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白川さんと低気圧とオレンジ色の傘と。

『あ~やる気スイッチが見当たらない~』

雨音が耳に入って
窓を開け、どんよりした雨空を見上げた。

もしかして、これが気象病ということなのか?

気合で乗り切ったこともあったけれど
最近は、最小限の家事をし
ダラダラと過ごしてしまう。

頭の中で
古い生真面目な自分が
小言を言ってくる。

これくらいでなまけちゃダメだ。
昔はもっと頑張ってたよ。
って。

そんな時、心の中にある女の子を召喚する。

漫画の『メンタル強めの白川さん』の
主人公白川さんだ。

彼女はO、L(古いかも?)さん。
自分はアラカン女子(あえて、女子とかくことで自分に言い聞かせて)。
立ち位置は全然違う。
けれど、彼女の言葉がしみるのだ。

他人に振り回されず、自分を自分でご機嫌にする
という生き方に元気をいただいている。

もし、私の脳内に住む白川さんが
この雨の日に動けない自分を見たら
なんていうのだろう?

きっと、横にふんわりと腰かけて
とびっきりの笑顔でこう言ってくれる。
はず。

「やる気が出ない?当然ですよ!
だって今、外の気圧が急降下してるんですもん。
これまでずーっと頑張ってきた大切な体なんですから
お天気に影響されて当たり前。
やる気スイッチなんて探さないで
今は自分をファーストクラスに乗せるみたいに
極上に甘やかしちゃいましょう!」

白川さんなら、雨の日に動けない自分を絶対に責めたりしない。
むしろ
「こんなお天気の中、生きてるだけで私えらすぎ!」
と、自分に特大のハナマルをあげるに違いない。

若い頃の私は
いつでも100%でバリバリ動けること
が、強いことだと思っていた。

けれど、この歳になって白川さんに出会って
ようやく気づいた。

本当の「メンタルが強い人」というのは
ダメな日、動けない日の自分をこれも私
人間だもの
と、丸ごと受け入れて
お天気任せにできる心のしなやかさを持っている人のこと
なのかもしれない。

だから、雨の日の「やる気スイッチ」は
無理に探してONにするものではない。
「まぁ、いっか。」
と、呟いて
スイッチのブレーカーを自らそっと落とすのが
大人の正しいセルフケアかもしれない。

お気に入りのマグカップに温かい生姜湯を淹れて
電子レンジで温めた蒸しタオルを首の後ろに当てる。
耳をぐるぐると回してマッサージしながら
「私の内耳、今日も敏感に季節を感じてて健気だわ」
なんて
ちょっと白川さん風に自分を労ってみる。

外はどしゃ降りの雨。
だけど私の心の中の白川さんは
お気に入りのピンクの傘をさして
胸を張っている。

「明日はきっと、いいお天気。
それまでは先輩、あったかくしてゆっくり休んでくださいね。」
って。

脳内の可愛い主治医の言葉に甘えて。
私は今日も、堂々と
ご機嫌に「雨宿り」を決め込むことにしていた。

すると、なぜか
天気予報と違って
雨音が静かになり
曇り空になっていく。

お気に入りの傘をさして
散歩がてら、買い物に出た。


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