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AIの「対象です」を信じる前に。公募要領の根拠を探す聞き方

公募要領をAIに渡して、「うちの設備は対象になりますか」と聞く。すぐに答えが返ってくると、少し安心します。

ただ、その回答をあとで確かめようとして、どのページに書いてあったのか分からなくなる。これでは、読み直す手間が残ります。

僕なら、最初に「対象ですか」とは聞きません。「どの資料の、どの場所に判断材料があるか」。原本へ戻れる答えを作るところから始めます。


まず、同じ資料を見ているか

AIへ渡す前に、制度名、公募回、資料名、更新日を手元に残します。PDFだけ保存すると、あとで公式サイト上の最新版と同じか確かめにくくなるので、ダウンロード元のURLも一緒に。

2026年9月8日の確認時点では、公募要領は第8回、更新日は8月18日。応募申請の手引きと電子申請マニュアルも第8回の欄がありますが、いずれも「準備中」と表示されています。一方、交付申請には第6回などの資料も並んでいます。同じ公式ページにあるからといって、すべて同じ公募回の資料ではありません。

たとえば、中小企業省力化投資補助金・一般型の資料ダウンロードページには、公募要領、応募申請、交付申請など、手続き別に資料が並んでいます。

自分が進めている手続きと公募回に合うものを選びます。準備中の資料については、別の回の様式をそのまま使えると決めつけない。ここはAIへ渡す前に確認しておきたいところです。

要約より先に、場所を挙げてもらう

最初から全体を要約してもらうと、いま必要な条件が他の情報に埋もれがちです。質問を一つに絞ると、自分で点検する量も減ります。

たとえば、設備の発注時期を調べたい場合。次のように聞く方法があります。

添付した公募要領から、設備の発注・契約の時期に
関係する記載を探してください。
いまは自社が対象になるかを判定しないでください。

最初に、読み取れた制度名・公募回・資料名を示してください。
次に、関係する箇所ごとに以下を示してください。
・章や節の見出し
・冊子に印字されたページ番号
  (分からなければ「確認できない」と記載)
・確認に必要な短い原文
・その記載から分かること、まだ分からないこと

条件、例外、参照先があれば省略しないでください。
読めない箇所や見つからない根拠を補わないでください。

これは質問文の例です。特定のAIで正確に抽出できることを保証するものではありません。画像のPDFなど、文字や表をうまく読み取れない資料もあります。

ページ番号が出ても、確認は終わらない

回答を受け取ったら、PDFを開いて同じ見出しを探します。画面に表示される「何枚目」と、冊子に印字されたページ番号はずれることがあります。見つからなければ、短い原文の一部をPDF内で検索します。

  1. 挙げられた文章が、原本に本当にあるか。

  2. 前後に条件や例外が付いていないか。

  3. 表の注記や別の節への参照を飛ばしていないか。

ここで原文が見つからないなら、その回答は判断の根拠に使わず保留にします。ページ番号が付いていることと、正しい場所を示していることは別です。

原本で確認できた記載は、自分の言葉のメモと混ぜずに残します。「資料に書いてあること」「自社の状況」「確認が必要なこと」の三つに分けると、あとで見返せます。

最後に、自社の質問へ戻る

資料上の条件が分かってから、手元の発注日、契約の有無、設備の使い道と照合します。自社の情報が足りないのに、AIの答えだけで対象・対象外を決めるのは早いと思います。

判断がつかないときは、「○回の公募要領の○節にある記載と、この契約状況について確認したい」と質問を具体化する。事務局へ問い合わせる場合も、単に「使えますか」と聞くより、論点をそろえやすくなります。

AIを使うときに残しておきたいのは、きれいな要約だけではありません。あとで自分が同じページを開き、なぜそう考えたかを確かめられるメモです。


この記事は資料の確認方法を扱うもので、個別の申請可否を判定するものではありません。制度を使う際は、その時点の公式資料と案内を確認してください。

候補を探す前の整理は、補助金候補が多すぎる。AIで3件に絞る5つの条件で扱っています。

補助金を調べるときの確認ポイントやAIの使い方は、X(@kawaguchi_keiei)でも発信しています。短い投稿で読みたい方は、こちらもどうぞ。

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