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中古住宅の内覧チェックポイント15選|確認する場所・持ち物・質問

中古住宅の内覧では、クロスや床のきれいさだけで判断してはいけません。

優先して見たいのは、購入後の暮らしや修繕費に影響しやすい場所です。

ただし、内覧の目的は、建物の不具合を自分たちだけですべて見抜くことではありません。

気になる場所を見つけたら、

・写真を撮り、間取り図に記録する
・売主や不動産会社に質問する
・修繕履歴や書類を確認する
・必要に応じて専門家に相談する
・修繕費を含めて購入を判断する

という順番で整理します。

私は住宅営業として約20年間、新築マンション、建売住宅、注文住宅、中古住宅や土地の仲介に携わってきました。

自身でも住宅を5回購入し、3回売却しています。

その経験から感じるのは、内覧で大切なのは「問題があるかを自分で断定すること」ではなく、「購入前に確認すべき点を見落とさないこと」です。

この記事では、中古戸建ての内覧で見る場所を15項目に絞り、持ち物、売主への質問、内覧後の判断まで説明します。

中古マンションでは、室内に加えて共用部、管理規約、長期修繕計画などの確認が必要です。


中古住宅の内覧で見る15のチェックポイント

内覧では、次の順番で確認すると見落としを減らせます。

外回り

1.基礎のひび割れ・欠け・補修跡
2.外壁・シーリングの割れや劣化
3.屋根・雨樋・軒天の傷み
4.境界・越境・擁壁
5.駐車場・接道・水はけ

室内

6.床の沈み・傾き・床鳴り
7.壁・天井のシミ・ひび・補修跡
8.窓・ドア・建具の開閉
9.結露・カビ・におい
10.日当たり・風通し・室内の明るさ
11.収納・家具配置・生活動線

