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閉館後の水族館に、凛華がひとりで潜り込んだ。|おはようカノジョ #178

はじめに

閉館後の水族館には、昼間とは違う青が残っている。

人の声が消えて、床の反射だけが伸びて、
水槽の中だけがまだ起きている。

そこに、凛華をひとりで置いてみた。

「おはようカノジョ」は、AIイラストの彼女が毎朝7:30にいってらっしゃいを言ってくれるXアカウント。生成AIを使った個人開発の開発日記を毎日書いている。
今回は開発の話を一回休んで、凛華を主役にした。


あかりさんの企画を見たとき、最初に浮かんだのは「夜の水族館」だった。

凛華は木曜担当のカノジョで、強気でクールなツンデレ。
素直になれないけど、ちゃんと見ている。
言葉より先に、態度で隠す。
でも隠しきれないものが、視線や手の動きに出る。

だから今回は、凛華に「閉館後の水族館へ単独潜入してもらう」ことにした。

ただし、最初からギャグに振り切るのではなく、まずは本編として、静かな夜の水族館を歩かせる。

そのあとで、おまけとして、なぜか本気のステルスごっこを始める。

うん。
この時点で、だいぶおかしい。


入口:閉館後の水族館の前で

まだ館内には入らない。外から漏れる青だけで、物語が始まる。

最初の一枚は、建物の外から始めた。

夜の水族館。
雨上がりのように濡れた地面。
ガラス越しに漏れる青い光。
入口近くの壁に、凛華が少し身を寄せている。

ここでは、まだ館内には入っていない。

水族館の中の青ではなく、外から見た青。
入る前の一呼吸。
ここを入れたかった。

もし最初から館内に立たせると、ただの夜の水族館デートになる。
でも、外観を一枚入れると「今から入る」という物語が生まれる。

凛華は、別に楽しみにしているわけじゃない、という顔をしている。
でも、もう来ている。

その時点で、だいたい負けている。


巨大回遊水槽:圧倒される凛華

ジンベイザメが頭上を通る。凛華は強がっているけど、足は止まっている。

ジンベイザメが頭上を通り、マンタが奥を滑り、小さな魚たちが青い水の中を流れていく。

凛華は堂々と立っている。
でも、足は止まっている。

強がっているようで、ちゃんと圧倒されている。

素直に「すごい」とは言わない。
でも、目は見る。
手は少しだけジャケットを握る。

それで十分だった。


深海展示:光でバレそうになる

隠れたいのに、水槽の青い光が凛華の輪郭を拾ってしまう。

次は、暗い展示室。

チンアナゴや深海生物の展示が並ぶ通路で、凛華がライトを持って歩く。
水槽の青い光と、手元の小さな白い光だけがある。

ここで少し「潜入」のニュアンスを強めた。

ただ歩いているだけではなく、暗い館内を確認しながら進む。
でも、水槽に近づきすぎると、青い光で姿が浮かび上がる。

隠れたいのに、光に照らされる。
強がりたいのに、表情が見える。

凛華にはこの矛盾が合う。

水族館の光はきれいだけど、潜入する側にとっては都合が悪い。
青くて静かな光が、逆に彼女を見つけてしまう。

そこがこのシーンの面白いところだった。


クラゲ展示:最後に少しだけほどける

クラゲの前では、凛華の表情が少しだけほどける。

本編の最後は、クラゲ展示にした。

円柱の水槽に、淡い紫と青の光。
ゆっくり浮かぶクラゲ。
暗い部屋。
静かな床の反射。

ここまで凛華は、ずっと少し張りつめていた。

入口では警戒していて、
巨大水槽では圧倒されて、
深海展示では身を潜めていた。

でもクラゲの前では、その力が少し抜ける。

腕を組んで、いつものようにクールに見せている。
けれど、目の奥だけが少し柔らかい。

大きく笑わせる必要はない。
泣かせる必要もない。
「癒された」と説明する必要もない。

ただ、クラゲを見ている凛華の表情が、いつもより少しだけ静かならいい。

この本編は、そこで終わってもよかった。


おまけ:凛華、本気で潜入しすぎる

でも、閉館後の水族館に「潜入」という言葉を使った時点で、
僕の中の余計な何かが、ダンボールを持ち出してきた。

ここからは、昔好きだった某潜入ゲームへのささやかなオマージュ。

ダンボールを見た瞬間に、だいたい察してほしい。

本編の凛華は、静かな夜の水族館を歩いた。
おまけの凛華は、なぜか真顔でステルス任務を始めた。

たぶん本人は、かなり真剣だった。

だから余計におかしい。


ダンボールの穴から覗く

