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15歳年上のバーテンダーとの恋の話 膨らむ不安と新社会人編 #5|恋愛小説|ノンフィクション小説


だんだん雲行きがあやしくなってきました。



前の話はこちら。

マガジンはこちら。

この物語はノンフィクションですが、
登場人物や店の名前は、すべて仮名です。

《登場人物》
🐈…じまにゃん
🤵🏻…笹方さん(ブリージーのバーテンダー)
🐵…オサムさん(クロスポの店長)
🦩…ウララさん(婚約者のいる美女)

ブリージー…笹方さんの働くスタンディングバー
クロスポ…じまにゃんがバイトしているオサムさんのバー

《前回のあらすじ》
付き合い始めたら、笹方さんのイメージがちょっと変わったよ。でも私は彼女だから、理解しないと!
いつものように都内にアルバイトに行っていたら、いきなり大きな地震が!?



※この記事には、東日本大震災に関する描写が含まれます。ご了承の上、お読みください。



かなり大きな揺れだ。
初めて体験する大きさだった。

激しく揺れ、
棚の上の模型や本がドンドン落ちてきた。



「危ないから机の下に隠れて!!!」


所員の人が大きな声で叫ぶ。

私は机の下で身を屈め、
揺れがおさまるのを待った。

しばらくして揺れがおさまったタイミングで、
所員の人達が外に出ることを促した。

事務所の目の前には小さな公園があって、
近所の人達がみんなそこに集まっている。

その異様な光景を眺めながら、
笹方さんたちは大丈夫だろうか?
と不安に駆られた。


その日、アルバイトはもう帰るように言われた。

ただ、電車が動いているかどうかも怪しい。

街の様子を眺めながら駅に向かっていると、
レンタカー屋さんの車がすべて出払っていた。

私、今日家に帰れるのかな……?




駅に着くと、もちろん電車は止まっていた。

幸いネットは通じていたので、
笹方さんや家族の安否は確認できたし、
調べものをすることもできた。

途方に暮れても仕方がないので、
歩くことにした。

随分歩いた。

しばらくすると、動く電車が現れたという情報を
Twitterでキャッチした。
電車に乗って、近づけるところまで行く。
そしてまた歩く。



こんな緊急事態に、
一人で知らない場所を何時間も歩くのは、
めちゃくちゃ心細かった。

泣きそうになりながらも歩き続けた。


ようやく家のある駅まで続く電車が
動き始めて、私はなんとか帰ることができた。

地震が発生してから、
9時間くらい経っただろうか。
外はもう真っ暗で、夜中の0時を過ぎていた。


メールで連絡があったが、
笹方さんが働くブリージーも
今日は店を早終いしたようだ。

到着したら
「みかん亭」で落ち合う約束をしていた。

当時の私は、こんなパニックの中
店を開けているマスターに心から感謝した。

笹方さんやみかん亭のマスターの顔を見た途端、
一気に緊張の糸が緩んで、
泣き出しそうになるくらい安心したのだ。


🍊「じまにゃんちゃん、大丈夫だった!?」

🤵🏻‍♂️「こっち座りなよ」

🐈「笹方さん~~~~~(泣)」



笹方さんの隣に座ると、
カウンター席には他にも数人、
見慣れた顔があった。


🐈「ウララさん!」


笹方さんの隣には、
ウララさんとその友達が座っていた。


🦩「じまにゃんちゃんも大変だったねー」


テレビは軒並み放映中止で、
私達は何もわからなかった。

だからみんなはどうやって帰ってきたのか、
とか、街の状況についての情報交換をした。


100kgを超えるマスターの体型は
何も変わらなかったが、
ズラっと並ぶカウンターの中のお酒の棚は
ずいぶん寂しくなっていた。

そして、ボトルと棚は蜘蛛の巣のように
タコ糸でぐるぐる巻きにされていた。
これ以上お酒のボトルが落ちないように
マスターが固定したらしい。


🍊「お酒のボトル、随分割れちゃったよー」


地震が起きたあとお店に飛んできたら、
床には割れたボトルとお酒の匂いで
大惨事だったそう。


🤵🏻‍♂️「うちもみかん亭ほどじゃないけど、何本かボトル割れちゃった。開店前だったからまだマシだったけど」

🐈「そうですよね……」

🦩「さっきササちゃんたちとクロスポにも飲みに行ってきたんだけど、オサムくんも同じようなかんじだったみたいだよー」


ん?

