WTSGワーク3 WTSGには、2つの意味がある


前回、クラブコンセプトからトレーニングまでをつなぐ流れを書きました。
その中に出てきた「WTSG」という言葉には、2つの意味を重ねています。

1つは、選手の学びを整理するWTSGです。

What|今日、選手に学んでほしいこと
Theory|プレーを選ぶために観るものと考え方
Success|できたと判断する基準
Game|そのプレーを使うゲームの場面

もう1つは、トレーニングを組み立てるWTSGです。

Warming Up|体と頭を動かしながらテーマに入る
Technical|テーマに必要なテクニックと動きを確かめる
Skill|相手や味方を観てプレーを選ぶ
Game|試合に近い状況で問題を解決する

同じWTSGですが、先に考えるのは選手の学びです。何を身につけてほしいのかを決めてから、そのためのトレーニングを組み立てます。
前回と同じく、ハイプレスをテーマに考えてみます。

試合では、前の選手が相手を追いかけても、その後ろの選手たちがついてこないため、チーム全体が間延びしていました。この場面から、学びのWTSGを作ります。

Whatは、1stディフェンダーの動きを合図に、チーム全体で前へ動くこと。
Theoryでは、ボールを持っている相手の向きやパスコース、味方との距離を観て、どこへ追い込むのかを共有します。
Successは、相手を前向きにプレーさせず、高い位置でボールを奪えた状態です。
Gameは、相手が後ろからビルドアップしてくる場面になります。

ここまで決めてから、トレーニングのWTSGを考えます。
Warming Upでは、合図に反応して全員で前へ動く感覚をつくるメニュー。
Technicalでは、1stディフェンダーの寄せる角度やスピード、その後ろにいる選手との距離感などのテクニックの習得を重視したメニュー。
Skillでは、相手の動きやパスコースが加わります。いつプレスを始め、どちらへ追い込むのかを選手自身が判断するようなテクニックをどう使うかというメニュー。
最後のGameでは、相手のビルドアップから始まる状況をつくり、チーム全体でボールを奪えるかを観ます。

この順番で考えると、それぞれのメニューでコーチが何を見るのかもはっきりします。Theoryは、正解を長く説明するためのものではなく、選手がプレーを選ぶときの手がかりです。Successも、コーチだけが持つ評価基準ではなく、選手が自分のプレーを振り返るために使えます。

学びのWTSGとトレーニングのWTSG。

この2つがつながると、ウォーミングアップから最後のゲームまで、同じテーマが流れ始めます。

以前の私は、練習がうまく進んだか、選手が楽しそうだったかをよく見ていました。今は、最後のゲームで選手が何を観て、どんなプレーを選んだのかを見るようになりました。

選手のプレーに変化が表れたとき、その日のトレーニングがゲームにつながったと感じます。

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