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【ゲームアイテム考察8】ペルソナシリーズにおける「スナフソウル」は魂が喜ぶ匂い

やあ俺だ。

ゲーム「真・女神転生」シリーズの派生として、今やアトラスの看板タイトルまで成長した「ペルソナ」シリーズ。

ユング心理学において提唱されたペルソナ=「仮面」という心理学用語を冠しているためか、その作中の空気はシリーズ通して重苦しい。

そもそも心理学とは人間性そのものの研究とも言える。
重苦しく、リアルな人間関係がゲーム中に反映されているのは、ある意味必然とも言えるだろう。

一方で、3からはスタイリッシュ性とジュブナイル感が更に強調され「センスのいいオシャレなゲーム」への変貌を遂げた。

俺もペルソナシリーズは3からプレイしたクチだが、4、5とナンバリングを経るごとにBGM,グラフィック表現の自由度もあってか、更にオシャレになっている印象がある。

そのペルソナシリーズもやはりRPG。
回復アイテム、消費アイテムの概念が存在する。

その中に「スナフソウル」というSP回復アイテムがあるのはご存知だろうか?

よくよく考えてみると「何だコレ?」とは思わないだろうか。

「ただのSP回復アイテムでしょ」

その通りだ。
ストーリー上、重要になるアイテム、というわけでもない。

それだけのものだ。でも、それだけで終わらせては面白くない。

今回は「スナフソウル」というアイテムを考察する。
解き明かすプロセスとしては、
・SPとはなにか?
・他のSP回復アイテムとの共通点とはなにか?

の順に紐解いていく。

その次に本題の「SP回復という行為」を2つの視点
・宗教的な視点
・動植物的な視点

を交えて考察してみようと思う。

結論から言えば、
「SP回復とは、魂の回復」であり、
「SP回復とは匂いを取り込むこと」であったのだ。

コーヒーやバニラシェイクでも飲みながら、気分転換がてらに読んでみて欲しい。




SPとはなにか?

このゲームにMP(マジックポイント)は存在しない。
代わりのポジションとして存在するのがSP(スピリットポイント)だ。

作中では、このSPを消費してキャラクターのペルソナを顕現させ、力を行使する。当然SPが尽きれば、対応ペルソナのSPを消費して放つスキルは使用できなくなるという仕組みになっている。
この仕組みを解き明かすために「ペルソナ」の元ネタに少し触れておこう。

「ペルソナ」とはユング心理学において「自己の外的側面」として定義されたものだ。

外的側面=対外的な自分=他者と関わる時の「仮面」という意味だが、これ自体に善悪の概念はない。

人間はこのペルソナをかぶることで、周囲に適応することができる、言わば社交性のツールとする。
同時にかぶることができないと、自身、あるいは周囲が苦しむという側面もある。

作中では、いずれの主人公たちも中高生、いわゆる思春期であり、自己と他者との認識ギャップや、自己否定によって苦しんでいる。
これはペルソナ形成を経て、人間として適応、成長するという観点からも、ごく自然にペルソナを作中に落とし込んでいて、本当に見事だと思う。

さらに踏み込むと、
・ペルソナ1、2は「未知への恐怖と後悔」
・3は「死の恐怖」
・4は「日常が崩壊する危機感(あるいは守ろうとする正義感)」
・5は「理不尽な社会に対する強烈な怒り」

であり、いずれも「魂が動かされるほどの感情の揺さぶり」がキートリガーとなっていることが分かる。
これは肉体的な変化というよりも、精神的というには生ぬるいほどの「魂に刻み込まれたトラウマ」が特殊能力・ペルソナを生むのだと示されているのだ。

よって、MP(マジックポイント)というよりは、魂の残量たるSP(スピリットポイント)が適するのはかなり腑に落ちると言えるのではないか。

ペルソナシリーズは、魂を肯定している。
魔法なんていうファンタジーではなく、魂こそリアルなのだと。
それは強烈な人間肯定とも言えるのではないだろうか。


SP回復アイテムの共通点

さて、SPとペルソナについて書いてきたが、今回の本題アイテム「スナフソウル」について紐解いていこう。

スナフソウルとは、Snuff(嗅ぎタバコ)Soul(魂)であり、直訳すると「魂の嗅ぎタバコ」となる。

いくら鼻をひくつかせてもイマイチ分かりそうにないので、他のSP回復アイテムとの共通点から探ってみよう。

「~ソウル」が付くアイテムは他にもある。
ソウルドロップ、チューインソウル、ソウルフード。これらはSP回復量に違いはあれど、いずれもSP回復アイテムであり、スナフソウルもこのグループに属する。