水回り・設備

12.キッチン・洗面台下の漏水跡
13.浴室・脱衣所・トイレの床や壁
14.排水・換気・水圧
15.給湯器・配管・未交換設備


内覧当日に使えるチェックシート

この記事で紹介する15項目を、内覧時に記録できるチェックシートにまとめました。

紙に印刷するか、スマートフォンに保存して使えます。

確認した項目にチェックを付けるだけでなく、気になった状態、売主や不動産会社への質問、確認する書類、修繕費まで記録できる内容です。

内覧後は、夫婦それぞれが、

・申し込みたい
・条件を確認してから判断したい
・再内覧したい
・専門家に確認したい
・見送りたい

のどれに近いかを書き込めます。

気になる場所を見つけただけで結論を出さず、質問、書類、専門家、費用の順に確認を進めるために使ってください。

ここから、それぞれの項目について、見る場所と気になったときの確認方法を説明します。


中古住宅の内覧に持っていきたいもの

内覧に持っていきたいのは、次の6点です。

・スマートフォン
・間取り図または販売図面
・メジャー
・家具・家電の寸法メモ
・筆記用具
・ライト

スマートフォンは、写真、動画、メモ、周辺地図の確認に使えます。

スマートフォンのライトは、シンク下や収納の奥など、暗い場所を見るときにも役立つでしょう。

間取り図は、現地との違いを確かめるだけでなく、気になった場所を書き込むために使用します。

写真を撮る場合は、間取り図に写真番号を記録しておくと、内覧後も撮影場所を確認しやすくなります。

メジャーで室内を測る前に、現在使っている冷蔵庫、洗濯機、ベッド、ソファなどの寸法を控えておきましょう。

家具や家電は本体が収まるだけでなく、扉を開ける余白、搬入経路、コンセントや給排水の位置まで確かめる必要があります。

写真や動画を撮ったり、収納や点検口を開けたり、設備を動かしたりする場合は、事前に売主や担当者の許可を取ってください。

居住中の物件では、家具や荷物を無断で移動しないことも大切です。


中古住宅の内覧チェックポイント【外回り】

中古戸建てでは、室内に入る前に建物の周囲を見ます。

室内の印象が良くても、屋根、外壁、擁壁などにまとまった修繕費がかかれば、購入後の総額が大きく変わるためです。


1.基礎のひび割れ・欠け・補修跡

建物の外周を歩き、見える範囲で基礎を確認します。

見るのは、次のような状態です。

・ひび割れ
・欠け
・変色
・補修した跡
・床下換気口の塞がり
・基礎周辺の水たまり

ひび割れがあるからといって、購入を見送るべき建物とは限りません。

一方、ひびの原因や建物への影響を、一般の購入者が内覧だけで判断するのも困難です。

気になる部分を見つけたら、場所が分かる写真を撮り、間取り図にも位置を記録します。

担当者には、次のように聞いてください。

「このひび割れや補修跡について、売主から説明はありますか?」

「過去に基礎や床下を修繕した記録は残っていますか?」

原因や修繕内容が分からなければ、専門家に相談する箇所として記録しましょう。


2.外壁・シーリングの割れや劣化

外壁は、正面だけでなく、建物の側面や裏側まで見て回ります。

確認したいのは、次の部分です。

・外壁の大きなひび割れ
・塗装の剥がれや色あせ
・外壁材の浮き
・シーリングの割れや隙間
・窓周辺の変色
・過去に補修した跡

シーリングとは、外壁材の継ぎ目や窓周辺に使われる充填材を指します。

劣化して隙間ができている場合は、外壁塗装と合わせて補修が必要になる可能性があります。

外壁塗装や補修をした時期は、今後の修繕時期を考える材料です。

見た目だけで状態を決めず、施工時期や保証内容、工事内容が分かる資料を見せてもらえるか確認してください。


3.屋根・雨樋・軒天の傷み

屋根は、地上から安全に見える範囲だけを確かめます。

脚立に上ったり、屋根に登ったりする必要はありません。

内覧時に見たいのは、次のような状態です。

・屋根材の大きなずれ
・雨樋の外れや変形
・軒天のシミや剥がれ
・破風板の傷み
・雨水が流れた跡
・屋根や雨樋の修繕履歴

軒天とは、屋根の裏側にある天井状の部分を指します。

シミや剥がれがあっても、内覧だけでは原因まで分かりません。

気になる状態があれば、屋根や外壁を最後に修繕した時期を確認し、見えない場所は専門家による調査を検討します。


4.境界・越境・擁壁

敷地の境界標、フェンス、塀、樹木、排水管などを見ます。

特に確認したいのは、次の点です。

・境界標が見つかるか
・塀や樹木が隣地へ越えていないか
・隣地の屋根や配管が敷地内へ越境していないか
・隣地との高低差が大きくないか
・擁壁にひびや膨らみがないか

