“もう一人産む”という選択が、現実になる島の話
私の住む島は、子育て環境がとても充実している。
大自然はおまけ。
女性であれ、男性であれ自然な流れで育児を自分ごととして捉える環境が整っている。
先日、そんな記事をまとめた。
この記事で私が伝えたかったことは、
「育休」のような制度を使わなくても、働く父親の日常の中にちゃんと子どもと関わる”余白”がある。その生活の隙間が、家族に心と時間の余裕をもたらす、ということ。
そんなふうに「育児のゆとり」が当たり前にある島で暮らしていると、ふと気づくことがある。
「あれ?あの人、もう子どもは産まないと思ってたのに……」
私の生活者としての体感値は、ここからもう一つの仮説を生み出した。
子育て環境を整えるだけでなく、「産む決心」にも影響しているのでは?
これはデータや聞き取りに基づく調査結果ではない。
都会で生まれ育った私が、離島に移住してのんびりと暮らすこと6年。
見て、感じて、考えてきた中で生まれた小さな仮説だ。
データじゃない。でも見えてきた「歳の差きょうだい」の風景
この島は、20年ほど前からIターン移住者がじわじわと増えている。
最初は単身で来る人が多かったけど、15年ほど前からは幼い子どもを連れた20〜30代の家族移住者が増えた。
同時に、初期の頃に単身でやってきた人たちも、島内でご縁があれば家族を作り、そのまま島に残るというパターンもある。
そうした子育て世代の家族を見ていて感じるのは、
1人目の子ども、ないし2人目の子どもと「末子」の年齢が5歳以上離れているケースを見かけること。
これには、次の2パターンが含まれる。
① 都会で1〜2人目を出産後、子どもが幼児〜小学校低学年のうちに島へ移住。落ち着いた1〜2年後に、もう一人を出産。
② 島で結婚し、1〜2人目を授かった後、子育てが一段落した頃に、もう一人を出産。
いずれにしても、30代後半から40代前半で末子(とはまだ決まったわけではないが)を出産した人が、私の知る限り2年間で4家族いる。
そもそも年間の出生数が10人前後なので、5人に1人が5歳以上(最大10歳)離れた兄・姉がいるということ。
私の中で「もう産まないだろう」と思っていた人たちが、立て続けに妊娠・出産したので、正直驚いた。
“もう一人”を考えさせる、島の仕掛け
都会でも田舎でも産む人は産む——
非婚化・晩婚化による少子化が著しい時代。
それでも、「3人でも4人でも産む人は産む」という印象を私は持っている。
それは都会でも田舎でも変わらない。
・子どもが好きな人
・子どもが何人いても子育てが苦にならない人
・1人いたら3人も4人も一緒!っていう肝っ玉母ちゃん気質な人
・実家の近くに住んでいてサポートが受けやすい人
子どもをつくる理由はさまざま。
島にも3〜4人きょうだいを持つ家庭が比較的多く、一人っ子は稀だ。
島には子どもをもつという選択を促す要因があるのでは?
個人的な性格で「産む」決断をする以外に、島には自然と「子どもを(もう一人)つくろうかな」という気にさせる仕掛け(=環境)があると感じる。
「今の生活なら現状のままでいい」
「もう一人は現実的に考えられない」
と思っている人たちが、
生活スタイルが代わり、時間も、メンタルも、経済面でも、全てに余裕が生まれたとしたら、「もう一人」と考えるかもしれない。
この島は、家族単位での生活の余白を生み出していると思えてならない。
生活スタイルが家族にゆとりをもたらす
なんたって、通勤時間5〜10分の島だから、
夕方17:30〜18時には帰宅する旦那さんが大多数。
子どもの食事・風呂・遊び・寝かしつけ、怒涛の夜の育児全てに旦那さんが毎日関わるとしたら、奥さんの心の余裕は生まれやすい。
朝の出勤時間も、都会とは非にならないくらい遅い。
弁当を作る必要もなく、朝食も着替えも、子どもの準備だって夫婦が二人で分担しながらできる。
つい先日まで、私たち家族は3人とも(夫婦+息子)8:20に起床していた。
note執筆を始めてからは、私だけ7時ごろに起きるようになったけど、夫と息子が起きる8:20までは、まるまる自分の時間に当てている。
仕事とプライベートの境目が”ゆるやか”
この島は、暮らす場所と働く場所がとても近い。だから、仕事と家族の時間がごく自然に溶け合っている。
その環境が意図せずとも”イクメン”を育ててくれる。
「夫婦二人で助け合いながらの子育て」という日常が当たり前になったら、
この育児が落ち着いたら、もう一人産もうかな。——そう思える空気が、この島にはある。
心と時間の余白を自然に生み出す社会へ
共働きの時代。
保育園に子どもを預けるために、嫌でも「働かないといけない」時代。
でも、昔のように周囲のサポートが得にくい時代。
”子育て”って一人だと、本当にしんどい。「もう一人」なんてもってのほか
男性の育休制度の整備と取得率の向上が目指されているけど、子育ては長いマラソンのようにずっと続くもの。
たった数ヶ月〜半年仕事を休んで終わるものじゃない。
奥さんと期間をズラして取得する人も増えているようだけど、それでは、「働く係」「子育て係」と役割分担しているだけで、実際にはワンオペ育児みたいなもの。
”目の前の子育て”はそれで乗り切れるかもしれないけど、結局二人とも疲弊し切って「もう一人」とはならない。
重要なのは、
・夫婦がそろって育児・家事時間を共に過ごすこと
・その時間の捻出のために、特に自分の時間やメンタルを犠牲にしなくてよいこと
私の夫は8:50に息子を保育園に連れて行き、そのまま仕事に向かう。夜はお迎えを済ませて18:30には息子と共に帰ってくる。
朝は、家を出るその瞬間まで、夜は家に帰ったその瞬間から夫婦二人での家事・育児タイムになる。
この島が日本の未来になればいい
夫が18時前後に帰宅する日常が当たり前なら、「今日は飲みに出る」と言われても、快く「いってらっしゃい」と送り出してあげられる。
妻は「パパが珍しくいないから、今日は外食にしよっか」と、子どもとの特別な時間を楽しめる。疲れて帰ってきた妻にとっても「ひと息つく時間」になる。
家族の関係性は良好で、夫婦で話し合う時間も自然と確保できる。
でも、これが毎日帰宅が遅い日常だったら?ーー「またか」と思うだけ。
子どもを持つ以前に、夫婦関係がすり減ってしまうかもしれない。
では、間をとって——。
夫は早く帰れる日は帰る。育休など使える制度は使う。
奥さんも働きながら、日々の育児に奔走している。
「お互い頑張ってるんだから」とカラ元気で支え合う毎日は、たしかに成り立つ。
でも、どこかで限界がくる。
「頑張らなくていいんだよ」という言葉があちこちで聞かれるけど、実際にはそうもいかない。
自分が力を抜けば、パートナーにしわ寄せがいくだけだから。
この島から始まる、小さな光
子育て世帯、もしくはこれから子どもをつくる選択をするかもしれない世代・世帯の心と時間に余白が生まれる社会づくりを。
その方向性を示す道筋が、この島にはある。
未来は明るい気がする。
最後まで、お読みいただきありがとうございます☺️
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ギブ&テイクの「ギブ」をそっと差し出せるあなた✨その生き方、すごくかっこいいです。きっと、心の余白作りが上手なんでしょうね。その秘訣、ぜひ、教えてください!☺️