湯河原温泉 蘇った老舗旅館 その1~「富士屋旅館」 歴泊記 2026.3.12-13 ~「文化財に泊まりたい。」ファイルNo.18
今回の歴宿は湯河原温泉の「富士屋旅館」。出発前にちょっと予習。
現在、湯河原温泉には登録有形文化財になっている旅館が4つある。登録順に「上野屋」、「伊藤屋」、「藤田屋」、そして「富士屋旅館」である。
いずれの旅館も湯河原温泉の老舗として有名であるが、今回の「富士屋旅館」が現在に至るまでの経緯はちょっと特別なのである。

「富士屋旅館」は明治9年の創業(前身は江戸期。現建物は大正期。)と言われ、著名な文人墨客も逗留した湯河原を代表する温泉旅館。
ところが2002年に後継問題等により長い歴史に幕を閉じることになってしまった。それから、十余年、富士屋旅館の歴史的価値を再考し、復活を望む声が周囲から上がり、町ぐるみの再生プロジェクトが始まった。
とは言え、放置状態だった建物は無残にも廃墟と化していて再生は難航したらしい。けれど、関係者の努力の甲斐あって、ついに2019年、その姿が蘇ったのだ(祝)。

先月(2月)に宿泊した大阪の「南天苑」は台風に被災し、倒壊したものを今の姿に再生したものだった。経緯こそ違えど、やっぱり感動の物語だ。
我は富士屋旅館再生の経緯を以下のサイトで知った。参考にリンク張っておく。
以上で予習はカンペキ⁉ では出発!
今日も天気よし。流星号を軽く洗車して10時半に我が家を出発。

まだ11時20分
朝ごはんも食べたけど、小腹が減ったのでちょっと何か食べたい。軽くのつもりが、、、つい


その先は長泉沼津ICから伊豆縦貫道を少し走って国1へ。箱根の手前で熱海・湯河原方面に折れ、最後は湯河原パークウェイのルート。
湯河原の街中のローソンでヤッホービール3種を調達して「富士屋旅館」に向かう。
ローソンの駐車場から宿に電話したら、本来のチェックインは15時だが、受付だけなら今から可能とのこと。
どうせ駐車させてもらうつもりだったから、その方がありがたい。15時だと混んじゃうかもだしね
去年泊まった「伊藤屋」の近くだから「富士屋旅館」の場所は知っている。
赤い橋を渡った先にある、入母屋の屋根が二つ並んだ重厚な建物はとっても目を引く。

冒頭の予習のオサライになるが、この旅館は2002年に後継者不足で廃業。それから十数年が経過し建物が廃屋同然になってしまった。
それを使える部材は使って建て直したのが今の旧館。元は明治・大正期の建築。再スタートしてまだ7,8年の旅館なのだ。よくぞ蘇ってくれました。
(先月の南天苑ともども嬉しい限り)

その名も「富士屋橋」
さすが湯河原でも指折りの老舗旅館だ!
この構図 何度見てもシビレル!

「富士屋旅館」到着。時刻は13時ちょっと前。グーグルマップによると所要2時間弱だから、途中でコンビニやSAでの休憩を考慮すればほぼ見込み通り。

見切れているけど旧館は左、うなぎ屋が右にある
車を停めようとしていたら、スタッフが出て来て車を誘導してくれた。さっき電話に出てくれたお兄さんだ(多分)。昼食時につき、うなぎ屋の客と分けて駐車することになっているらしい。

車を降りて、新館のフロントへ。 フロントの後ろの壁の文字や富士山マークは木のブロックで作られている(多分) 。


フロント奥の小部屋に通されてお茶と小梅堂のお菓子をいただきながら宿帳に記入。するとお兄さんからサプライズな提案をいただいた。
お兄さん曰はく、「よろしければ2階の部屋を用意できます」とのこと。我は旧館(文化財棟)の1階の「春告草」という部屋を希望する旨伝えていたのだが、今日は2階の部屋が空いちゃったのだそう。ちなみに2階の方が広くて、お値段も少し高かったハズ。
ありがたい申し出であるが、我には部屋のレトロ感とか造作とかメンドクサイ好みがある。単純には決められないのだ。
「部屋を拝見してから決めてもいいですか」と聞いてみた。「もちろん結構ですよ」とのこと。ならば、もともと、空いていたら2階の部屋を見させてもらうつもりだったから、この上ない話だ。
ということで、お兄さんに案内されて旧館へ。旧館の玄関は新館から出て10メートルちょっと離れた別棟になっている。

富士屋旅館HPより

玄関に入って、スリッパに履き替え階段を上る。まずは階段上がった手前の部屋。まだお掃除中で、数人のスタッフの方々が手を止めて待機してくれた。「お仕事中恐縮です」 。

踏込みから廊下(広縁)になっていて
奥に衝立がある








左にチラ見できるのは入り母屋の出っ張り


「初名草」の部屋を出て、もう一つの部屋も見せていただけるそう。旧館の客室は全部で4つ。1階と2階に2つずつ。2階の部屋は全部拝見だ。嬉しい!

