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【インタビュー】トンボの魅力を切りとる(トンボ写真家・Puchi ʚïɞ)

本記事は「虫撮り機材ガイド」のインタビュー編です。
トンボの美しさに魅せられ国内外を飛びまわるトンボ写真家・Puchi ʚïɞさんを直撃。広角×環境描写、自然光中心の設定、飛翔写真のMF置きピンの勘所などなど、実戦から学ぶトンボ撮影に必須なノウハウを伺いました。


Puchi ʚïɞ

トンボ蝶蝉水草水昆。国内外で撮影。
X:https://x.com/Puchi_dictatrix
Instagram:https://www.instagram.com/ko_n____ch_x

■主な撮影機材
Canon EOS R7
RF100-400mm F5.6-8 IS USM
RF16mm F2.8 STM
Photoolex FK300

──トンボを中心に撮影されている写真家Puchiさん。トンボ撮影の魅力はなんですか。

Puchi:特に飛んでいる所を撮るのが好きで、難しいですが決まった時は凄く気持ち良いです!

Puchi:写真はムカシトンボの探雌飛翔で、暗い河川上流部で1時間に2.3匹しか通過しないのですがしっかり飛翔を押さえることが出来ました。しかも、たまたま蚊を捕食している所だったのも奇跡的でした!

──トンボの撮影といえば「飛翔シーン」は特に見所だと思います!普段はどんなところで撮影されていますか。

Puchi:主に被写体がトンボなので、山から平地までどこに行っても水辺近くで撮ることが多いです。近場の開拓から日本全国、海外にも行きます。シャッタースピードが必要なので、できるだけ明るいところで撮りますね(笑)

タカネトンボの産卵
ヒメキトンボ ボートが浮かぶ釣り堀にて(インドネシア)

──早速ですが撮影機材を教えてください!

Puchi
カメラ:Canon EOS R7
レンズ
RF100-400mm F5.6-8 IS USM(望遠)
RF16mm F2.8 STM(広角)
ストロボ:Photoolex FK300

 最初は広角の代わりにキットレンズを使用していました。キットレンズを使う内に生息環境の雰囲気も入れた写真が好きなことに気づいて、それならと単焦点の広角が欲しくなり、このセットになりました。

 単焦点のレンズを使うことで今まで暗くてしんどかった場面でも絞りをさらに下げることが出来る(SSを上げることが出来る)うえ、解像度も上がるので買ってよかったです。

モートンイトトンボ︎︎ ♀ 飛翔
RF24-105mm F4-7.1 IS STM(キットレンズ)
アオヤンマの縄張り飛翔
RF16mm F2.8 STM
サラサヤンマの摂食飛翔
RF16mm F2.8 STM

──背景も写っていると生息環境が分かるだけではなく、スピード感も伝わってきますね。飛翔写真を成功させるカメラ設定をぜひ!

Puchi:シャッタースピード(SS)は基本的には1/1600〜1/3200が多くて、光量がどうしても足りない時、長くホバリングしてくれる種類などはもう少し落としたりもします。絞りはSSを稼がないといけないので基本開放です、ISOは上げても1600までに抑えています。

 ただこれは自然光の場合で、ストロボを使う時はSSは1/250以下、絞りは上げてISOは下げます。こうすることでストロボが光った時だけ結像するようになり、実質1/2500くらいで撮影することが出来ます。

オオメトンボの縄張り飛翔
f/8.0, 1/200s, ISO 800
アメイロトンボの縄張り飛翔

──撮影中に意識していることも教えてください!

