【複合ジャンル】 宿題の山 《風まかせ文芸部》
にべもなく分かったフリしたピタゴラス
君はペンを頬に当てる癖
微睡みの柔い手ざわりふわふわと
午後の幕間雲に乗ろうか
あるいは
麦わらの丸みに土を敷きつめて
幼虫のベッドを作ってみよう
雲の重さを
幼虫の箱庭を
君のことを知る
そんな宿題の山だったなら
言われなくとも片っ端から
取り組んでいただろう
だからだろうか
蕎麦屋さんがペダルを漕いだ日々なんて
気にもかけない実数がある
竹林に護られている墓石には
誰の名前も書かれていない
あのお蕎麦屋さんは
出前を届けるのにどれくらい
自転車を漕いだのだろう
木漏れ陽と
竹を鳴らす風の中にある墓石は
誰のものだろう
そんな宿題の山を今
抱えている
