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ドラッグオンドラグーン(DOD)解説と考察ー愛とは、狂気ー

やあ天使の俺だ。

人生で誰しも一度は罹患する中二病。貴方も罹ったことがあるはずだ。
はっきり言うが、国はワクチンを考えたほうがいいレベル。

ちなみに、貴方の中二はどこから?僕はドラッグオンドラグーンから!
ということで、俺の中二にジャストで出てきたゲームソフト、ドラッグオンドラグーンについて語っていきたいと思う。
シリーズ通しての共通点についても考察しているので、是非最後まで読んで欲しい。


追記:
DOD2についての解説と考察の記事も書いた。
考察は薄めで、キャラクターの魅力を語っているよ。
興味があればぜひ!




ゲームソフト「ドラッグオンドラグーン」の概要

ドラッグオンドラグーン(DOD)は2003年9月にスクエア・エニックスから発売されたPS2ゲームソフト。ゲームとしては地上戦と空中戦があり、地上戦では無双系アクション、空中戦では3Dシューティングの要素を同時に備えた挑戦的なタイトルだった。
しかしそれ以上に、ダークすぎる世界観と狂気満載のキャラ設定、謎を残したままの考察余地があることがゲーム性以上に挑戦的であり、今日でも多くのファンを魅了し続けている。
肝心のゲーム性に関しては、地上戦ではアクションの「もっさり感」が無双系の特徴の爽快感を殺してしまっており、空中戦では操作性が独特なためとまどうプレイヤーも多く、とても良好なゲームプレイとはいかない。
しかし地上戦中にもドラゴンにシームレスに騎乗し、その圧倒的な力で地上にいる敵兵士を一方的に殺戮する、空中戦においてはロックオンからの火球発射の爽快さなど、慣れてくればクセになる楽しさがある。


世界観とキャラ設定

世界観

中世ベースの剣と魔法のダークファンタジー、とまとめてしまえば簡単だが、それ以上に深い世界観なのがこのゲームの特徴だ。
まず「契約」という概念がある。これは人間が人外種族と互いの心臓を交換することで、その命を一蓮托生としお互いが強大な力を得るというものだ。
また人間側は、自身が「最も大切にしている部分」に契約の紋章が刻まれることにより、その部分の機能を喪う。

次にこのゲームの世界は、「神」と呼ばれる世界の創造者に支配されているということ。
「神」は自分の思う通りの世界にならなければ破壊し、その世界の人々は全て殺害。そして新たな世界を作り直すことを続けている。現実で俺たちが想像する「神」そのものだ。
ドラッグオンドラグーンのキャッチコピーの「抗え。最後まで。」は、「圧倒的で勝ち目のない神への反逆」であると同時に、「最後まで抗っても、何も変わらない」という絶望の物語であることを指している。


キャラクター

・カイム(CV:池畑慎之介) 武器:剣 契約相手:レッドドラゴン
元は小国の王子だが、目の前で両親がブラックドラゴンに殺害され、国は荒廃。亡国の王子となる。
実妹のフリアエと共に、流浪の旅を続けるも、フリアエの身体に「世界をつなぎ止める」お役目の証である「オシルシ」が顕れ、フリアエは即教会騎士団に保護、監禁状態にされる。
両親を殺されと妹を奪われたことからカイムの精神は崩壊寸前であり、フリアエの殺害を目論む帝国軍との戦いに明け暮れることでなんとか自我を保っている。
と、見せかけて実は殺人に快楽を感じている激ヤバなやつ。こいつが主人公という時点でかなり狂ったゲームなのはお分かりいただけるだろう。人外種族の中でも、「神」に次いで強大な種族であるドラゴン族のレッドドラゴンと契約している。
契約者代償として「声」を喪っており、契約紋章は舌に刻まれている。

・フリアエ(CV:初音映莉子)
カイムの実妹。身体に「オシルシ」が顕現したことで、世界をつなぎ止める「女神」として選定される。実兄のカイムに懐いているが、実はカイムを男性として見ている実兄ガチ恋勢。世界の破壊を目指す帝国軍から命を狙われている。

・レッドドラゴン(CV:ピーター)
本作ヒロインのドラゴン。カイムと同じ人が声を当てているが、ゲーム中では表記を変えている。これは本来の名前である池畑慎之介で男性としてのカイムを、カイムと契約し声を喪ったカイムの代行として話す女性としてのレッドドラゴンにピーターとして臨むという姿勢だろう。
ドラゴン族はかつて世界をめぐって「神」と熾烈な戦いを繰り広げるも敗北、「神」に逆らえないよう本能に服従を刷り込まれている。
めちゃくちゃ強いし、最終的にカイムにデレデレになる。最終兵器彼女みたいなやつ。

・レオナール(CV:山寺宏一) 武器:鞭(べん) 契約相手:フェアリー
カイムの旅の同行者となる一人。敬虔な聖職者だが、幼い男児に性的興奮を覚えるタイプ。そんな自分を恥じて隠者になったが、幼い弟達と共に隠れ住んだのでおそらく本人はめちゃくちゃ楽しんでたと思う。
武器は棒のような鞭(べん)。これは籠手と連結されており、この鞭で敵をしばくと籠手内部に仕込まれているトゲがレオナールに刺さる仕組みとなっており、聖職者として暴力を戒める意味がある。が、本人が極度のマゾヒストなのでご褒美らしい。気持ちよくなってて気持ち悪い。
自宅の裏で隠れて一人で耽っていたら、襲撃してきた帝国兵に家を焼かれ弟達を殺される。それでも目が離せなくて苦しみながらよがっていた時に、異種族中最も性格の悪いフェアリーと契約してしまう。契約代償は「視力」。契約紋章は眼球に刻まれている。ファンからは「何故か」、オナール兄さんと呼ばれている。

