経済を学ぶ!押し目で買ったのに上がらない株?不安な投資家心理❶
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バフェット流の「バリュー投資」術
投資家なら思うはずです。ウォーレン・バフェットのように「バリュー投資」術を使って、優良株を底値で拾うことが出来ないものかと。
バフェットはそうした手法で、コカ・コーラやAppleなどの優良株を手に入れ、莫大な資産を形成して来ました。
株購入の基本は、安値で買って高値で売る。それには「押し目買い(一時的な下落局面での買い)」を狙うのが、チャンスだと思うのですが…。
株の「押し目買い」は、上昇トレンドを前提とした王道の戦略ですが、「押し目だと思って買ったら、そのまま底が抜けて下がっていった」と言う局面は、プロでも頻繁に直面する厳しい現実です。
このような「押し目の失敗(=下降トレンドへの転換)」が発生した際、市場の投資家たちが、どのような心理プロセスをたどり、
それが株価をどう動かしていくのか、過去の実績や、市場の行動経済学的なパターンをベースに検証します。
1. 押し目が上がらない時の「投資家の心理変化(4ステージ)」
人間は投資に於いて合理的に動けない生き物です。
押し目買いが失敗した時、投資家の心の中では、行動経済学で説明される典型的な心理変化が起こります。
【楽観・アンカリング】「安く買えた!」
↓
【認知的不協和と否認】「一時的な調整だ、すぐ戻る」
↓
【損失回避と塩漬け】「損切りしたくない。戻るまで待とう」
↓
【降伏(キャピチュレーション)】「もう耐えられない、すべて売る」
ステージ①:楽観とアンカリング効果
投資家は「直近の高値」を基準(アンカー)にしてしまうため、少し下がった株価を「割安でお買い得」だと錯覚します。
そして「絶好の買い場だ」と自信満々でエントリーします。
ステージ②:認知的不協和の発生(否認)
さらに株価が下がると、投資家は認知的不協和(自分の行動と現実が矛盾し、脳がストレスを感じる状態)に陥ります。
「これは大口投資家の揺さぶり(ふるい落とし)だ」
「業績は良いのだから、下がるはずがない」
このように自分に都合の良い情報だけを集め(確証バイアス)、下落と言う現実を否認し始めます。
ステージ③:損失回避バイアスによる「塩漬け」
更に下落が進むと、ノーベル経済学賞でも知られるプロスペクト理論(損失回避バイアス)が強く働きます。
人間は「10万円の利益の喜び」よりも「10万円の損失の痛み」を2倍以上強く感じる為、損失を確定させる(損切りする)苦痛から逃れようとします。
結果として、「買値まで戻ったら売ろう」と言い訳をして、損切りを先延ばしにする「塩漬け」を選択します。
ステージ④:精神的限界による「降伏(キャピチュレーション)」
耐え忍んでいた投資家も、含み損が許容範囲を超えると、精神的に追い詰められます。
「これ以上資産を失いたくない」と言う恐怖がピークに達し、もっとも株価が安い(底値圏)タイミングで耐えきれずに投げ売り(パニック売り)をしてしまいます。
2. 過去の実績に見る「その後の株価の行方」
押し目買いが失敗し、投資家の心理が上記のように悪化していくと、株価は市場の構造的な要因(仕組み)も巻き込んで特有の動きを見せます。
① 「追証(おいしょう)」の強制決済による下落の加速
個人投資家が信用取引(レバレッジをかけた取引)で押し目買いをしていた場合、株価の下落によって保証金維持率が低下し、追証(追加の担保要請)が発生します。
追証を払えない、あるいは、これ以上の損失を恐れた投資家のポジションは市場で強制的に決済(投げ売り)されます。
この「投げが投げを呼ぶ」スパイラルにより、株価はファンダメンタルズ(企業価値)を完全に無視して急落します。
過去の実績: 2006年の「ライブドア・ショック」や、2008年の「リーマン・ショック」初期など、
新興株を中心に押し目買いを入れた個人投資家が追証に追われ、投げ売りが連鎖して数日間で株価が半値以下になる現象が多発しました。
② デッド・キャット・バウンス(偽りの反発)
急落の途中で、一時的に数%〜10%程度株価が急反発することがあります。
これを投資の世界では「デッド・キャット・バウンス(高いところから落とせば、死んだ猫でも跳ね返る)」と呼びます。
これはトレンドが回復したわけではなく、売りポジションを持っていた人たちの「利益確定の買い戻し(買い戻し)」や、
「今度こそ底だ」と勘違いした新たな押し目買いによるものです。
しかし、買い手の上値追いの勢いは続かず、そこを戻り売りの格好の標的にされて再び最安値を更新していきます。
③ しこり玉(上値の重い展開)の形成
底が抜けた株は、その後、業績が回復しても「上がりにくい株」になります。
何故なら、下落途中の様々な価格帯で「押し目買いをして失敗し、塩漬けにしている投資家(しこり玉)」が大量に滞留しているからです。
株価が少し戻ろうとするたびに、彼らの「やっと買値に戻った、やれやれ売り(同値撤退の売り)」が降ってくるため、上値が非常に重くなります。
過去の実績: ITバブル崩壊時(2000年〜)の多くのネット関連株や、近年のブームが去ったバイオ株・テーマ株。
これらは一度トレンドが崩れると、数年にわたり元の高値の数分の1の水準で低迷し続けました。
まとめ:失敗を致命傷にしないためのルール
歴史的な相場データが証明しているのは、「トレンドが下向きに転換した株の押し目買いは、非常に勝率が低い」という事実です。
「押し目買い」を仕掛ける際は、あらかじめ「このライン(例えば、25日移動平均線や直近の安値)を下回ったら、
押し目ではなく下落トレンドと判断して即座に撤退する」と言う損切りルール(ロスカット)を、エントリーと同時に設定しておくことが、市場で生き残り続けるための唯一にして絶対の方法ではないでしょうか。
【免責事項】
本記事は筆者個人の調査・分析に基づく見解をまとめたものであり、特定の金融商品や銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。
株式投資をはじめとする金融商品の取引には、価格変動リスク、為替リスク、業績変動リスクなどが伴い、投資元本を割り込む可能性があります。
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