5月24日(日)奈良原生織
横浜のみなとみらいにある赤レンガ倉庫のあたりで行われるグリーンルームという音楽フェスに行く日だった。雨が心配だったけど天気はなんとか持ちそうで安心する。朝、目が覚めたら2階の部屋にいた。この家に引っ越してからは一階の和室でずっと寝ていたのだが、天井裏にネズミが棲みついてからうるさくて眠れない日々が続いていた。それでもともとは2階の部屋は仕事部屋にしていたのだがそこを寝室にして、ソファやデスクを一生懸命1階まで下ろして模様替えをしたのが昨日のこと。ネズミの音がするしないという以前に、妻も私も、2階のほうがずっと安心して眠れるということがわかった。思えばこれまでの30年間、ほとんど毎晩2階またはそれ以上の部屋で寝ていたので、眠る身体がその高さに自然と順応していたのだと思う。
グリーンルームには昼頃ついた。入り口でインタビューみたいなものを受けた。今日のお目当てのアーティストはと聞かれてキリンジですと答えた。私はキリンジはそこまで知らない。妻が好きなのだ。男子校生が恋愛をがんばる歌だとか、日本のトイレを褒める歌だとかがあった。「時間がない」「キラーチューンキルズミー」あたりは私も知っていた。日が暮れてくるとステージや客席のあちこちでネオンや電球に光がついた。家が近いので土日はだいたいみなとみらいにいることが多いのだけど、その場所がこうやって普段とは違った賑やかさに包まれているのを見るのは楽しかった。ヘッドライナーのジョン・バディステの途中で会場を出て、近くのファミレスに寄った。
フェス、というかほとんどの音楽ライブに共通して言えることだけれど、人混みの中で立ちっぱなしで長時間一つ所を見つめるという行為は肉体的にかなり負担がでかい。普段室内の椅子の上で生きているこの身体にとってはなおさらで、ライブなら2時間、フェスなら半日ちかい時間の中で、音楽を観て聴く喜びよりしんどい気持ちが勝る時間が年々増えているように思う。だからアルコールで無理やり高揚させるのだが、持続性はないどころか1時間後くらいにはネガティブがぶり返す。ファミレスでドリンクバーをつけてソフドリをガブガブ飲んだ。
水平埋伏智歯というらしい、横向きで歯肉の中に埋まった親知らずの下敷きになった、さらに奥まった肉の中に埋まっている臼歯を、16日の午後にすごくがんばって抜いてもらった。
堀さん(筆名が伏屋さん)が歯の治療について今日の日記に書いていた。私も今月から歯医者に通いはじめたところだった。堀さんとは前にも同じような時期に眉毛サロンに行っていたことがあり、身体のメンテナンスに関する周期が似ているのかもしれない。
レントゲンを撮るなどひと通り検査してもらったところ、昔、というのはたぶん大学生の頃に神経を抜いて銀歯にしてもらった右下の奥歯に雑菌が入り、歯茎が炎症を起こしてあふれた膿を逃がすために顎の骨を溶かして穴があいている、というような説明を受けた。穴があく、という時の漢字は「開く」なのか「空く」なのか、いつもわからなくなる。それはそうと、担当してくれた女性の医師は、症状としては結構重い、進んでしまっている状況です、と説明した。なるほどー、と私は思った。穴があいていると言ったって強い痛みがあるわけでもないし、押したら穴の形にまるく凹むとかでもないからあまり実感が湧かない。いったん被せている銀歯を外して中を見てみて、抜歯か、治療かを決めますと医師は続けた。でもここだと出来ないので紹介状を書きますのでそちらで診てもらって下さい。
それでこれを書いている日の二日前に大学病院に行った。また同じような検診を受けて、レントゲンを撮って、やはり病変があるのは間違いないので、七月の末ごろにまた来て、被せ物を外して中を見てみましょうと今度は男性の医師に言われた。
