【創作大賞2026お仕事小説部門応募作】🦥会社の動物園 #6.1『新人うさぎ、丸投げナマケモノの“仕事押し付け&奪取のWタックル”でノックアウト寸前』
👆この動物園ストーリーの最初の話
🟨 あらすじ(約300字)
新人うさ太郎は、初めて鹿子から“成果につながる仕事”を任される。
しかしその矢先、ナマ助が「忙しい」と言いながら仕事を丸投げし、
さらにうさ太郎の案件を“代わりにやる”と奪っていく。
「助けるふり」で成長機会を奪うナマ助の策略に、
うさ太郎は言葉を失い、机の上の書類を見つめるしかなかった。
これは、職場で起きる“優しさの皮をかぶった支配”を描く前編。
次回、姉御肌の鹿子が静かに立ち上がり、
ナマ助の“仕事奪取タックル”に正論パンチを放つ──。
🟫 キャラ紹介
うさ太郎 :新人のうさぎ。真面目で不器用。押し付けられると断れず、仕事を抱え込みがち。
鹿子(しかこ): 姉御肌の先輩鹿。冷静な判断力と“静かな圧”で、部下や後輩を守るタイプ。
ナマ助 :ナマケモノの先輩。面倒な仕事を新人に丸投げしがちで、責任回避の言い訳が多い。

🟪【ストーリーの本編①】
■シーン1:姉御肌の先輩の登場
朝のオフィス。
うさ太郎がパソコンに向かっていると、後ろから軽い足音が近づいてくる。
鹿子(しかこ):おはよ、うさ太郎。昨日、ちゃんと寝れた?
うさ太郎:あっ、鹿子さん。はい、なんとか……!
うさ太郎(心の声):
「鹿子さんは、入社してからずっと気にかけてくれる“姉御肌の先輩”。
厳しい時もあるけど、いつも僕の味方でいてくれる人だ。」
鹿子はうさ太郎の机に肘をつき、にこっと笑う。
鹿子:
今日は、あんたに“ちょっといい仕事”を任せるよ。
うさ太郎:えっ……僕にですか?
鹿子:そう。小さい改善提案だけど、
ちゃんと成果になるし、上の評価にも繋がるやつ。
うさ太郎の耳がぴんと立つ。
うさ太郎:や、やってみたいです!
鹿子:その意気。
困ったらすぐ呼びな。あたしがフォローするから。
うさ太郎(心の声):
「鹿子さんが任せてくれた仕事……絶対に成果を出したい……!」

■ シーン2:ナマケモノの先輩、自分の仕事を丸投げ出来る獲物を発見
うさ太郎が改善提案の資料を作り始めて数分後。
背後から、ゆっくりした足音が近づいてくる。
ナマ助:うさ太郎く〜ん、これお願いねぇ〜。
僕、今日忙しくてさ~
ついさっきまでナマ助は他の同僚と雑談をしており、
“忙しい”という言葉とは裏腹に、
その様子には余裕しか感じられなかった。
しかし、うさ太郎はそれを指摘することができず、
ただ曖昧な笑みを浮かべるしかなかった。
うさ太郎:あっ、すみません……今日は自分の案件が詰まってて……
初めて成果が出そうな案件なので……
ナマ助:えぇ〜〜〜……そうなんだぁ〜……
成果につながらない雑務を大量に振られそうになり、
うさ太郎の顔が引きつる。
その横でナマ助は、少し考えるような顔をしたかと思うと、
急にニコニコと笑いながら言った。
ナマ助:じゃあさ〜、うさ太郎くんのその案件、
僕がやってあげるよ〜。
うさ太郎:えっ……?
ナマ助:大事な案件なんでしょ〜?
僕がやれば安心だよ〜。
うさ太郎くんは“作業系”に集中できるし〜。
うさ太郎(心の声)
「鹿子さんが僕を信頼して任せてくれた仕事……
期待に応えるために僕が最後までやりきりたいのに……」
うさ太郎がどう言えばいいか悩んでいる間に、
ナマ助はうさ太郎の資料をひょいっと持ち上げる。
ナマ助:これ、僕が“まとめておく”から〜。
上に説明するのは僕の方が慣れてるし〜。
うさ太郎:
ちょ、ちょっと待ってください!
これは僕が……!
ナマ助(にっこり):いつも任せてばかりで悪いから、
今回は僕が一肌脱ぐよ。安心して任せてよ(笑)。
うさ太郎はどう返せばいいかわからず、
口をパクパクさせていると──
ナマ助は資料を抱えたまま、
うさ太郎の机に別の書類をドサッと置いた。
ナマ助:でさ〜、うさ太郎くん。僕がその案件やるから、
うさ太郎くん“余裕できるよね〜?”
うさ太郎:えっ……?
ナマ助:だから〜、さっき断られた仕事、やっぱりお願いねぇ〜。
ついでにこのメール返信と、この会議準備も〜。
うさ太郎:そ、そんな……!
ナマ助:大丈夫大丈夫〜。うさ太郎くん、若いし早いし〜。
うさ太郎は机の上の書類を見つめながら、
言葉を失っていた。
🟦 【ストーリーの学びポイント】
「助けるふりの丸投げ」は“優しさ”ではなく、成長機会の奪い取りである
ナマ助のように「新人には無理でしょ?」と仕事を奪う行為は、
実際には“責任回避”であり、相手の成長の芽を潰す危険な行動。
職場では“優しさの皮をかぶった支配”が起きやすい。
👇このストーリーの次の話
👇ナマ助の図鑑シリーズ
