【行こ行こ#83】こぼれ話|東の果て釧路旅2025-8
これまでのあらすじ
正味2日で根室行ったり、湖行ったり、屋上の温泉で凍死しかけたりと色々楽しかった釧路旅。
今回はこぼれ話。そして「東の果て釧路旅」最終回です。
訪問地マップ
まずは毎シリーズ作っている訪問地マップである。
一切実用的ではない。
人に見せて「ほう、参考になった」と言われる事は皆無だと思う。だが、楽しいので作っている。
こうやって地図の上に自分の足跡を並べてみると、足掛け三日でけっこう回ったなと思う。
根室まで行って、納沙布岬へ行って、北方領土を見て、銭湯に入り、摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖と湖も三つハシゴした。書いていて思うが、我ながらなかなか落ち着きのない旅である。
最終日は、ある意味では消化試合感があった。
この日の便は昼間。
つまり、のんびり大移動をするには中途半端で、かといってホテルでじっとしているには惜しい。旅の最終日特有の、あの「あと一か所ぐらい行けるんじゃないか」という邪念が渦巻き始めていた。
朝起きると散歩がてら、銭湯へ行った。

「お湯が沸きました」という、実にいい看板に吸い寄せられた。
町の銭湯といった感じだけど、やはり広い風呂って最高である。しみないし(第二話参照)
釧路といえば釧路湿原である。
もちろん行きたい。だが、さすがにレンタカーを三日連続で借りるリスクは取れなかった。お財布的にもそうだし、昼便なので中途半端に借りるともったいない。昨日の時点で鶴センターにも行ってしまっているし、じゃあ今日は街の中でどこか、と考えた時に浮かんだのが博物館だった。
釧路市立博物館は春湖台にある博物館で、常設展示は1階が自然、2階が歴史、4階がアイヌ文化という構成になっている。
ところがである。
釧路市立博物館、地図で見ると「そんなに遠くなさそう」なのに、案外アクセスが難しい。
タクシーは高い。
LUUPはない。
レンタル自転車もない。
いや、「私も存在しない」のではないだろうが、良い感じのがない。
バスはあるにはあるらしい。
でもGoogleで調べても、いまいち“いい感じ”のものが出てこない。というか1時間以上後だ。
これが地方旅の難しさである。都会だと「とりあえずGoogleマップを開いて、青い線に従えばどうにかなる」ことが多いが、そうはいかないのが歯痒さであり、スリリングな所である。
私はバス停で、半ばぼんやりしていた。すると、時刻表にないバスが止まり、ドアが開いた。
小柄な男性の運転手さんが、こちらを見て言う。
「バスに乗るのかい?」
私は面食らった。
いや、そりゃバス停にいるんだから、バスが来て当然なのだが、こちらとしてはGoogleと現実の食い違いに翻弄されていた最中である。
「え、ええ。はい」
と答えたと思う。
あの時の私は、だいぶ目が泳いでいたはずだ。
とにかく、眼球北島康介である私はその流れで乗せてもらうことができた。そして、運よく、あっさりと、博物館へ到着してしまった。

釧路市立博物館は、思っていたよりちゃんと「博物館」だった。

いや、変な言い方だが、旅先の博物館というのは時々、良い意味で小ぶりだったり、資料室っぽかったりする。
ところがここは、高台に建っていて、建物そのものにちゃんと“風格”がある。

しかも収蔵品も良さそう。入り口のマンモスに感心して館内に進むと、思ったより大きな空間が広がっていた。




え?
なんでこんなに立派なのに、こんなアクセスが悪いんだ?
しかも今日は休日なのに誰もいない。
これは勿体無い。

鯨の顎、でか!!
特に印象に残ったのは、この鯨の顎の骨である。でかい。
顎だけでこれだけ大きいのであれば、全体の大きさは推して知るべし、である。
アイヌ文化の入口
4階の展示では、アイヌ文化にも少し触れた。







