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#06 勝てると思ったら負けの法則

おはようございます。🐤

早いもので新年度が始まってからもう3週間が過ぎました。「新社会人のためのお金の基本」シリーズも第6回目になります。今日は心理編の続きで、勝てると思ったら負けるよというお話です。

前回は人間心理は数字を扱うのに不向きであり、感情と数字は一定のズレがあって、それには法則性があるということを学びました。

「つまり感情さえコントロールできたら投資で儲けることができるということだよね、じゃあバンバン勝負しちゃうぞ!」となりそうなあなたの出鼻を、「勝てると思わない方がいいよ」というお話でくじいていきたいと思います。


誰も傷つけない「NISAでオルカン」

投資の世界の中山きんにくんと言われているのが「NISAでオルカン」、昔ながらのギャグで笑いをとるストレートスタイルで、かつ今の時代に合った「誰も傷つけない」笑いです。いや「誰も損しない」投資です。

つまり、オルカンに投資すると世界中のみんなが少しずつ儲かると信じている人が多いから売る人が少ないんですね。

「信じて売らない」ちょっと宗教チックなこの教えが万人向けの投資の理想です。なおかつNISAで非課税も手堅くゲットしておくのが良いでしょう。

オルカンは王道です、心の友です、暖かいお布団です。

株式投資の世界

対して株式投資は修羅の世界です。
IPPONグランプリとか毒舌キャラとか、当たれば名声だけどほとんどの人がそこにたどり着けない勝負の世界。

中山きんにくん(オルカン)が誰も傷つけないのに対して、株式投資は勝ち負けがそこそこ現れてきます。というか多くの人が人間心理に邪魔されてうっすら負けます。

テスラ【TSLA】:株価・株式情報 - Yahoo!ファイナンス

上の図はテスラの株価の2019年10月~2021年10月の2年間のチャートです。

2019年に16~20ドル程度だった株価は2年間で10倍以上の371ドルに達し、一時は400ドルを超える高値をつけました。ここまでテスラ株を持っていた人は全員勝ちだったのです。

しかしそこから1年間は株価が低迷します。2023年1月には安値101ドルをつけました。最高値からはおよそ1/4ということなので、日経平均で言えば1万円を割り込みそうなラインということです。恐ろしいですね。

この時、つまり100ドル以上でテスラ株を買っていた人はみな負けていたということになります。

テスラ【TSLA】:株価・株式情報 - Yahoo!ファイナンス

そしてそこからさらに2年、テスラ株は一度は上がって大統領選あたりで最高値を更新しましたが、トランプ大統領の電気自動車の義務化をやめる発言から一時は半値以下の214ドルにまで落ちました。

このように株価の値動きはとても大きいです。
これからの株価を予想できますか?

もし私が(あなたが)2019年にテスラの株を買えたとして、2倍になった時に売らなかったと言い切れますか?
3倍になった時にそろそろ天井かもと恐れることはないでしょうか?
そんな時に少しでも悪いニュースが流れてきたら売らずにホールドを続けられるでしょうか?

株価のチャートを見ると2019年から確かに10倍になっているのですが、10倍を本当にゲットできた人はほぼいないと思います。

将来発展する分野への投資

テスラやエヌビディアなどのような時代を象徴する会社の株の値動きを見て、自分にも予想できる、10倍になる個別株で派手に利益を得たいと考える人は一定数いると思います。

後から振り返って考えると、「電気自動車来るよな」とか「AIの時代来るよな」とかわかるのですが、例えば2019年に「電気自動車来るよな」とわかっていたとして、「テスラ」を買えたでしょうか。

そもそも2019年にテスラを知っていましたか?

それよりも日本で誰もが知っている有名な企業に賭けていたのではないでしょうか。同じ電気自動車でも、mievの三菱自動車、リーフの日産自動車などに投資していたら今頃どうなっているのでしょうか。

何が言いたいかというと、将来の株価を予想するのは思っている以上に難しくて、ほとんどギャンブルに近いということです。

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析による理論的な投資

また、ひたすら現実の数字とデータを扱う投資法もあります。

1つがファンダメンタルズ分析といって会社の財務状況や業績、株価などを詳細に調べて株価が割安なのか割高なのか評価する方法。

もう1つがテクニカル分析といってチャートの形状や移動平均線という過去の株価の推移の範囲を見て、株価が割安か割高なのかを評価する方法です。

勉強すればするほど勝率が上がると言われている投資法なのですが、一般的にはこれらは数字が一定の兆候を示している時には買い、逆の兆候を示している時には売るという手法になります。

つまり市場を見ながら、ファンダメンタルズ分析だと四半期単位、テクニカルだと数日~数週間くらいの期間で売買を繰り返すことになるのですが、このような取引手法での投資は、市場にいる他のプレイヤー、つまり機関投資家たちと「相手からいかに安く買って、いかに高く売りつけるか」というお金の奪い合いゲームに挑戦することになります。

機関投資家というのがどういう人かというと、金融の超エリートです。
小さなころから勉強がよくできて良い高校、良い大学に進学し一流の金融機関に就職した後も同僚たちの中で好成績をあげているような知識と経験と実績がある人が集まり、そのうえで組織として有力な情報源をもちその情報の扱いにも長けている、徹底的に勝ちを追求する強い強いプレイヤーです。

