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アラフィフ|ADHD|ホップの気づき|いつまでも変わらぬ人が語る「変化」


「俺は変わった」と言い続ける人の真実を見つめて

春の夜、ふと昔の友人から久しぶりにメッセージが届きました。画面には「最近、いろいろあって人間として成長したよ」という言葉が並んでいます。でも、その下には相変わらずの自慢話と他人への批判が続いていて、私は静かにスマートフォンを閉じました。人は本当に変われるのでしょうか。それとも、変わったと信じることで、変わらない自分を守っているのでしょうか。

繰り返される「変わった宣言」の虚しさ

職場で長年一緒に働いている彼は、数年おきに「自分は昔と違う」と言います。新しい本を読んだとき、研修を受けたとき、何か失敗をして反省したとき。そのたびに彼は周囲に「もう昔の自分じゃない」と宣言するのです。

でも実際には、彼の行動パターンは何も変わっていません。会議では相変わらず人の話を遮り、自分の意見だけを押し通そうとします。プロジェクトがうまくいかないときは他人のせいにして、成功したときだけは自分の手柄にする。周囲の人たちは黙って耐えているだけで、誰も彼の「変化」を信じていないのです。

彼が若い頃から嫌われていたことは、以前からの同僚なら誰もが知っています。学生時代のエピソードを聞けば、今と全く同じ態度で人を傷つけていたことがわかります。二十代も三十代も四十代も、本質的な部分では何一つ変わっていないのです。

それでも彼は「人は変われる」と力説します。まるでその言葉を何度も唱えれば、現実が変わるとでも信じているかのように。その姿を見ていると、悲しさと同時に、ある種の恐怖すら感じてしまいます。

自分が変わっていないことに、本当に気づいていないのでしょうか。それとも気づいているからこそ、必死に「変わった」と言い続けなければならないのでしょうか。

真実はわかりません。ただ、周囲の人々の表情は物語っています。彼が「変わった」と言うたびに、みんなが一瞬だけ視線を逸らすその瞬間に、すべてが表れているのです。

変わらない人が持つ共通の特徴

変わったと言いながら変わらない人には、いくつかの共通点があります。まず、彼らは自分の行動を客観的に見ることができません。過去の失敗を語るとき、常に「あのときは仕方なかった」という言い訳がセットでついてくるのです。

ある先輩は、若い頃から約束を守らないことで有名でした。待ち合わせに遅れる、締め切りを破る、借りたものを返さない。そんな彼も今では管理職になり、部下に「時間厳守」を説いています。

しかし部下たちは知っています。彼自身が会議に遅刻し、報告書の提出を先延ばしにし、借りた資料を返さないことを。彼は「昔は時間にルーズだったけど、今は違う」と言いますが、データは嘘をつきません。昨年度の遅刻回数は部署内でダントツのトップでした。

こうした人たちには、もう一つの特徴があります。それは、他人の変化には極めて厳しいということです。新人が失敗すれば「最近の若者は」と批判し、同僚がミスをすれば「あの人は昔からそう」と決めつけます。

自分には無限の可能性を認めながら、他人には過去のレッテルを貼り続ける。この矛盾に、彼ら自身は気づいていないようです。

ある人は学生時代、いじめの加害者でした。大人になった今、彼は「あれは若気の至りだった」と言います。でも同窓会で再会した被害者の顔を見ても、謝罪の言葉は出てきません。それどころか「お互い様だったよね」と、責任を分散させようとするのです。

変わらない人は、都合の良い記憶の編集者です。自分に都合の悪い事実は忘れ、都合の良い解釈だけを残していく。そうして作り上げた「成長した自分」という物語を、本人だけが信じているのです。

「気づいていない」のか「気づかないふり」なのか

最も難しいのは、彼らが本当に自分の変わらなさに気づいていないのか、それとも気づいているけれど認めたくないのかを見極めることです。心理学的には、これを「認知的不協和」と呼びます。

Aさんは営業部で働く同僚です。彼は若い頃から人の悪口を言うことで知られていました。今でも、飲み会があれば必ず誰かの批判が始まります。でも本人は「俺は人の良いところを見るようにしている」と言うのです。

ある日、私は勇気を出して彼に尋ねました。「Aさん、今日も誰かの悪口を言っていましたよね」と。彼は一瞬驚いた表情を見せましたが、すぐに「いや、あれは悪口じゃなくて事実を言っただけだ」と答えました。

この反応こそが、すべてを物語っています。彼は自分の言動を「悪口」だと認識していないのです。もしくは、認識することを拒否しているのです。

脳科学の研究によれば、人間は自己イメージを守るために、現実を歪めて認識する能力を持っています。自分の行動と自己イメージが矛盾したとき、私たちは現実の方を変えて解釈してしまうのです。

