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<山の話>山は道連れということもある

一人で北アルプスの白馬岳に登り、その後朝日岳を越えて蓮華温泉に下ったことがあります。
初日は白馬岳の小屋、2日目に朝日小屋に泊りました。

そして、朝日小屋で、2人の女性と相部屋になったんです。
山小屋なので男女の相部屋もないとはいえない。
山小屋の方は、出来るだけ男女別々にしようとするんでしょうが、混んでいたらそうもいかないんでしょう。

私が部屋にはいると、その女性たちは、30歳くらいの男性と話をしていました。彼は単独行だったし、私も一人でした。
なので、自然に4人でおしゃべりすることになりました。

この男性は、明日蓮華温泉に下って、明日中に東京に戻ると言います。
蓮華温泉までは私と同じルートですが、蓮華温泉発の午後のバスは4時発だけです。

4時に蓮華温泉発のバスに乗っても、その日のうちに東京に戻れるとは思えない。だから、私は麓の姫川温泉に泊る予定にしていたんです。

私がバスの時間のことをいうと、女性が「私たちの車に乗せてあげる」と言うんです。
聞くと、彼女たちは蓮華温泉に車を止めているから、それで送ってくれるというわけです。

こういうのを渡りに舟と言うんでしょうね。
私まで乗せてもらえることになりました。

その夜、7時近くになって、何人もの登山者が小屋に入ってきました。
蓮華温泉から登ってきた登山者で、途中の白高地沢の橋が流されていたらしい。
渡渉点を探すのに時間がかかったとか、腰あたりまで水に浸かったと話していました。

ここは橋がよく流されることで有名なんです。
昨日は雨でしたから、増水したんでしょう。
相部屋の女性2人は別ルート(白馬大池経由)でここまで来たので、渡渉をしないで済んだらしい。

そして、翌朝。
私は白高地沢までは、普通に一人でさっさと歩きました。
しかし、渡渉するときは女性2人をほったらかすわけにいきません。

3人を待っている間に沢の様子を見ました。
水は大分引いていて、膝まででした。
全員そろってから渡渉を終わり、そこからは4人で歩きました。

そして、蓮華温泉に着いたら風呂を浴び、車に乗せてもらって大糸線の平岩まで連れて行ってもらいました。

私は平岩で車を降り、30代の男性と別れ、一人で姫川温泉に行きました。
旅館では客は私一人。
温泉に7回も入り、ゆったりしました。

あの女性たちは富山の人だと言っていたけど、良い人たちでした。
また、若い男性も馬力のある気分の良い人でした。
一人で山に行くと、こういうこともあるんです。



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