対して私たちにはこれといった内部情報も持ってないしファンダメンタルズ分析のスキルも低い。

勝ち目なんて万に一つもありません。

他人事ならそうだとわかるのですが、なぜか自分のことになると「う~ん、勉強したら株で儲けることができるかも!」と考えてしまうのが不思議です。

だから、儲けようとして個別株をやるなら徹底的に、プロを負かすくらいの努力が必要で、やらないなら勉強はほどほどにNISAでオルカンを積み立て購入しているのが良いのです。

生半可な気持ちで市場のプロに勝てると思ったらダメなのです。

不動産投資の世界

修羅なのは株式投資の世界だけではありません。ワンルームマンション投資を始めとしたサラリーマンがターゲットの不動産投資も厳しい世界です。

これも考えてみてください。不動産屋さんはプロです。
基本的にプロはリスクをできるだけとらずに不動産の仲介手数料で淡々と稼ぎます。在庫をもたなければ損のしようがないからです。

しかし、確実に儲かる物件に対してはしっかりリスクをとりにいきます。儲けが大きそうな物件から順番に有力な不動産屋さんたちで奪い合いになります。

残った物件は絞りかすで、たいした収益が見込めないから、不動産の家賃収入を年金替わりにすることを夢見る一般人たちに売ります。

カスの中でもまた序列があって、医者や大企業の社員には比較的ましな物件があてられて、絞りかすのさらにカスのゴミ物件が年収1000万円以下のサラリーマンたちに売りつけられます。

なにせ運用で利益が出ないのは計算したらわかるので、まともに売って売れるわけがありません。だから「生命保険代わりになる」とか「節税になる」とか嘘と本当のギリギリのセールストークで攻めてきます。

収益がマイナスのチラシを堂々とだして、それで売れてしまうんだから世も末です。

問題ないわけないだろ…

不動産投資は、これからの人口減少時代には勝てる望みが薄いと私は思います。

日本は良いところなので、東京や福岡などの限られたごく一部の物件は望みがあるかもしれませんが、そんなところは有力な不動産屋さんが即時におさえていることだけは覚えておいてください。私たちに残されているのはいつの時代も不動産屋が見向きもしないゴミ物件だけです。

それでも不動産で儲けたいというなら、不動産のプロに勝つくらい死に物狂いで人生をかけて知識をつけて経験をつむことです。

生半可な気持ちで不動産のプロ相手に勝てると思ってはいけません。

投資しない方が良いのか?

このように、投資の世界は、機関投資家や不動産屋さんなどのプロが、私たち一般人から「損をしていると気づかない程度に」うっすらお金を集めている世界です。

私はファイナンシャルプランナーなので、お金の知識を広めることを推奨する立場にあります。そんな人が「投資の勉強なんて無駄無駄無駄ァ、やめとけ」って言っていいのでしょうか?

そもそもプロに勝たないといけないのか?
プロ野球にあこがれて少年野球や草野球をすることは愚かなのか?

今日私が言いたいのは、投資で一獲千金を夢見たり、お金に働いてもらって自分は働かずに暮らしていきたい、という考えに大反対するものです。

人のために働くことはほんとうに尊い、お金よりもずっとずっと尊いということを伝えたいのです。

私たちはすべての人の働きに感謝し、自分の知識や経験や技術も社会のために最大限に生かすべきで、1人1人の働きと思いやりからしかより良い暮らしは生まれません。

もちろん、経済や株式会社のしくみを学ぶことは楽しいし(私も大好きです)、それを邪魔するものではありませんが、「投資をしないと損をする」という恐怖心を感じているなら、それは明確に違います。

同じお金の勉強でも、税金や社会保障制度、ライフプランの作り方について学ぶ価値は誰にとってもとても大きいのですが、株式投資や不動産投資の勉強が人生の役にたつことはほとんどなく、むしろ射幸心を煽られて投資家に良いように利用されるのでほとんどの人にとっては邪魔でさえあります。

と、私は考えているところです。

まとめ

今日は「勝てると思うな、思ったら負けだよ」ということについてお話してきました。

結論としては、株式投資や不動産投資の勉強時間は無駄で、NISAでオルカンを積み立てて、あとは本業や副業のお仕事に一所懸命取り組むべきだということを伝えてきました。

もちろん、株式会社のしくみや不動産のことを学ぶことはとても楽しいので、それを否定するものではありませんが、それで働かないですむと考えるのは甘すぎます。

なぜプロに勝てると思ったのか?

株式投資や不動産投資の世界にはプロがいて、私たち一般投資家のお金を常に狙っているということは頭においておくべきです。

同じお金の勉強でも、税金や社会保障のことは誰にとっても必ず役にたつ必須の知識なので、こちらはみなさんにお勧めします。安心にもつながるし、自分のライフプランを立てる時にも必要です。

というわけでいよいよ次回からは、ライフプランのことをお話していこうと思います。

先輩たちが「こんな大事なことを新社会人の頃に知っておきたかった」と悔しがるような内容にしていきますので、新社会人のみなさんはぜひお楽しみにしておいてください。

それではまた~(@^^)/~~~

END

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