越境しているように見えても、現地だけで権利関係を判断することはできません。

測量図、境界確認書、越境に関する覚書などがあるか、不動産会社に確認を依頼します。

擁壁がある場合も、見た目だけで安全性や法令への適合性を決めず、築造時期や関係資料を調べる必要があります。


5.駐車場・接道・水はけ

地方都市の住宅では、駐車場の使い勝手が毎日の暮らしに大きく影響します。

駐車できる台数だけでなく、実際に車を出し入れできるかまで見てください。

・前面道路の幅
・道路の交通量
・敷地への入り方
・切り返しの回数
・隣の車や塀との距離
・カーポートの高さ
・道路と敷地の段差
・雨水が集まりそうな場所

販売図面に「2台駐車可」と書かれていても、車種や停め方によっては使いにくいことがあります。

可能であれば、自分の車で出し入れを試せるか相談しましょう。

雨の日でなければ、地面の変色、排水口の位置、土地の傾きなどから、水が集まりそうな場所を記録します。


中古住宅の内覧チェックポイント【室内】

室内に入ったら、最初に全体の広さや生活動線を見たあと、床、壁、窓などを順番に確かめます。

新しいクロスや床材だけに目を向けず、補修跡や未改修部分にも注意が必要です。


6.床の沈み・傾き・床鳴り

各部屋を普段どおり歩き、足元の感覚を確かめます。

次のような違和感がないか見てください。

・一部だけ沈み込む
・踏むと柔らかく感じる
・強い床鳴りがする
・立ったときに傾きを感じる
・手を離すとドアが自然に動く

床鳴りがあるだけで、建物に大きな問題があるとは断定できません。

床材の施工状態、下地、経年変化など、さまざまな原因が考えられます。

違和感を覚えた場所は間取り図に記録し、売主が把握しているか、修繕履歴があるかを確認してください。

水平器アプリを使う場合も、購入者が安全性を判断するためではなく、専門家に相談する箇所を記録する目的で使いましょう。


7.壁・天井のシミ・ひび・補修跡

壁や天井では、傷の数よりも、シミや補修跡を丁寧に確認します。

確認したいのは次の部分です。

・天井や壁の変色
・クロスの浮きや剥がれ
・窓周辺のシミ
・収納内部のカビ臭
・一部だけ新しくなったクロス
・同じ位置に続くひび
・補修した形跡

シミがあっても、現在も雨漏りしているとは限りません。

反対に、クロスを張り替えていれば、過去の跡が見えなくなっている可能性もあります。

担当者には、いつ発生したのか、原因は何か、どこまで修繕したのか、その後に再発していないかを尋ねましょう。

回答だけで判断せず、修繕記録や工事写真が残っているかも確かめてください。


8.窓・ドア・建具の開閉

窓、室内ドア、収納扉は、許可を得て実際に動かします。

見るのは、次の状態です。

・開閉が極端に重い
・途中で引っかかる
・鍵がかからない
・扉が枠に当たる
・隙間がある
・網戸が破れている
・窓周辺に結露跡がある

建具の調整で直る場合もあれば、下地や建物の動きが関係している可能性もあります。

原因を決めつけず、気になる場所と症状を具体的に伝えることが大切です。

玄関ドアや勝手口については、鍵の動きだけでなく、開けたときに家具や車に干渉しないかも確認しておきましょう。


9.結露・カビ・におい

室内に入った直後のにおいを確かめます。

芳香剤や消臭剤が強い場合も、何かを隠していると決めつけず、換気後の状態や売主の説明を確認しましょう。

見たいのは、次のような場所です。

・窓枠
・カーテンの裏
・北側の部屋
・押し入れやクローゼット
・家具の裏側
・洗面所や脱衣所
・床下収納の内部

カビや結露の跡があれば、発生する季節、換気方法、過去の対応を確認してください。

清掃だけで対応できるのか、断熱や換気の改善が必要なのかによって、購入後の費用は変わります。


10.日当たり・風通し・室内の明るさ

日当たりは、内覧した時刻の明るさだけでは判断できません。

窓の向き、向かいにある建物との距離、季節による違い、周辺の土地利用も合わせて考えます。

・主要な部屋に光が入るか
・窓の前に高い建物がないか
・将来、建物が建つ可能性のある土地がないか
・窓を開けると風が通るか
・道路や近隣からの音が入らないか
・外から室内が見えやすくないか