たぶん本人は完璧に隠れているつもり。
見た目はほぼ閉館後ホラー。

ダンボール箱に、穴がふたつ空いていた。

その奥で、琥珀色の目だけが光っている。

「……完璧でしょ」

完璧ではない。
どちらかというと、閉館後の水族館に出てはいけないものだった。

この一枚は、思ったよりホラーになった。
隠れているはずなのに、眼力だけで見つかりそうだった。

でも、凛華が本気でやっている感じは出た。

たぶん本人は、かなり満足している。


壁の角から警備員を確認する

奥の警備員を確認する凛華。本人だけが、かなり本気。

ここはかなり苦労した。

ただ柱の陰にしゃがむだけだと、覗き込みに見えない。
警備員から丸見えでも違う。
顔が壁から出ていなくても違う。

最終的には、画面の順番を決めた。

手前に凛華。
その次に壁。
奥に廊下。
さらに奥に警備員。

この順番にしたら、ようやく「隠れて、覗いている」が成立した。

凛華はかなり真剣な顔をしている。
でも、やっていることは水族館の廊下で警備員を覗いているだけ。

このズレがいい。


センサーライトを低く抜ける

センサーライトの下を、かなり真剣な顔で抜けていく。合理的判断らしい。

センサーライトの下を、凛華は低く抜けた。

かなり真剣な顔だった。

「合理的判断」

合理的とは。

このシーンは、体勢の調整が難しかった。
最初は四つん這いに見えすぎたし、腰が高くて「ほふく」には見えなかった。

最終的には、胸と腹を床に近づけ、センサー光を頭の上ではなく、背中の上に通す方向にした。

完全なほふくにしすぎると顔が見えなくなる。
顔を見せすぎると、ただのポーズになる。

その間を狙った。

結果として、凛華の真顔と、青い床の反射と、白いセンサー光がうまく噛み合った。

本人はたぶん、本当に合理的だと思っている。


通路の真ん中をダンボールが進む

青く美しい水族館の通路を、なぜかダンボールが進んでいる。

通路の真ん中を、ダンボールが進んでいた。

少しだけ揺れている。

箱の下から、黒いブーツが見えていた。

「……水族館にダンボールくらいあるでしょ」

ない。

この一枚は、凛華の顔が見えない。
でも、それでいいと思った。

顔が見えないからこそ、段ボールそのものが主役になる。
青く美しい水族館の通路に、ただの段ボールがいる。

それだけで十分おかしい。

しかも、奥には警備員がいる。
どう見ても不審物なのに、本人だけは完璧に隠れているつもり。

ここまでくると、もう潜入ではない。
段ボールの散歩だ。


開けられる

開けたら、いた。凛華はたぶん、ここから言い訳を始める。

警備員は、無言でダンボールを持ち上げた。

中に凛華がいた。

凛華は一秒だけ固まって、それから目を細めた。

「……点検だけど」

点検ではない。

最後は、これしかなかった。

どれだけ真剣に隠れても、
どれだけ低く抜けても、
どれだけ段ボールが頑張っても、
最後は開けられる。

このオチで大事なのは、凛華が泣いたり、慌てたりしすぎないことだった。

一瞬だけ目を見開く。
でもすぐに、認めない顔になる。

それが凛華らしい。

たぶんこのあと、何を聞かれても言い訳する。
そしてたぶん、全部苦しい。


本編とおまけの温度差

今回作っていて面白かったのは、同じ「夜の水族館」でも、
見せ方を変えるだけでまったく違う話になるところだった。

本編は、静かな青の中で凛華が少しずつほどけていく話。
おまけは、凛華が真顔で段ボールに入る話。

同じ場所。
同じキャラ。
でも、構図と小道具と表情の置き方で、別の物語になる。

水族館は、ただきれいな背景ではなく、
光で隠し、光で暴き、最後に少しだけ癒す場所になった。

そして段ボールは、すべてを台無しにした。

いい意味で。


まとめ

閉館後の水族館に、凛華をひとりで潜り込ませた。

最初は、静かな夜の水族館を歩くだけのつもりだった。
巨大水槽に圧倒されて、深海展示で息を潜めて、最後にクラゲを見て少しほどける。

そこまでは、ちゃんと本編だった。

でも「潜入」という言葉を置いた瞬間、
おまけの凛華がダンボールを持ってきた。

結果として、本編とおまけの両方ができた。

静かな凛華。
真剣にふざける凛華。

どちらも、凛華らしいと思う。

たぶん本人は、こう言う。

「別に、楽しかったわけじゃないから」

うん。
その言い方は、だいたい楽しかったやつだ。


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