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動物園サイドストーリー図鑑#2/他責ゴリラの“爆速責任転嫁術”講座

動物園の職場で、ひときわ存在感を放つ男がいる。
他責ゴリラ──ゴリ蔵だ。
今日はなぜか読者に向かって、“仕事の流儀”を語り始めた。

■ ゴリ蔵の爆速責任転嫁術講座#1「責任転嫁は“技術”なんだよ」

おう、そこの読んでるお前。

仕事ってのはな、
“誰が悪いか”をいかに早く見つけるかで決まるんだ。

もちろん俺は悪くない。
俺が悪いわけがない。

例えば資料が間違ってた?
それは“渡された時点で間違ってた”んだよ。

確認?
そんなのは“確認しろって言われなかった側の責任”だ。

■ ゴリ蔵の爆速責任転嫁術講座#2「責任転嫁のコツは“先に言う”ことだ」

責任転嫁ってのはな、
後から言うと“言い訳”になる。

でも先に言えば“事実”になるんだよ。
会議で資料がズレてたらこう言うんだ。

「これ、昨日の段階でズレてたんですよね〜」
堂々と、落ち着いて、当たり前のように。

すると不思議なことに、周りが「そうなんだ…?」ってなる。
人間って単純だよな。

■ ゴリ蔵の爆速責任転嫁術講座#3「“自分は被害者”の顔を作れ」

責任転嫁の極意は表情だ。

まず困った顔をする。
次にため息。
最後に「いや〜参りましたよ」で締める。

これだけで、
“俺は悪くないのに巻き込まれた人”の完成だ。

■ ゴリ蔵の爆速責任転嫁術講座#4「最終奥義──“巻き込み型”だ」

自分だけじゃ弱い。

だからこう言うんだ。
「みんなも困ってたんですよね〜」

“みんな”って誰だよって?
そんなのは聞かれなきゃOKだ。

ゴリ蔵が得意げに講座を続けていると、背後から静かな声が落ちてきた。

鹿子:……ゴリ蔵さん。
さっき貰った書類、一部記載間違ってましたよ。

ゴリ蔵:お、おう鹿子。
いや、これはだな忠犬太のやつがおっちょこちょいでミスったもので俺は──

鹿子:忠犬太に確認したら、そもそもそんな依頼を受けていないらしいですけど。メールのログも残ってないですし。

鹿子は困った顔をしながら、ため息をした後、ゴリ蔵の顔を見下ろしながら、更に続けて言った。

鹿子:こういう記載ミスあると困るんですけど、、
みんなゴリ蔵さんのミスで作業が止まると言ってましたよ。

ゴリ蔵:…………

鹿子:あと、うちの動物園のルールだと同僚に依頼する場合は上司に相談する手筈ですけど、やりました?

ゴリ蔵:……いや、その……

鹿子はゴリ蔵の言い訳を軽く聞き流し、
「はぁ」とだけ言って去っていった。


鹿子の正論パンチ

■ ゴリ蔵の爆速責任転嫁術講座#5「読者への実演(責任転嫁)ー
これが俺の生き様だ!」


鹿子が去ったあと、
ゴリ蔵は読者の方へゆっくり向き直る。

ゴリ蔵:……いや、今のは鹿子が急に来たから悪いんだよ。
……ってことで、さっきの空気悪くしたの、お前のせいな。

当然、誰も反応しない。
ゴリ蔵の叫びはただ虚しく、
フロアに響き渡っていった。

──完──

他責ゴリラのストーリー物の話はこちら会社の動物園#4『新人うさぎ、他責ゴリラの“責任転嫁パンチ”を食らう』|組織動物園ラボ

次のサイドストーリーの話はこちら動物園サイドストーリー図鑑#3/中堅犬の休憩室のゆるゆる10分間|組織動物園ラボ

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