日当たりを優先したい場合は、時間帯を変えて再確認する方法もあります。

窓を開けたときの騒音、におい、周囲からの視線は、室内の写真だけでは分からない部分です。


11.収納・家具配置・生活動線

収納は、数や広さだけでなく、実際に使える形かを見ます。

・奥行き
・棚の高さ
・扉の開き方
・湿気やカビ臭
・コンセントの位置
・家具との干渉
・重い物を置ける場所

冷蔵庫、洗濯機、ベッドなどは、本体が収まるだけでは足りません。

扉を開ける余白、給排水やコンセントの位置、搬入経路まで確認が必要です。

玄関、廊下、階段、曲がり角の幅も測り、現在の家具や家電を運び込めるか考えます。

間取り図では広く見えても、扉を開けると通路が狭くなる場合があるため、家族が実際に動く場面を想像しましょう。


中古住宅の内覧チェックポイント【水回り・設備】

水回りでは、設備が新しいかだけでなく、漏水跡、排水、配管の交換範囲まで見ます。

空き家では水道や電気が止まっている場合もあるため、動かせなかった設備は「問題なし」ではなく「未確認」として残してください。


12.キッチン・洗面台下の漏水跡

キッチンと洗面台は、許可を得て扉を開け、収納内部を見ます。

確認するのは、次のような状態です。

・水染み
・配管周辺のサビ
・床板の変色
・湿気やカビ臭
・配管接続部からの水滴
・補修した跡

収納内部が新しい板で覆われている場合は、交換した理由や工事範囲を聞きます。

水を流せる物件では、排水中に配管周辺から漏れていないかも確かめましょう。

漏水跡がある場合は、いつ発生し、どこまで修繕したのかを書面や工事記録で確認します。


13.浴室・脱衣所・トイレの床や壁

浴室、脱衣所、トイレでは、水がかかりやすい場所の床と壁を見ます。

・床の変色
・踏んだときの柔らかさ
・浴室ドア周辺の傷み
・便器周辺の水染み
・壁紙や巾木の浮き
・カビや強いにおい
・換気扇の状態

脱衣所の床が柔らかく感じても、原因をその場で断定することはできません。

場所を記録し、過去の漏水の有無や修繕履歴を確認します。

浴室に点検口がある場合も、購入者が無理に開けず、確認してよいか担当者に相談してください。


14.排水・換気・水圧

水道を使える場合は、キッチン、洗面、浴室、トイレで水を流します。

見るのは、次の内容です。

・排水に時間がかからないか
・排水口から強いにおいがしないか
・水圧が極端に弱くないか
・複数の場所で水を使ったときの変化
・換気扇が作動するか
・異音がしないか

排水が遅くても、その場で配管の問題だと決めつけてはいけません。

長期間使われていない空き家では、排水口の封水がなくなり、においが上がっている可能性もあるためです。

作動確認できなかった設備については、引き渡し前に誰が、いつ確認するのかを決めておきます。


15.給湯器・配管・未交換設備

給湯器や設備は、見た目だけでなく製造年と交換履歴も確認します。

確認したいのは、次の部分です。

・給湯器の製造年
・交換した時期
・キッチンや浴室の施工時期
・給排水管の交換範囲
・換気扇や食洗機の作動
・未交換の設備
・保証書や取扱説明書

「水回り交換済み」と書かれていても、設備本体だけを交換し、床下や壁内の配管は既存のままという場合があります。

担当者には、次のように質問してください。

「リフォームで交換した範囲を一覧で確認できますか?」

「給湯器と給排水管はいつ交換しましたか?」

「今回、手を入れていない設備はどこですか?」

新しい部分だけでなく、購入後に交換時期を迎えそうな設備まで把握しておきましょう。


リフォーム済み中古住宅で確認したいこと

リフォーム済み物件は、室内が明るく見え、第一印象も良くなりやすいものです。

ただし、「リフォーム済み」は、建物全体を新しくしたという意味ではありません。

次の内容を確認します。

・交換、補修した場所
・手を入れていない部分
・工事をした時期
・施工会社
・保証内容
・工事前後の写真
・給湯器や配管の交換範囲
・屋根、外壁、床下の確認状況

キッチンや浴室が新しくても、屋根、外壁、配管などに近いうちに費用がかかる可能性があります。

購入後の総額は、内装の新しさだけでなく、未改修部分まで含めて考えましょう。


居住中の中古住宅で確認したいこと

居住中の物件は、家具や家電が置かれているため、実際の暮らしを想像しやすい点がメリットです。

一方、家具の裏や、家具で隠れた床・壁、収納の奥などが見えない場合もあります。

確認できなかった場所は「問題なし」と扱わず、未確認箇所として記録してください。

購入を前向きに考える場合は、次の方法を担当者に相談します。

・再内覧する
・家具を移動した後に確認する
・引き渡し前に最終確認する
・ホームインスペクションを依頼する

見えなかった場所が多いほど、申し込み前に何を確認できるかを明確にする必要があります。


中古住宅の内覧で売主・不動産会社に聞く8つの質問

内覧では、次の8つを中心に質問します。

1.過去に雨漏りや漏水はありましたか
2.シロアリ被害や駆除の履歴はありますか
3.修繕、増築、リフォームをした場所はどこですか
4.給湯器、水回り、配管はいつ交換しましたか
5.現在使用できない設備や不具合はありますか
6.境界や越境について取り決めはありますか
7.近隣トラブルや告知すべき事項はありますか
8.引き渡しまでに撤去する設備や家具はありますか

