見出し画像

FIRE★金額シミュレーション

このnoteでは、FIREするために、最低限必要な資産の金額について考察するぞ。

・FIREの必要資金
 多くの資産を持っていれば運用益でFIREできることはかなり広まったように思う。しかし、具体的な必要金額は意外とはっきりわからない方が多いのではないだろうか。このnoteでは、必要資金を計算してみたいと思う。

・生活費(独身の場合)
 
まず、最も単純な例である独身の場合の生活費を考えよう。生活費の項目は以下の6通りに分類できるはずだ。
 
1 国民年金 年22万円
2 国民健康保険料 年8万円(確定申告すると増えるので注意)
3 家賃
4 光熱・通信費
5 食費
6 その他雑費

 要注意なのは2つ目の国民健康保険料だろう。現状の制度だと特定口座とNISAは申告不要であり、運用益があっても最低額の年8万円しか、国民健康保険料が発生しない。にも関わらず、健康保険加入扱いなので、医療費は3割負担なのだ。

 一方で、一般口座やFX、仮想通貨、純金積み立てなどの確定申告が必要な形式で運用してしまうと、しっかり保険料の徴収対象になるから注意しよう。保険料は数百万円の運用益の場合、年齢にもよるが利益の10-15%ぐらいになる場合が多い。なお、他の税金と同じで、取り崩し金額の総額ではなくて利益分だけが保険料の徴収対象となる。

 FXなどより株の方が勝てる、という投資戦略そのものの違いもあるのだが、特定口座およびNISAは税制として非常に恵まれているシステムであることも見逃せない。

 つまり、特定口座またはNISAを使うなら、他の生活費+年金国保の年30万円が必要金額と言えるだろう。

・家賃
 最強は実家暮らしなのだろうが、全員にできる方法ではないと思うから、このnoteでは議論しない。独身でFIREする場合は、格安賃貸が一番有力な候補ではないかと思う。しかし、やはり無職だと賃貸の選択肢も少なくなるようだ。ブログなどで、無職でも賃貸の審査に通ったという話は見かけるが、これは確実に再現可能とは言い難いと思う。

 公式に、収入の審査を免除できると明言している例として、URの貯蓄基準制度(リンク先の、基準月収額に満たない場合)が挙げられる。基本制度として家賃の4倍程度の月収が指定されているが、それに満たない場合でも、家賃の100倍の貯蓄を示せば審査を通過できる仕組みだ。URの家賃は、最安の1LDKで約3万5千円程度の物件が関東・関西の両方で確認できた。さすがに築年数は古いが、鉄筋、セパレート、光回線という条件であり、単身の生活は客観的に保証されるラインであると思う。だから、独身の場合の家賃の最低ラインは3万5千円と見積もることができるだろう。

 もちろん、UR以外の格安アパートの審査を勝ち取ることができれば、さらに家賃を下げられる可能性がある。有名な例では、「FIREの聖地」と呼ばれる大分県杵築市では、家賃1万円程度で住めると言われている。しかし、URだと例えば埼玉県や大阪府でも安い物件があって、立地のメリットは大きそうである。とにかく今回の計算では、家賃は3万5千円と定義したい。

 他の選択肢としては、格安の持ち家を買ってしまう、とか、シェアハウスが考えられる。日本は人口減少で家が余り、ゼロ円物件なども出てきているようである。しかし修繕費などで数百万円はかかることが多いらしく、独身の場合はやはり賃貸が良さそうだ。シェアハウスも、全員ができる方法ではないと思うからこのnoteでは議論しない。