・アリオーシュ(CV:林原めぐみ) 武器:大鎌 
 契約相手:サラマンダー・ウンディーネ

カイムの旅の同行者となる一人。超絶美人なエルフのお姉さん。でも最初からガンギマりで話が通じない。
目の前で帝国兵に夫と子供を殺害され、復讐のために帝国兵、一般の人々を問わず殺戮を繰り返し、自らは牢屋に投獄される。
投獄され瀕死の際にウンディーネとサラマンダーが現れ契約。しかし契約代償として自らの子宮を喪い、二度と子供を持てなくなったことで完全に精神が崩壊した。
そんな経緯から、子供に対して異常な執着を見せ、「殺されないように自分の体内に戻してあげる」という気持ちから子供を見つけては殺害し食べる行為を繰り返し行っている。
契約代償は「繁殖」。契約紋章は子宮に刻まれている。

・セエレ(CV:村上想太) 武器:短剣 契約相手:ゴーレム
カイムの旅の同行者となる一人。6歳のショタ。当たり前だが、オナール兄さんとアリオーシュ姉さん二人から常に狙われている。
勇者に憧れる「良い子」だが、母親にとっての「良い子」を演じ続けることで母親の偏愛を招き、双子の妹のマナは母親から虐待を受けることとなった。ちなみにマナは帝国軍を裏から操っている黒幕であり、「神」の依り代となっている。
契約相手は強大な力を持つ精霊ゴーレム。代償は時間。契約紋章が刻まれている箇所は不明。ちなみに本来の契約は「契約者が大事にするものを代償とする」だが、このゴーレムに関しては知性が低いのか、セエレにとって大きな代償となっていない特殊なケースらしい。


キャラクターの一部を紹介したが、どいつもこいつもやばすぎることがお分かりいただけたと思う。なんでこいつらを仲間にしようとしたのか本当に理解できない。
また読んでもらっていれば気付いたかもしれないが、契約を行う人外種族達は契約者となる人間の「強烈なエゴ」にひどく惹き付けられる性質があるらしい。つまり契約者はそもそも人格が破綻している人間にしかなり得ないもの、ということになる。


考察ー本作シリーズのテーマとはー


どこを考察するか迷ったが、今回は「本作のテーマ」についての考察をしてみようと思う。

本作のテーマは「世界を救う」とか大きな話ではない。「抗う」ということは確かにテーマの一つではあるが、「ドラッグオンドラグーンシリーズ」、および世界観を共有する「ニーアシリーズ」を通してのテーマは「愛と狂気」あるいは「愛は狂気」だ。
例えばカイムは「兄妹愛」を謳いながら、その実は妹を守ることを理由にして自分の「殺人欲求」を満たしている。フリアエは「兄弟愛」また女神選定後には世界を守るための「世界愛」を掲げながら、心の中では実兄と交わりたい「愛欲」に塗れた人物だ。
レオナールは「博愛」を掲げた聖職者にもかかわらず、「性欲」を捨てきれずに溺れているし、アリオーシュは「母親の愛」「食欲」に変換している。セエレに至っては母親の「偏愛」を招き、幼いがゆえの「独占欲」丸出しの「自己愛」のかたまりのキャラクターだ。
そして、全員が人間として壊れて狂っている。この作品群は「愛と狂気(欲望)は一緒か、紙一重である」が一貫したテーマになっている。

また本作は世にも珍しいマルチバッドエンド方式を取っており、周回する毎に世界の真実が解き明かされる一方で、世界が更に悪い方向に向かっていく。「一番最初のバッドエンドがグッドエンド」というわけの分からない構造になっている。
これは本作が「どんなに強くなっても、どんなに耐え抜いても、大きな運命の輪の中では何も変えられない」という絶望の物語であることを意味している。

「愛と狂気の絶望のお話」という、到底人の心があるとは思えない本作を作り上げたヨコオタロウ氏。まさしく「神」だ。


まとめ

いかがだっただろうか。本シリーズのファンの方に何か気づきを与えられたならすごく嬉しいし。ドラッグオンドラグーンを知らない人が興味を持ってもらえれば更に嬉しい。
さすがに「今すぐPS2を用意して、このゲームプレイ部分がクソゲーな本作をやってくれ!」とは言えないが、今は幸いYouTube等の動画でストーリーを追える。
是非検索して世界観に浸って欲しい。
アートデザイン担当の藤坂公彦氏が描く、武器デザインおよびキャラデザインや鎧デザインはマジで中二心にぶっ刺さるし、凄まじく美麗なので、設定資料集も購入もおすすめしたい。
発売からかなりの時間が経過しているが、未だその「ドス黒い魅力」を放ち続けているドラッグオンドラグーンという作品。今回は熱量たっぷりで紹介させてもらった。

ここまで読んでくれた貴方に感謝を。

本当に、本当にありがとうございました!


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