営業担当者がその場で即答できないこと自体は問題ではありません。

重要なのは、売主に確認し、回答を書面に残してもらえるかどうかです。

物件状況等報告書では、売主が把握している雨漏り、シロアリ、給排水管、増改築などの状況を確認します。

付帯設備表は、引き渡される設備の有無や故障、不具合の状態を整理する書類です。

内覧時の口頭説明だけで終わらせず、契約前に書面の内容と一致しているか確かめましょう。


内覧だけでは分からないこと

一般の購入者が内覧で確認しやすいのは、見えている状態、設備の使い勝手、生活動線、周辺環境です。

次の内容は、内覧だけで判断できません。

・構造上の安全性や耐震性
・床下、屋根裏、壁内部
・配管内部の状態
・雨漏りやシロアリ被害の原因と範囲
・擁壁の安全性
・法令への適合性
・今後必要になる修繕費

気になる場所がある場合は、建築士、施工会社、不動産会社、土地家屋調査士など、内容に合った専門家に相談します。


ホームインスペクションを検討するタイミング

一般にホームインスペクションと呼ばれる調査は、依頼先によって調査範囲が異なります。

一方、宅地建物取引業法上の建物状況調査は、国土交通大臣の登録を受けた講習を修了した建築士が、既存住宅状況調査方法基準に従って行う調査です。

ただし、調査時点で確認できる範囲を調べるものであり、すべての不具合がないことを保証するものではありません。

依頼前には、次の範囲を確かめます。

・床下や屋根裏へ入る調査を含むか
・設備の作動確認を行うか
・修繕費の見積もりを含むか
・居住中で見られない場所はどこか
・調査報告書をいつ受け取れるか

ホームインスペクションを検討しやすいのは、次のような場合です。

・床や壁に気になる状態がある
・雨漏りやシロアリの履歴がある
・修繕記録がほとんど残っていない
・築年数が古い
・大規模なリフォームを予定している
・空き家だった期間が長い

実施したい場合は、売買契約の直前ではなく、購入候補に残った段階で仲介会社に相談します。

売主の許可、調査会社の日程、申し込みや契約までの期限を先に整理しておきましょう。

出典:国土交通省「既存住宅状況調査技術者講習制度について」


周辺環境は時間帯を変えて見る

建物は修繕できても、道路の音、通学路、夜道、周辺の土地利用は簡単には変えられません。

内覧と合わせて、次の点を見ます。

・平日朝夕の交通量
・夜道の明るさ
・近隣からの音やにおい
・通学路や交差点
・買い物施設、病院、駅までの移動経路
・坂道や積雪時の移動
・洪水、内水、土砂災害などの情報

昼間に内覧した場合は、可能であれば夜や平日朝にも周辺を訪れます。

現地で感じた違和感と公的な情報を組み合わせ、自分たちの暮らしに支障がないかを考えてください。


内覧後は4段階で整理する

内覧後は、すぐに「買う・買わない」の二択にしないほうが判断しやすくなります。

気になる場所を見つけたら、次の順番で進めてください。


1.記録する

場所を間取り図に記録し、写真にも残します。

「リビングの床」ではなく、「リビング南側の窓から約1メートルの床」のように、後から特定できる形で記録しましょう。


2.質問する

売主が把握しているか、いつからあるのか、修繕したことがあるかを尋ねましょう。

担当者がその場で回答できない場合は、回答期限と確認先を決めます。


3.書類で確かめる

物件状況等報告書、付帯設備表、修繕履歴、工事写真などを確認してください。

口頭の回答と書面の内容に違いがないかも照合しましょう。


4.費用を含めて判断する

必要に応じて専門家や施工会社に相談し、修繕費の概算を確認します。

次の金額を合計し、購入後の総額が予算内に収まるか再計算してください。

販売価格
+購入諸費用
+修繕・リフォーム費用
+引っ越し・家具・家電
+予備費
=購入後の総額

傷や古い設備が見つかったからといって、必ず値引きできるわけではありません。

価格交渉の前に、どの工事が必要なのか、売主がどこまで対応するのかを整理します。


申し込みを検討できる状態

次の条件がそろっていれば、申し込みを検討しやすくなります。

・希望条件と見送り基準に合っている
・重大な未確認事項が残っていない
・修繕費を含めても予算内に収まる
・売主や担当者から必要な回答を得られる
・修繕履歴や必要書類を確認できる
・夫婦の意見が大きくずれていない

