「気にしすぎ」と言われ続けたHSPエンジニアが自己否定をやめるまで
「気にしすぎ」
この言葉を、何回言われただろう。
上司に言われた。 同僚に言われた。 家族にも、言われた。
そのたびに「そうだ、自分が気にしすぎなんだ」と思い直して、またなんとか一日をやり過ごした。
それを、5年間繰り返した。
自己責めが「習慣」になっていた
正直に言うと、ある時期から自分を責めることが当たり前になっていた。
朝、通勤中に昨日の出来事を振り返る。
「あの返答、感じ悪かったかな」
「なんで咄嗟にあんなことを言ってしまったんだろう」
誰かに怒られたわけでもない。 指摘されたわけでもない。
ただ、自分で自分を裁き続けていた。
気づいたら一日のエネルギーの半分くらいが、その「自己裁判」に使われていた気がする。
仕事のミスより、自分への責めの方がずっと長く続く。 それが普通だと思っていた。
「責める材料」をどこからでも見つけてしまう
HSP気質の人間は、情報の受け取り方が細かい。
それが職場だと、こういうことになる。
上司のため息を聞く→「自分が何かしたかな」
Slackの返信が短い→「怒らせた?」
会議中に目が合わない→「嫌われた?」
全部、自分への評価として受け取ってしまう。
頭ではわかっている。 「たぶん関係ない」って。
でも体が先に反応する。 胃がきゅっとなる。 呼吸が浅くなる。 そのまま夜まで引きずる。
これを毎日やっていた。 5年間。
「自分を責めること」が、実は一番楽だった
ここが、自分でも気づくのに時間がかかったことだ。
自分を責めることって、ある意味で楽なんだと思う。
「自分のせい」にすれば、考えなくていい。 環境を疑わなくていい。 構造を調べなくていい。 動かなくていい。
「自分が弱いだけだ」という結論は、シンプルだ。 そこで思考が止まる。
でも、その分だけ消耗が続く。 改善されないまま、また明日も同じことが起きる。
自己責めは楽に見えて、一番じわじわと体力を奪っていく行為だった。
やめるきっかけは、「数字」だった
ある日、ふと思い立って自分の還元率を計算した。
還元率というのは、会社が客先からもらっている単価のうち、自分の手元に残る割合のことだ。
計算してみたら、30〜40%台だった。
同じスキルで、会社が違うだけで手取りが月10万以上変わる。
その数字を見た瞬間、何かが静かにズレた感覚があった。
「あれ、これって自分のせいじゃない」
これが、自己責めの外に初めて出た瞬間だったかもしれない。
消耗していたのは、自分が弱いからじゃない。 単価が低かったのも、スキルが足りないからじゃない。
構造の問題だった。
責めるのをやめたら、見えてきたもの
自分を責めることをやめると、視界が変わる。
「自分がダメだから」という結論が消えると、代わりに「じゃあ何が問題だったのか」という問いが出てくる。
環境が合っていなかった。 会社の構造が自分に不利だった。 そういう事実が、初めてちゃんと見えるようになった。
繊細さは弱さじゃなかった。 ただ、繊細さが消耗する場所にずっといただけだった。
それが分かったとき、「動こう」と思えた。 初めて、自分のために。
この記事を読んでいるあなたへ
もし今、自分を責め続けているなら。
一度だけ、立ち止まって考えてみてほしい。
「これは本当に自分のせいか?」
答えはたぶん、ノーだと思う。
繊細さのせいじゃない。 気にしすぎのせいじゃない。 メンタルが弱いせいじゃない。
合わない環境に、合わない構造の中に、ずっといるせいだ。
HSPは個性です。 繊細であることは、弱さじゃないです。
自分を責めるのをやめた先に、ようやく動ける場所がある。 自分はそこに、1年かけてたどり着いた。
もし「環境を変えることを具体的に考えてみたい」と思ったなら、プロフィールにある記事も読んでみてください。自分が実際にやったことを、全部書いています。
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