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仮説★人工知能への投資が経済と雇用を逆回転させる日

このnoteでは、市場に供給された現金が人工知能への投資を介して、雇用を弱くする可能性について考察するぞ。なお、他の解説系の記事と違って、妄想レベルの仮説であることに注意が必要だ。

・現金の供給量によって雇用が守られる:リーマンショック以後の常識
 リーマンショック以後のグローバル経済レジームは、危機対応的な量的緩和による雇用の保護が最大のダイナミズムであったことはコンセンサスなのだと思う。もっと具体的に言うと、不景気が始まった時に民間銀行が貸し付けられる現金の量さえ確保すれば、民間銀行の倒産リスクが下がり融資を渋らくなるので、不景気と融資の停滞の負のスパイラル(信用収縮)を断ち切れるというロジックだ。詳しい話は金融緩和を解説した別のnoteにまとめてある。

 つまり、リーマンショック以後の現代経済はめちゃくちゃ簡単に言うと、「お金を増やせば雇用が守られる」という解釈の上に成り立っていると言えるのだ。これは日米欧では少なくとも共通しているはずで、インドや中国などの新勢力も、この方針で経済を舵取りしようとする場面は多々見られる。まさしく、現代グローバル経済における最大の合意であり、ドグマなのだろう。

・人工知能やロボティクスは雇用を減らす? 
 一方で、人工知能(AI)やロボティクスが雇用を減らすのでは?という議論を、毎日のようにニュースやSNSで見るはずだ。現時点では、翻訳やコールセンターなど、AIが特に得意とする業界では明確に雇用は減っているようだ。

 米国の失業率は直近数か月でわずかに上がっているのだが、原因が人工知能と断定はできない状況のようだ。おそらくは、最近のAmazonなどの巨大IT企業の大型レイオフと、ブルーカラーの賃金上昇が、AI失業的な仮説のもっともらしさを強めているのだろう。しかし、米国のIT企業はいつだってレイオフをしてきたし、ブルーカラーの賃金上昇は高齢化とインフラ投資が大きな理由のようだから、必ずしも近年のAIの発展が影響しているとは言えないと分析している。

 一方で、イーロン・マスク氏は2025年11月のジェンスン・ファン氏らとの対談で、あと10~20年以内に人間の労働は「選択制」になると述べたのである。その意味は、人工知能とロボティクスが労働をやってくれるから、もう人間全員分の雇用は用意できないよ、ということだろう。(下の動画の9分あたり)

 当然、彼らは凄腕の経営者であって予言者ではないから、必ずそうなるわけではないはずだ。だが、ビッグテック企業は人間が労働しなくていい世界を目指しているのも、また事実なのだろう。

・逆回転レジーム:現代経済とシンギュラリティの境界
 現代経済において、「お金を増やして雇用を守る」、「増えたお金の多くはマグニフィセント7などのAI産業に投資される」の2点が主要なトレンドであることは確実だろう。そして、AI産業の最終目標はシンギュラリティであり、人間が働かなくていい世界だと言えそうだ。このnoteでは、現代経済とシンギュラリティの間に、「お金を増やすほど人工知能に投資され、雇用が減る」逆回転レジームが存在する可能性について問題提起したい。

現代経済、逆回転レジーム、シンギュラリティの図

 何が言いたいかというと、人間が働かなくてよくなる時代の手前に、投資すればするほど雇用が奪われて失業率が上がるレジームが存在しうる、ということだ。これは現代経済と逆であり、いわゆる現代貨幣理論(MMT)の想定を根本から覆す事態だろう。

 もう少し具体的に言うと、AIやロボティクスが雇用を奪うという結末の議論はよく見かけるが、その過程において金融システムが逆流するような状況が発生し、グローバル経済に大きな混乱をもたらす可能性がある。産業革命によって雇用の形態が激変した時代は人類史に存在しただろうが、雇用そのものが消失したわけではなかったはずである。だから、このようなレジームはおそらく人類は未経験で、何が起こるかの想定がとても難しい。

 現在、社員数3万6千人のNVIDIAの時価総額は、たった1社で日本全体の時価総額を上回っており、異常とも言える資本集中はすでに起きているのだろう。また、現在のAIおよびデータセンター技術の課題は、電力供給や冷却であると言われ、労働者の人数の多さは、重要なファクターではなさそうに見える。

 果たして、資金供給が雇用を守るという我々が信じてきた法則は、いつまで通用するのだろうか?

・要約
現金の供給が雇用を減らすという、現代経済とは反対の経済レジームが到来する可能性について問題提起したい。

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