㉑母親の認知症(荒れ果てた家と消えた記憶…)
▶︎最初から読む:姫路への道のり-①母親の認知症
▶︎前回のお話:⑳母親の認知症(ついに訪れた限界)
施設への入所がなんとか無事に終わり、母の施設生活が始まった。
その頃の私は、実家にいた頃からずっと私を励まし支え、私についてきて最後まで一緒にいてくれた愛犬を病気で亡くし、悲しさからなかなか抜け出せずにいた。
何とか気持ちを切り替えるためにも引っ越しをしたばかりで、まだ、気持ちも生活も落ち着いていたわけではない。
それでも母が施設に入ったことでひとつの区切りがついた気がしていた。
私は母に面会へ行くことにした。
一方、入所した母はというと、施設で何度かトラブルを起こし、その度に呼び出されていた妹から、現在の母の様子を聞かされていた。
母の入所後の実家はと言うと…
玄関のドアや雨戸は外れ、壊れた水道の蛇口からは水が流れっぱなしになっていたという。
怒りに任せて壊したのか、すごい力だ…。
浴室やトイレは真っ黒に汚れ、いくら掃除をしても落ちない状態だった。
見栄を張って、ヘルパーさんには掃除をさせなかったらしい。
築50年ほどの古い家ではあったが、これまで何度も玄関や水回りのリフォームをしてきた。それが、とても人が住めるような状態ではなくなっていた。
「もう誰の判別も付かなくなっているよ」
そう言われた。
けど、私の事はわかるのではないか。そんな気がした…
▶︎次回のお話はこちら
㉒母親の認知症(面会の日)
