけることで、自分の価値観が問われる。

相手に届くように整える中で、自分の伝えたいことだけでは足りないと分かる。

売れなければ、現実から応答が返ってくる。

けれど、それは理想が壊れたということではない。

光と現実が出会い、どちらも変わりながら、
初めて第三の形が生まれるということだ。

生命活動としての仕事は、現実を軽く扱わない。

むしろ、生命を地上へ渡すために、
現実を真剣に扱う。

数字も、期限も、価格も、仕組みも、
生命の反対側にあるものではない。

それらは、内側にあるものが世界に存在するための器である。

生命を守るために現実から逃げるのではない。

生命を現実の中で生かすために、現実を引き受ける。

そこまで含めて、仕事は生命活動になると思うのだ。


🌱 仕事を変えるとは、職業を変えることではない


仕事を生命活動へ戻すといっても、
仕事を変えることと、職業を変えることは同じではない。

同じ仕事をしていても、その仕事にどう関わるかで、質は変わる。

何を見ているか。
どこまで考えるか。

誰に、何を渡そうとしているか。

自分の美意識や判断を、どこで使うか。

どの責任を、自分のものとして引き受けるか。
ただ指示されたことをこなすのか。

それとも、その仕事が本来何のためにあるのかを考えるのか。

同じ言葉を使うのでも、相手に届くように選ぶのか。

同じ作業をするのでも、雑に終わらせるのか、自分の基準を通すのか。

そこには大きな違いがある。

職種が同じでも、生命が参加している仕事と、
機能だけを果たしている仕事は違う。

一方で、どれだけ関わり方を変えても、
自分の生命を長期間切り離さなければ成り立たない仕事もある。

感覚を使わない方がいい。
考えない方がいい。
意見を持たない方がいい。
ただ従うことだけが求められる。

その状態が続くなら、仕事の形そのものを変える必要があるかもしれない。

けれど、その判断も、
「好きか嫌いか」
だけでは足りない。

好きでも、生命が痩せる仕事はある。
大変でも、生命が深く動く仕事もある。

問いたいのは、もっと別のことだ。

この仕事をしている時、私の生命は世界と関係しているか。

私は、何かを見ているか。
考えているか。
選んでいるか。
渡しているか。
現実から返ってきたものを受け取り、また変わっているか。

仕事を変えるとは、肩書きを変えることではない。

自分の生命が、もう一度その仕事の中へ戻れる形を探すことだ。


👑 私は、仕事を通して世界を創りたい

以前の私は、自分を知りたかった。

なぜ苦しくなるのか。
なぜ同じことに反応するのか。
なぜ、分かっているのに変われないのか。
どうすれば、自分の本来の位置へ戻れるのか。

長い時間をかけて、人間の内側で起きていることを見てきた。

それは必要な時間だった。

けれど今、私の視線は、その先へ移っている。

自分を理解した後、その生命を使って、
私は何を世界へ渡すのか。

ジュエリー。
言葉。
講座。
仕組み。
場。
文化。

一見すると、それらは別々の仕事に見える。

けれど、私の中では分かれていないのだ。

一つの生命が、異なる形で世界に触れている。

美しいと感じたものを、ジュエリーにする。
まだ言葉になっていないものを、文章にする。
人の中にある力が動く道筋を、講座にする。
思想が現実の中で機能するように、仕組みや場を作る。

その一つひとつが、私にとっては同じ創造の続きにある。

私はもう、仕事と人生を分けたくない。

生きることの余りで仕事をするのでも、
仕事の余りで生きるのでもない。

仕事をする私と、生きている私を、別々にしたくない。

私にとって仕事とは、
生命が世界に触れ、まだ存在しないものに形を与える活動なのだ。

そこには、喜びだけでなく、面倒もある。
自由だけでなく、責任もある。
理想だけでなく、数字も期限もある。

それでも、それらを含めて引き受けながら、
自分の生命を世界へ渡していきたい。

そして、世界から返ってくる応答によって、
私自身もまた創られていきたい。

人生の大半を費やすものが、無味乾燥であっていいはずがない。

仕事は、人生を維持するために生命を止める時間ではない。

生命が動き、世界と出会い、まだなかった現実を生み出していく時間であっていいと思うのだ。




自分の感覚や欲望、美意識、思想を受け取りながら、
それを言葉、仕事、関係、仕組みとして、現実に渡せる形へ変えていくこと。

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自分自身の生命に、
もう一度、あるいは人生で初めて還っていくための場所です。

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