彼女がひとりで心細い中、
笹方さんはウララさんたちと
飲みに行っていただと……!?

……いや、まぁ、緊急事態だしな。

2人きりってわけでもない。
やきもち焼いたって仕方がない。

状況確認は、大事。
オサムさんが無事で何よりだ。


🦩「次何飲もっかな~~~!」


そう言ってウララさんは、
お酒の棚を勢いよく見上げた。

すると、酔っぱらっていたのか、
勢いよく見上げすぎて
椅子ごと後ろに倒れそうになった!


🤵🏻‍♂️「あっぶな……!!!」


そう言って
ウララさんの右隣に座っていた笹方さんは、
左腕を伸ばし、ウララさんを抱きかかえるように
キャッチした!



一瞬時が止まる。



🦩「……びっっっくりした~~~!倒れるかと思った!ササちゃん、ありがとう」

🤵🏻‍♂️「どういたしまして」



ズキン。

なんだろう……?
なんか、ふたりの距離が近いような気がした。

倒れそうだから支えただけ。
頭の中ではわかっていたけど、
なんとも嫌な感情が押し寄せてきた。


🐈「……今日は疲れたから、そろそろ帰りましょっか」

🤵🏻‍♂️「あと一杯だけ!」

🐈「(だめだこりゃ)」


それからもう一杯だけ飲んで、
ふたりで帰宅した。

家に帰るころには私は疲れ果てていた。

笹方さんの声が届くこともなく、
そのまま深い眠りについた……。




それからの街は、ずっと静かだった。

自粛モードで、夜に出歩く人は
極端に少なかった。
ブリージーもクロスポも、売上はガタ落ち。

笹方さんも、オサムさんも、
だいぶ参っていた。

みんながつらいね。


笹方さんと旅行に行く話もあったが、
このような状況なので、
延期することにした。

なので特に何もなく、
私はそのまま新社会人になった。




私が住む街から、1時間ちょっと。
就職先の設計事務所は、川崎にあった。

所長と、他に所員が4人だけの小さな事務所。

初めての社会人は、
もちろん慣れるまで大変だった。

先輩たちは、毎日夜20時を過ぎても
誰一人帰らなかった。
だからそれが当たり前だと思っていた。


私は毎日くたくたになりながら帰宅。

余裕がある日は
ブリージーに顔を出しに行ったが、
家にそのまま帰ることも増えた。

寝て、起きると、
笹方さんはいたりいなかったりした。

笹方さんはほぼ毎日
飲みに行ってから帰宅してくるので、
朝起きるとお酒と煙草の匂いがした。

それでも会えた日は、寝顔を見るだけで、
今日も1日頑張ろうと思えた。





新社会人も1か月目が終わろうとしていた頃。


🤵🏻‍♂️「じまにゃんちゃん」

🐈「うん?」

🤵🏻‍♂️「ゴールデンウイーク終わったら、軽井沢いこっか!」


街の賑わいが少しずつだが戻ってきた頃、
笹方さんはそう言った。

3月に行けなかった旅行のリベンジである。



「15歳年上のバーテンダーとの恋の話 軽井沢とピンキーリング編 #6 」へとつづく!





ご覧頂き、ありがとうございました!

ぐはっ(吐血)
書きながら段々苦しくなってきた……!

でも次回は軽井沢に行くから、
楽しい展開になるかな!?

どうかな~~~~~^^


「15歳年上のバーテンダーと恋の話」は、
毎週木曜日に更新しています。

来週(9/24)はお休みです!

なので続きは、10/1(木)の更新です。

毎週水曜日にも記事を書いているから、
覗いてみてね^^

今日も最後まで読んでくれて、
本当にありがとう♡

ではでは、まったね~~~👋🏻




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