第24話まことは、なおせる(第2環・結び)
あさの もりは、
しずか でした。
つちの におい。
はっぱの こすれる おと。
とおくで
とりが なく こえ。
モンジは
ひとりで
あるいて いました。
きのうの こと。
その まえの こと。
こころの なかで
いくつも
おもいだします。
かけっこ。
クッキー。
けんか。
「ありがとう」。
その とき、
カメじいが
いしの うえに
すわって いました。
「おはよう」
モンジは
あいさつ しました。
「おはよう。
きょうは
かおが
やわらいで おるのう」
モンジは
すこし てれました。
「うん……
でも、
ぼく、
いっぱい
まちがえた」
カメじいは
くすっと
わらいました。
「そうか。
で、
いまは どうじゃ?」
モンジは
かんがえて から
いいました。
「……ちゃんと
もどって きた
かんじ」
カメじいは
うなずきました。
「それが
まこと じゃ」
モンジは
ききかえしました。
「まこと って、
こわれない の?」
カメじいは
いしを
こん、と
たたきました。
「いしはな、
ひびが はいっても、
なくならん」
モンジは
じっと
みました。
「ひびは
いたい。
でも、
どこが
だいじ だったか
わかる」
モンジの めが
ひらきました。
「じゃあ……
まちがえても?」
「うむ。
なおせる」
そのとき、
イノチが
はしって きました。
いつも どおり。
とまらず、
まっすぐ。
でも、
きょうは
モンジの そばで
あしを
ゆるめました。
「いく?」
モンジは
うなずきました。
ふたりは
ならんで
あるきだしました。
ときどき
ずれて、
ときどき
そろって。
でも、
もう
あわてません。
モンジは
そっと
いいました。
「まちがえても、
もどれる んだね」
イノチは
しっぽを
ふりました。
「うん。
なおせる」
もりの みちが
つづいて いました。
それは、
まえに すすむ
みちでも あり、
もどって こられる
みち でした。
親向け1分解説
この話で伝えたいこと
誠は、失敗しないことではない。
ズレに気づき、戻れる力。
子どもは必ず間違えます。
欲張り、急ぎ、傷つけます。
でも――
気づける
言葉にできる
関係をつなぎ直せる
その力こそが 誠 です。
親の関わり方のヒント
❌
「だから言ったでしょ」
「最初からちゃんとすれば」
⭕
「戻ってこれたね」
「直そうとしたね」
👉 正しさより、
👉 回復の経験を大切にしてください。
大人への小さな気づき
誠は完成形ではない
生きている限り、更新される
人は、直しながら育つ
今日の問い(言わなくてもOK)
さいきん、
なおした まことは
なんだった かな?
これで
第1環(1〜12話)
第2環(13〜24話)
が、一本の物語として完結しました。
次回から、
イノチ🐕が主人公で物語を紡ぎます。
【イノチ編の基本コンセプト】
モンジ編
👉 気づいて → 立ち止まって → 選び直す
イノチ編
👉 先に動く → 走り続ける → あとから心が追いつく
つまり、
モンジ編=内省の物語
イノチ編=行動の物語
です。
イノチは
考えてから動くタイプではない
正しさを言語化しない
でも、行動で関係を支えている存在
👉 同じ出来事でも
「何を感じたか」ではなく「どう動いたか」 が主語になります。
お楽しみに。
引き続き、対人関係をどう伴走し考えるかを論語(孔子)の教えと、日本人の心の視点を子供向けの物語として紡いで行きます。
◀︎ 前回はこちら ▶︎ 次回はこちら
