ブルアカの雑語りを許さない
ブルーアーカイブ (以下ブルアカ) も大きくなったものだ。初期勢としては嬉しいと同時に複雑な気持ちになる事象も増えてきており、まあこれも有名になったタイトルの宿命かなと思いつつ、さすがに看過できない事態に遭遇したので筆を執ることにした。
発端はこちらの記事だ。とはいえ、書きたいのは記事の主題についてではなく、この記事およびその周辺におけるブルアカの雑語りで、それらについて指摘していこうと思う。なお、上記記事の有料部分には言及しないので、これを読むにあたって購入の必要はない。
さて、ブルアカは公式に『学園×青春×物語RPG』と謳っているものの、実のところ『青春』については大きな疑問符のつくゲームだ。ブルアカの基本構造は「目の前の問題に対処していったらより大きな問題に発展していき、最終的に世界を救う」という古くからある JRPG やジャンプのヒーローマンガ的な物語である。
ブルアカは「当事者」として理想の青春にアクセスすることを諦めたオタクが、「大人」(=先生)として理想の青春を傍観してる体でいつつ、実際は青春の当事者たちから青春に引きずり込まれたいと願う複雑でキモい感情が詰まったコンテンツだと思ってる。 https://t.co/sl7QId0G6J
— 小山(避難所) (@Segah02457547) September 9, 2025
そもそも最初のメインストーリーである対策委員会編が「学園の借金を返すために奔走・消耗している生徒たちを助ける」なのだ。敵は暴力・脅迫・詐欺・拉致といったあらゆる非合法な手段を駆使して攻撃してくるし、プレーヤーである先生は当の生徒たちから不信感をもたれている始末。もちろんそこから生徒との信頼関係を構築していき問題を解決するのだが、その解決方法はプレーヤー側による正当な論理をもった暴力だ。これを青春と呼ぶのなら、ワンピースやチェンソーマンですら青春マンガということになってしまうだろう。
じゃあ公式のいう青春って何よ?という疑問が生まれるが、まずは個別の生徒ごとにある『絆ストーリー』が挙げられるだろう。ここではプレーヤーである先生と生徒の個人的な交流について描かれていく。またメインストーリーの合間に挟まれる『イベントストーリー』では生徒同士の衝突や協力といった話が展開される。これらの物語の多くはスラップスティック的なコメディだが、青春要素を含むものも少なくない。とはいえ絆ストーリーやイベントストーリーは基本的に「メインストーリー後の合間の話」として設定されており、ゲーム体験の主軸がメインストーリーにあることは疑いようがないだろう。公式のミスリードがあるとはいえ、実際にブルアカをプレーして「理想の青春の物語」と受け取るのは困難だ。
小山氏のブルアカへの不理解は以下のツイートにも表れている。
極言してしまうと、ラブコメやブルーアーカイブで描かれるような恋愛模様ってもはや「時代劇」なんですよね。陽キャだろうがモテ男だろうが現代において手に入れられるものではない。にも関わらずフィクションの世界ではそれが実在するかのように語られるのでZ世代は苦しみ続ける。
— 小山(避難所) (@Segah02457547) September 9, 2025
ブルアカで描かれる恋愛模様とはなんだろうか?確かに一部の生徒は先生好き好き光線を放ってくるものの、先生はそれを受け流していく。先生大好き勢の筆頭であるミカにおいては、あまつさえ突き放すような態度までとっている。もし「好かれること自体が恋愛模様だ」というのなら、ラブコメのくだりと矛盾することになる。成就しない一方通行のラブはコメディではなくサイコホラーだし、「Z 世代はハーレムものの青春が実在すると信じている」というのならそれは失礼としか言いようがない。
「ゲーム開発部のじとっと湿った部室で徹夜でゲームしてぇ~~」という気持ちが強くなり過ぎると、単純に部員としてそこに参入するとか妄想できなくなるんすよね。あざやかに勝つ妄想ができなくなる。だから「先生」にしなってしまう。武(オタク)を極めるとそうなってしまう。 pic.twitter.com/cgeWiaGQ5j
— 小山(避難所) (@Segah02457547) September 9, 2025
ここで挙げられる「ゲーム開発部のじとっと湿った部室で徹夜でゲームしてぇ~~」という気持ちはブルアカでは解消できない。そういった話は絆ストーリーのごく一部だけで、あっという間に終わってしまう。これだけをもって「ゲーム開発部の~」というのは無理筋もいいところだろう。そもそもゲーム開発部と出会うのはメインストーリー Vol.2 であり、プレーヤーは既に先生となった後のことなのだ。因果関係がおかしくなっている。総じて小山氏の話は「ブルアカのプレーヤーはブルアカの二次創作も楽しんでいる」という前提からしか成立しないようだ。奇しくも刃牙からの引用が小山氏のツイートに突き刺さるかたちとなっている。
イオリの足を舐め回したりミカの弱々しさや後ろめたさに所有欲を募らせたりアイドルにセクハラしたり公私混同デートしたりしているが、口先だけ「生徒/アイドルに手は出さないよ」みたいな薄っぺらい言い訳をしている
— JAVEです。 (@subete_0hana4) September 9, 2025
で、ファンはそれを真に受けて「これが“大人”なんだよなぁ…w」って言いながら勃起
小山氏が RT したこちらのツイートにも言及したい。ブルアカ躍進のきっかけの一つにエッチ代表である『アスナ (バニー)』と『カリン (バニー)』の実装があったことは公式も認めている事実だ。DLsite で公式の ASMR が配信されていたり、先日行われた4.5周年イベントでも透き通るような世界観の生徒たちが実装されてガチャが回っており、ブルアカのプレーヤーは「薄っぺらい言い訳」などせずに真正面からエッチな要素を楽しんでいる。まあ、このツイートは自虐的な自己紹介なのかもしれないが…。
小山氏の GQuuuuuuX 騒動のときは氏なりのガンダム観があり、だからこそ GQuuuuuuX を許せない、という一貫した姿勢で頷けるものがあったが、ブルアカにおいてはそれがない。結論だけが先にあり、その型に無理やりはめこもうとしているだけだ。こういった雑語りは小山氏の言論すべてにおける信頼度を低下させる結果にしかならないだろう。とても残念である。
とはいえ何のバックボーンももたない自分がこう書いたところで、世間への影響は皆無であろう。せめて自分自身が理解の浅いコンテンツに対して雑語りをすることがないよう、という戒めを込めてこのテクストを終わりにしたい。