不具合がまったくないことではなく、状態と費用を理解したうえで受け入れられるかが判断基準です。


再確認してから判断したい状態

次のような場合は、すぐに申し込まず、再確認する項目を整理します。

・雨漏りや漏水の履歴が分からない
・家具で見えない場所が多い
・床や壁に気になる状態がある
・境界や越境の資料がない
・修繕費の見積もりが必要
・未交換設備の範囲が分からない
・ホームインスペクションを検討したい

人気物件であっても、何を、誰が、いつまでに確認するのかを決めます。

回答を得られないまま、焦って判断する必要はありません。


見送りも考えたい状態

次の状態に該当する場合は、見送りも選択肢になります。

・質問しても確認や回答を得られない
・必要な修繕を加えると予算を超える
・駐車場や周辺環境が見送り基準に該当する
・後から変えにくい条件が家族に合わない
・夫婦のどちらかが大きな不安を抱えている
・不明点が残ったまま、急いで決断しなければならない

気になる場所があるだけで、購入を見送るべき住宅とは限りません。

一方、調べても不明点が解消できない物件を見送ることも、住宅購入の失敗を防ぐ判断です。


中古住宅の内覧でよくある質問


Q.内覧にはどのくらい時間を取ればよいですか?

物件の広さ、居住中か空き家か、設備を動かせるかによって変わります。

外回り、室内、水回り、質問まで終えられる時間を確保し、同日に多くの物件を詰め込みすぎないようにしましょう。


Q.収納を開けたり写真を撮ったりしてもよいですか?

空き家であっても、売主や担当者の許可を取ります。

居住中の物件では、私物を撮影しない、家具や荷物を無断で動かさないなどの配慮も必要です。


Q.床の傾きやひび割れがあれば見送るべきですか?

床の傾きやひび割れを見つけただけで、購入を見送るべき建物とは決められません。

場所、程度、原因、過去の修繕、必要な工事を確認し、専門家の見解と費用を含めて考えます。


Q.ホームインスペクションはいつ相談しますか?

最初の内覧後、購入候補として残った段階で仲介会社に相談します。

売主の許可や調査会社の日程があるため、契約直前まで待たずに確認するのが現実的です。


まとめ|内覧では見た目より、購入後に困る場所を見る

中古住宅の内覧は、すべての不具合を購入者自身が見抜くために行うものではありません。

優先して確認したいのは、次の15項目です。

・基礎
・外壁
・屋根、雨樋、軒天
・境界、越境、擁壁
・駐車場、接道、水はけ
・床
・壁、天井
・窓、ドア、建具
・結露、カビ、におい
・日当たり、風通し
・収納、家具配置、生活動線
・キッチン、洗面台下
・浴室、脱衣所、トイレ
・排水、換気、水圧
・給湯器、配管、未交換設備

気になる場所を見つけたら、その場で原因や安全性を断定せず、記録し、質問し、書類を確認したうえで、必要に応じて専門家に相談し、費用まで整理します。

内覧で見る場所が分かっていても、予算上限、必要な現金、希望条件、周辺相場、申し込み基準が決まっていなければ、良い物件が出た日に判断できません。

家探し全体の準備を順番に整理したい方は、良い物件が出た日に迷わない家探しの準備|物件を見る前に整える6つのことも参考にしてください。

住宅ローン、予算上限、必要な現金、相場、夫婦の条件、申し込み・見送り基準を、自分たちの数字に落とし込む方法をまとめています。


内覧で見る場所が分かっても、申し込めるとは限りません

内覧で確認する場所が分かっていても、良い物件が出た日に申し込めるとは限りません。

実際の購入判断には、

・住宅ローンの準備
・無理なく払える予算上限
・契約時までに必要な現金
・周辺相場
・夫婦で譲れない条件
・申し込む基準と見送る基準

まで整理しておく必要があります。

内覧後に気になる点を確認できても、予算や条件が決まっていなければ、「この物件を買ってよいのか」という判断は残ります。

「良い物件が出た日に迷わない家探しの準備」では、住宅購入について集めた知識を、自分たちが買うか見送るかを決めるための判断基準へ変える方法をまとめています。

資金準備、条件・夫婦判断、相場記録、内覧・申し込み確認の4つのシートと記入例を使い、今の状況に合う1枚から進められます。


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