Puchi:トンボの動きを常に予測することと、顔にピントが来ているか、背景が抜けているかを常に意識しています。

 大体縄張りを張っているトンボは同じ所を通るのでそこを予測して置きピンしたり、産卵に来そうな所を予測して待ってたりもします。

置きピン:被写体が来そうな位置にあらかじめピントを合わせておき、その瞬間を待つ撮影テクニック

【背景が抜けていない写真】

キイロヤマトンボの縄張り飛翔

【背景が抜けている写真】

トラフトンボの縄張り飛翔
Rhyothemis regia juliana の縄張り飛翔
ホソミオツネントンボの交尾態
静止している状態の写真では、絞りは開放のままでSS等は落として、ISOを出来るだけ下げるようにしています。

Puchi:飛んでいるトンボのピント合わせはほとんどMFを使っていて、AFによってピントが背景などに持っていかれないようにしています。また許容できるISO範囲(〜1600)の中で出来るだけSSは速くしています。

 具体的な撮り方としては、望遠だとファインダーを覗きながらトンボを追いかけて、かつフォーカスリングを回しながらピントが合いそうになった瞬間にシャッターを切る感じです。

 広角だとレンズから15~20cmくらいのところに置きピンしておいて、自分から飛んでるトンボに近づいてシャッターを切ります。

──ストロボはあまり使わないってことでしょうか?

Puchi:望遠は、飛翔写真の場合はほとんど自然光しか使いませんね。遠い分ストロボの光も強くしないといけないので発光する回数が少なくなってしまうためです。また、ストロボを使う時は置きピンなので遠いとその精度が悪くなってしまうためです。しかし、暗い環境で止まっているトンボを撮る時に使うことは良くあります。

──撮影は日中が多いんですか。トンボが撮影しやすい時間帯があれば…

Puchi:トンボは結構種類によって飛ぶ時間が決まっていて、それに合わせるしかないという感じです。笑
 ただシャッタースピードを上げないといけない分、明るい時間帯を出来るだけ狙ったり順光で撮れるような場所を積極的に探します!

──ちなみにRAW現像や写真の編集などはしていますか。

Puchi:RAW現像をしないので、撮って出しでも良い写真を撮ることが理想です。一応RAWのデータはありますがRAW現像はまだやったことが無くて、JPGでスマホに移して、無料版のLightroomで編集しています。理由としてはPCで編集するのが少しめんどくさく感じているのと、課金しないといけないからです(笑)

──どのお写真も細部まで行き届いた構図と背景選びなので意外です(笑)写真をはじめたきっかけも知りたいです。

Puchi:元々トンボ採集が好きでカメラはやったことが無かったんですが、フィールドに通う内に普通じゃ見られないような珍しいシーンに遭遇することがあって、カメラがあったらなぁと思っていました。また写真を撮ることで自分なりの表現でよりトンボの美しさだったり躍動感を手元に残しておけるのでそれも撮影をはじめたきっかけです。

作成していた標本(マルタンヤンマ♂)

──「形に残したくなる美しさ」ありますよねえ~、分かります!Puchiさんらしいお写真ってありますか。

Puchi:他の人があまりやっていなくてハマっている撮り方は前述したトンボの飛翔を広角で撮ることで、飛んでいるトンボに当たるくらいまでレンズを近づけて背景の雰囲気も入ったような写真にしています。

カラスヤンマの縄張り飛翔
ヒメサナエの産卵
カラスヤンマの縄張り飛翔
ミヤマカワトンボの縄張り飛翔
アオハダトンボの飛翔

──最後にこれから虫撮影を始める方にお願いします!

Puchi:まだ自分も歴が2年と浅いので強いことは言えないのですが、まず自分の撮りたいシチュエーションを明確にするとフィールドでの迷いや機材の迷走が無くて良いと思います!

 トンボ撮影でオススメの機材で言うと、条件としてはSS1600以上、秒間10コマを出すことが出来ればかなり使いやすいと思います。特に生き物撮りで使っている方も多いOLYMPUSのOMDem1Mark2や、OM1などは前者は比較的安価でAFの効きも良いみたいですし使っている人も多いのでオススメだと思います!個人的にはCanonユーザーの仲間が欲しいです!

 自分はまだマクロ撮影というものをやったことが無くて、マクロレンズでめっちゃ解像した写真を撮ってみたいです!

──ありがとうございました!


Puchi ʚïɞ

トンボ蝶蝉水草水昆。国内外で撮影。
X:https://x.com/Puchi_dictatrix
Instagram:https://www.instagram.com/ko_n____ch_x


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