他のアイテムとしては、
ペルソナ5における喫茶ルブランのコーヒー、ルブランのカレー、チョコ、あるいは他スイーツ系となっている。

あなたは、これらのアイテムに共通している点はなんだと思うだろうか?

おいしいもの!と答える人もいるかもしれない。
確かに、俺もそう思う。

でも、もっと突っ込んで言えば、これらは「匂いが強いもの」ではないだろうか?

次はSP回復アイテムたちの本質に迫っていこう。


考察①仏教における考え方「香食(こうじき)」

自身の家が檀家に属している、という人はかなり減ってきたと思うが、故人をしのぶ場、すなわちお葬式やお仏壇への祈りの習慣はまだあるように思う。
仏教式であれば、お線香や抹香を焚き、煙にむせる思いもした人もいるのではないだろうか。

仏教において「香食(こうじき)」という考え方がある。

肉体を失った故人にとって、いい香りとは上質な食事であるという考え方だ。
ゆえに、線香や抹香を焚く行為は、仏教的には故人への豪華な食事を献上しているのだ。

言い換えるのであれば、それは「魂は香りを食する」ということになる。

つまり、SPゲージが魂の残量である以上、香りが強いアイテムを摂取しSP回復=魂を回復という過程は、仏教的視点から見ればなんら矛盾はないのだ。


考察②いい香りってなに?

では、「いい香り」とは具体的になんだろうか?

仏教であればお線香だが、人によってはいい香りと感じない人もいるのではないだろうか。

香食の考え方から察するに、やはり魂にとって「いい香り」でなければ効果は薄いように思う。

魂とは、元をただせば人間である。

しかし人間であるがゆえに、「いい香り」の条件は厳しくなるのではないだろうか。

つまり「好き嫌い」だ。

たとえば、パクチーはどうだろう。
人によって、かなり差が出ることは想像しやすい。

同じように苦手な香りを嗅いだ魂が、元気になるとは思えない。

であれば逆説的に、誰にとってもいい香りでなければならない。
すなわち「いい香りの最大公約数」を求める必要があるのだ。

その上で改めてSP回復アイテムを振り返ると、コーヒー、カレーはいずれも「いい香り」として受け入れやすいもののように思える。

では、本題のスナフソウル。

これはどんな香りであるべきだろうか?

ヴァニリン、という成分がある。

驚くべきことに、この香りは哺乳類が「いい香りだ」と、本能に訴求する成分が含まれている香りだという。
もともとは植物が種を遠くへ運んでもらうために、哺乳類をターゲットにした生存戦略であるのだが、今日においてはその香りはあらゆるところで我々の鼻に届く。

それがバニラである。


哺乳類の本能に届く「いい香り」。
間違いなく最大公約数と言えるのではないか。

よって、スナフソウルはバニラフレーバーの嗅ぎタバコであると思われる。


“全ての人の魂の詩”

ペルソナとは人間の魂であり、SPゲージとは魂の残量であった。
その上で、
考察①において、仏教の香食という考え方から、魂はいい香りを食べることで回復することが見えた。
さらに
考察②において、その香りは万人(なんだったら動物にも)に受け入れやすい香りである必要があり、それはバニラであると結論付けた。

スナフソウルは「嗅ぎバニラ」。
中高生が非行に走らない結果になり、心底安心している。
(スナフ=嗅ぎタバコではあるのだが・・・)

ペルソナシリーズが人気な理由。
それは見た目のキャッチーさだけではなく、強烈な魂の人間賛歌が我々プレイヤーの魂まで届いているからかもしれない。


ここまで読んでくれて、本当にありがとう!
また次の記事でお会いしましょう!

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①DOD考察

②ゲームアイテム考察シリーズ


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