予約が入っただけでは、まだ来店は確定していない
予約時間を10分過ぎても、お客様が来ない。
電話も鳴らない。LINEも来ない。準備したセット面と、空けておいた2時間だけが残る。小さな美容室をやっていれば、一度は経験があると思います。
予約通知が入ると、肩の力が少し抜けます。新規予約が入った、LINEから問い合わせが来た、HPBから通知が届いた。そのひとつひとつが売上につながるので、画面に予約が見えた瞬間に安心したくなる。よくわかります。私もそうでした。
でも、有料記事でも少し書きましたが、予約が入ったから来店してくれる、これは幻想です。お客様が店に来て、椅子に座ってくれるまでが導線です。今日はその「予約後」の話を書きます。
予約は、仮押さえに近い
店側からすると、予約したんだから来るだろうと思います。私も昔はそう思っていました。予約が入れば一安心、あとは当日カウンセリングすればいいと。
でも新規のお客様にとって、予約はまだ仮押さえに近いところがあります。
初めて行く店。初めて会う美容師。料金は思ったより高くならないか。メニューはこれで合っているのか。駐車場はどこか。店側が思っているより、お客様は来店前にいくつも小さな確認をしています。
ひとつひとつは小さい不安です。でも小さい不安がいくつか重なると、来店前の気持ちは下がります。キャンセルするつもりじゃなかったのに、なんとなく面倒になる。場所がわかりにくそうで、気が重くなる。あの無断キャンセルの何割かは、たぶんこうして生まれています。
では、その不安はどこにあるのか。実は、だいたい決まっています。
予約後の不安は、8つに決まっている
新規のお客様が予約後に不安になるポイントを、うちで起きたことから並べると、こうなります。
・場所がわかりにくい
・駐車場がわからない
・メニューが合っているか不安
・料金が思ったより高くならないか
・所要時間がわからない
・担当者がどんな人かわからない
・キャンセルや変更の連絡方法がわからない
・当日、何をして行けばいいかわからない
逆に言えば、この8つを予約確定の案内で先に消しておけばいい。
うちの場合、一番効いたのは駐車場でした。地方の店なので、ほぼ全員が車で来ます。予約確定の返信に、こんな2行を足しました。
「駐車場は店舗前に〇台ございます。ミニバンでも停められます」
「場所に迷われたときや、ご変更の際は、お気軽にお電話ください(XXX-XXX-XXXX)」
この2行だけで、当日の「場所がわからない」という電話が減り、来店前の空気が変わりました。メニューや料金の不安には「メニューは当日のカウンセリングで髪の状態を見てから、料金とあわせてご確認いただけます」の一文が効きます。決め打ちで進めない、と先に伝えておくだけで、新規のお客様の緊張は一段下がります。
何を送るかではなく、お客様が何を不安に思っているかから逆算する。予約確定の文面は事務連絡ではなく、その店がどんな距離感で対応してくれるのかを感じる、最初の接客です。
オーナーだけが丁寧でも、仕組みにならない
もうひとつ、現場でよく起きるズレがあります。
オーナーがいる日は丁寧に案内できる。でもスタッフだけの日は伝え忘れる。電話では言えたのに、LINEでは送れていない。人によって案内が違うと、お客様も現場も迷います。
だから、スタッフが数名いる店なら、よく使う案内だけはそろえておいた方がいいです。
・LINEの返信文
・電話予約で最後に伝える項目
・駐車場と道案内の説明
・遅刻、変更、キャンセル時の案内
難しいマニュアルは要りません。短いメモやLINEのテンプレートで十分です。うちでは、よく使う文面をスタッフ全員のスマホからすぐコピーできる場所に置いてあります。誰が対応しても同じ案内が出てくる。それだけで、店全体の安心感が変わります。
それと、案内をどれだけ丁寧にしても、Googleマップの情報が古いと不安は残ります。営業時間、外観写真、駐車場の写真。予約したお客様は、来店前に地図をかなり見ています。LINEの文面と地図情報はセットで、来店前フォローの一部です。
今夜やるなら、この2行だけ
予約前の導線の話は、これまでに書いてきました。広告、LP、LINE、Googleマップ。でも、予約が入った後の流れが雑だと、せっかく入った予約がぽろぽろこぼれます。入口だけ増やして、出口の手前で落とす。一番もったいないパターンです。
最初の一歩は、これだけでいいです。
自分の店の予約確定の返信文に、「駐車場の案内」と「迷ったとき・変更したいときの電話番号」の2行を足す。
たった2行ですが、さっきの8つの不安のうち3つくらいは、これで消えます。文面全体を作り直すのは、それからで間に合います。
予約通知を見て安心するのは、まだ少し早い。お客様が店に来て、椅子に座って、初めて本当のスタートです。
同じように「予約は入るのに当日が不安」というオーナーさんは、まず今夜、自分の店の予約確定文を読み返してみてください。お客様の目で読むと、足りない2行が見えてくるはずです