ある上司がいます。彼は部下に厳しく、感情的に怒鳴ることもしばしばです。でも彼は「自分は部下思いの優しい上司だ」と信じています。怒鳴った後は必ず「お前のためを思って言ってるんだぞ」と付け加えることで、自分の行動を正当化するのです。

部下たちは恐怖を感じながらも、何も言えません。なぜなら、本人は本気で自分が優しいと信じているからです。その確信の強さが、かえって周囲を無力にさせてしまいます。

なぜ私たちは距離を置くのか

変わらない人に対して、私たちができることは限られています。忠告しても聞き入れられず、距離を置けば「冷たい」と言われる。それでも、自分の心の平和を守るためには、関わりを減らすしかないのです。

職場のBさんは、若い頃から人間関係でトラブルを起こしてきました。転職を繰り返し、友人も次々と離れていきました。でも彼は「周りが自分を理解してくれない」と嘆くばかりです。問題は常に他人にあり、自分は被害者だという認識なのです。

ある日、Bさんから久しぶりに連絡がありました。「最近、人生について考え直したんだ。人との接し方を変えようと思う」と。私は少しだけ期待しました。もしかしたら、今度こそ本当に変わるのかもしれないと。

しかし会って話してみると、相変わらずでした。自分の話ばかりで、人の話は聞かない。約束の時間に遅れてきても謝らない。そして別れ際には「また連絡するよ」と言いながら、お金を借りようとする素振りさえ見せたのです。

その瞬間、私は決めました。もう彼とは関わらないと。

これは冷たい判断でしょうか。でも、自分を守ることは決して悪いことではありません。変わらない人に振り回され続けることで、私たち自身の心が壊れてしまうこともあるのです。

Cさんという知人は、毒親育ちでした。大人になってから、母親との関係に悩み続けていました。母親は「あなたのためを思って」と言いながら、娘の人生を支配しようとします。何度話し合っても、母親は変わりません。

最終的に、Cさんは距離を置くことを選びました。それは逃げではなく、自分を大切にするための決断でした。変わらない人を変えようとすることより、自分の人生を守ることの方が重要だったのです。

私たちは、すべての人と仲良くする必要はありません。合わない人、害を与える人とは距離を置いていい。それは人間関係における大切な自衛手段なのです。

それでも信じたい「変化」の可能性

ここまで厳しいことを書いてきましたが、私は人間の変化を完全に否定したいわけではありません。ただ、本当の変化には条件があると思うのです。それは、自分の醜さや弱さと正面から向き合う覚悟です。

とある友人がいます。彼は若い頃、アルコール依存症でした。仕事も人間関係も、すべてを失いかけました。そのとき彼は、初めて自分の問題を認めたのです。「自分は病気だ。このままでは死ぬ」と。

回復の道のりは長く、苦しいものでした。何度も誘惑に負けそうになり、何度も自己嫌悪に陥りました。でも彼は逃げませんでした。専門家の助けを借りながら、自分の弱さと向き合い続けたのです。

今の彼は、かつての彼とは明らかに違います。それは「酒を飲まなくなった」という表面的な変化ではありません。自分の弱さを認め、助けを求められるようになったという、本質的な変化なのです。

彼は決して「俺は変わった」とは言いません。むしろ「毎日が戦いだ」と言います。この謙虚さこそが、本当に変わった人の証なのかもしれません。

一方で、変わったと言いながら変わらない人たちは、自分の弱さを決して認めません。常に強がり、常に正当化し、常に被害者でいようとします。そこに謙虚さはなく、したがって成長もないのです。

私が変わらない変われない人と距離を置くことを選んだのは、彼らが変わる可能性がないからではありません。彼らが変わろうとしていないからです。変化は、自分の問題を認めることから始まります。その第一歩がない限り、何年経っても、何を経験しても、人は変わらないのです。

しかし、もし彼らがいつか本当の意味で自分と向き合う日が来たら。もし謙虚さを手に入れて、助けを求められるようになったら。そのときは、私も関係を見直すかもしれません。

今はまだ、その時ではない。ただそれだけのことです。

人との関わりの中で、私たちは時に大きな矛盾に直面します。「変わった」と言う人が変わっていない現実を目の当たりにしたとき、戸惑いや失望を感じるのは自然なことです。でも、その感情を否定する必要はありません。

距離を置くことも、関わりを減らすことも、自分を守るための正当な選択です。同時に、本当の変化とは何かを知ることで、私たち自身も謙虚でいられる。そんな静かな気づきを、日々の暮らしの中で大切にしていけたらと思います。

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