民具があり、衣装があり、装飾がある。単なる「昔の道具」ではなく、ちゃんと美しさを持ってそこにあった。
時間も限られていたし今回は“少しだけ知った”という感じだった。その為、逆に「今度どこかで、もっと本格的なアイヌ文化の博物館を見たいな」と思ったのである。

そして、ゴールデンカムイの野田サトル先生のサイン色紙もあった。
本当に、ガイド付きで見たくなるくらい充実していた。
グルメ
さて、ここからは食べたけど本編では書いていないグルメの話をしよう。
まずは、牡蠣ラーメンである。
桃太郎電鉄というゲームがある。
双六みたいに日本各地を回って、物件を買って、会社を大きくしていくあれだ。私が子どもの頃、釧路といえば「パルプ工場」「魚市場」、最近の桃鉄だと「牡蠣ラーメン」もあるらしい。
そんな桃鉄みたいな旅をしている私なので、釧路に来たら桃鉄絡みの何かを体験したかった。
パルプ工場は見ても仕方ないし、牡蠣ラーメン屋を買収することはできないが、一杯食べるくらいはできる。

まず食べたのは、えびす家さんの一杯。
季節限定なのかどうかはよくわからなかったが、ぷりぷりの牡蠣と味噌ラーメンの相性が素晴らしい。

これは美味すぎる、と思ったので白米も追加してしまう。ラーメン単体で終わらせるには惜しい。スープまで含めて完食したい味だった。

そして別日にはもう一件。
魚一の牡蠣ラーメンである。
こちらは一杯二千円。高い。


だが、うまい。
牡蠣だけでなく、蛤みたいなものまで入っていて、贅沢感が天元突破している。
スープは澄んでいて、海の旨味が一杯に詰まっている。
えびす家で学習した私は、あらかじめ白米も大盛りで注文し、溢れ出る海の旨味を最後まで回収する態勢を整えていた。

和商市場
魚一ついでに、この場所についても少し話したい。和商市場である。そう、これって桃鉄の「魚市場」なんだと思う。
釧路駅から近く、歴史ある市場として知られていて、いわゆる北海道三大市場の一つと言われているらしい。
私はここで、マグロの握りも食べた。たしか時間帯のせいか、少し安くなっていた。

うまい。
ああ。羨ましい、北海道の恵。
そしてウニ。これが、八戸で食べた蒸しウニを少し思い出させた。
昔の私は、別段ウニが好きというほどではなかった。ウニは軍艦に生で乗っているもので、苦いというか、なんというか、そういう印象があった。だが八戸で加熱したウニを食べてびっくりした。
美味すぎたのである。
それ以来、私はウニに対して少し態度を改めている。好物に昇格した。
感想に捻りはない。ああ、うまい。以上である。

花咲蟹もちょっとだけ食べた。こういう「少しずつたくさん種類がある」という状況に私は弱い。
魚市場も堪能し、大満足した。
飲み屋の牡蠣
牡蠣食べ放題、というのも体験した。これは相当贅沢な話だと思う。生牡蠣か、蒸し牡蠣。
どちらもうまい。
どちらもうまいのだが、あまりにも食べると店の人に悪いような気がしてしまう。こういうところで、私の中途半端な小心さが出る。

それでも三十個くらいは食べたのだから、まあよしとしよう。いや、もし誰の目もなければ百個くらい食べていたかもしれない。
フライトレコーダーの画面
そういえば、友人から送ってもらった、私が乗った便のフライトレコーダーの動画もあった。

アニメーションで離陸する瞬間を見ていると、また旅に出たくなる。
この記事も、実は夜行バスを待ちながら書いている。次の目的地は関西。今までの中でも、かなり馬鹿馬鹿しく、そしてタイトなスケジュールになる予定だ。
うまくいくか心配である反面、とても楽しみでもある。
旅は、終わった瞬間に次の旅の序奏になる。また、どこかへ行こうと思う。
おしまい
記事:まるのすけ
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