お兄さんに「コレ(⇧)は何ですか」と聞いたら「わからないんですよ」とのこと。中を覗くと大きな板のようなものが立てかけられているけど、この小窓以外に開口部はない。正にデッドスペース(笑) 。謎のまま次の部屋へ。






以上2階のお部屋拝見終わり 。2階から1階へ下りる。


引き続き1階の「春告草」部屋も見させていただいて、結局、当初の希望通り「春告草」のままでお願いした。
多分、このようなグレードアップの提案を受け入れない客はそうはいないかも。オタクならではのサプライズ返しだ。お兄さん、お手数かけました。そして気配りありがとう。
さて、 時刻は13時10分。15時まで2時間近くもある。天気もいいし、不動滝や万葉公園の散策だ。まずは「不動滝」を目指す。

湯河原町観光協会HPより

後を振り返りながらパシャリ。

気に入った構図は何回撮ってもイイ!







この道はさっき来るときに通った道。もともと「不動滝」に寄りたくて、このあたりでキョロキョロしたけど駐車場の看板が目に入らず通り過ぎてローソンまで直行してしまった。
まぁ、こうやって歩いて散策するのもいい運動になるから結果オーライだ。




動画撮ってみた。






店内には竹にモザイク状に丸い穴をあけたランプが沢山展示されている(この写真の反対側にランプの展示)。
「撮影禁止」って書いてあるのに気づかず撮ってしまった。茶屋のご主人にその旨伝えたら「SNSなどでUPしなけりゃイイよ」といってくれたのでとりあえず icloud にはそのまま。
「ランプはどなたがつくっているんですか」とご主人に聞いたら「自分で作っているよ」とのこと。売ってもいるけど、町の祭りでも使うのだそう。


茶屋では「お酒」を常温でいただいた。時刻は13時45分。次は万葉公園の散策だ。

来た道をパシャリしながら万葉公園に向かう。








この宿も文化財
もちろん泊まりたいリストには掲載済み


近くには去年泊まった「伊藤屋」も並んでる
「伊藤屋」を過ぎるとほどなく万葉公園前に到着。右手に折れて階段を上るとテラスが一望できる。




万葉亭は昭和30年ということは
ちょうど古希ってことだ(笑)



この造りは確かに原始っぽい


特に天井をみたかったけど、また今度だ。
以上、万葉亭











我も1円を乗せた 化けダヌキの葉っぱみたい


残念ながら「惣湯テラス」は休業中だそう。しゃあない。「玄関テラス」に引き返す。


戻りは「川の道(川側の遊歩道)」を歩いてみた。途中の所々にデッキチェアなどが置かれノンビリできるようになっている。今日は暖かいから寛いでいる人たちもチラホラ。

右(下段)の歩道が「川の道」
戻りは寄り道なしで玄関テラスに戻ってきた。宿のチェックインの15時までまだ少し時間がある。ということでカフェでビールを一杯。


身体を動かした後のビールは格別

そろそろ15時。富士屋旅館に戻る時間だ。

玄関に入ってフロントに声を掛けると仲居のおねえさんが出て来てくれた。「こちらです」と鍵を持って旧館へ先導してくれる。さっきお兄さんに案内してもらったから場所は分かっているけどね。
「春告草」の部屋に入って食事や風呂などの説明を受ける。部屋の風呂も24時間かけ流し。いつでも入れるそう(嬉)。
ならば、とりあえず大浴場の温泉に入りたい。部屋風呂も、部屋の観察撮影会もその後ゆっくりやればいい。
大浴場は新館。浴衣に着替えて出発。旧館の玄関から出て、新館の左側にある出入り口から中へ。

雪駄をスリッパに履き替えて、廊下を奥に進む。


大浴場は15時から翌朝10時まで入浴できる
男女入れ替えはないそう

ヤッター! 一番風呂 独泉!

5,6人は足を伸ばして入れそう




こういう造りを見ていると落ち着く

女湯と天井が繋がっているようで、水やカラーンという音が良く聞こえる。なので小声の熱唱でガマン(笑)。


湯から上がると、ちょうど入れ替わりで数人のお客さん。先に来てよかった(嬉)。
新館から旧館の間の通路脇にイノシシがいる。もちろん剥製なのだがなかなかの迫力。

この剥製は千葉県の学校から
譲り受けたものらしい。


この玄関は旧館と洛味荘の共用

「春告草」や「洛味荘」はこの廊下の奥



その手前右にもう一部屋ある

すりガラスの模様がキレイ
このガラスからの眺望はもちろん揺らいでる




板が渡してある部分はタタキになっている。
職人さんが中庭に入るための横断通路だ(多分)
ここをそのまま進み、突き当りを右に折れて、、、



左を向くと、、、

ここからが洛味荘の客室

中庭の池がよく見える

以上、洛味荘




その2へつづく
※画像の引用は本文に記載の通り
その他の画像は滞在時に撮影