・光熱・通信費
 以下の項目の通りだと思う。

インターネット 月4千円(ソフトバンク・楽天など)
携帯回線 月3千円(楽天、無制限プラン)
電気代 月6千円
ガス代 月3千円
水道代 月2千円

 合計 月1万8千円 として計算する。だいたい月2万円ぐらいということだろう。

・食費
 食費はその人次第と言えばそうなのだが、独身で自炊だと月3万円ぐらいが目安ではないだろうか。今回は3万円として計算する。

・その他雑費
 とりあえず最低金額を計算するという意味で、0円とみなす。

・合計の生活費 独身の場合
 
さて、独身の生活費は以下の通りとして計算する。

家賃 3万5千円
光熱・通信費 1万8千円
食費 3万円

合計 8万3千円

年額 8万3千×12=99万6千円

ここに年金と国保の30万円を足して、
99万6千+30万=129万6千円
が最低ラインと計算できた。

ちょうど月10万円を少し超えるぐらいである。ちなみに、単身者の生活保護は月10-13万円程度とされるが、年金の支払いは免除される。

・生活費(家庭を持っている場合)
 家庭を持っている場合の生活費の計算は、なかなか難しい。そのため、インターネットで調べた平均値と、それらの一人暮らしの金額に対する倍率から、最低金額を計算するという方法を使ってみた。調査した生活費の平均値は以下の通りであった。

1人 月18万円
2人 月27万円
4人(子供二人) 月34万円 

 もっと節約できるだろ!とか、もっとかかるだろ!と思うかもしれない。それはちょっと置いておいて、一人暮らしからの変化率を計算すると、2人では1.5倍、4人では1.9倍であった。この値は結構妥当に思えるのだが、どうだろうか。この倍率を採用してみると、最低ラインの金額は以下の通りになる。

1人 年129万6千円
2人 年194万4千円
4人 年246万2千円

なお、平均値ベースだと以下の年額である。

1人 年216万円
2人 年324万円
4人 年408万円

・取り崩し率は4%ルール?
 さて、必要な生活費の最低、および平均ラインの計算が終わった。次に考える必要があるのは、運用資産の取り崩し率だ。有名な値が4%で、4%ルールと呼ばれる。個人的な考えでは4%ルールは、そこまで資産運用に詳しくなくても大失敗しないための保守的な値であり、安全圏だと思っている。

 個人的な考えでは、取り崩しの限界は8%だ。なぜなら、全世界株式の過去50年の平均リターンは約年8.21%だったからだ。よって8%が、資産を全て全世界株式で運用している場合の、統計的な根拠のある取り崩し率の上限と言えるだろう。しかし、正直8%はギリギリで攻め過ぎだと思う。勉強してリテラシーを身に着け、しっかりリスク管理した場合は6%ぐらいが実現可能な水準ではないだろうか。よって、実現可能な上限として6%という値を採用したい。

 注意が必要なのが、NISAではなく特定口座の場合、運用益の20%は税金として差し引かれるという点だ。ここが若干複雑で、元手から何%増やした状態で運用するかは人それぞれだから、数字をはっきり固定できない。適当に年利8%で10年運用してからFIREすると仮定すると、運用額は元手の約2倍になっているはずだ。その場合、運用額の半分が利益分なわけだから、取り崩し金額の実質10%が税金として引かれるだろう。しかし当然NISAを使えばここの課税が0になる。まあいろいろ変化する可能性はあるだろうが、税金は取り崩しの10%ぐらいだと思えばいいのではないだろうか。

 つまり、取り崩し率については以下のようにまとめられるだろう。安全ラインの4%、実現可能な上限ラインの6%。そして、税金は取り崩しの10%。この値を使って、FIREするのに必要な資産の総額を計算してみよう。

・FIREに必要な資産総額の計算
 例えば1人暮らしで最低レベルの生活費の場合、以下のように必要な総額が計算できる。

129万6千円÷0.9(取り崩しの税率10%)÷0.06(取り崩し率6%)
=2400万円

 なお、全部NISAだと税率10%分が不要だから、約1割の240万円少なくてもよいということになり、2160万円ぐらいになる。これは、現状のNISAの総額である1800万円に近い。つまり、NISAの総額は、運用で1.2倍ぐらいに増やせば、ギリギリ1人なら生きていけるぐらいの金額に調整されているのだろう。別の記事で、NISAは全世界株式だけで埋めるのが有効だと思っていることを解説した。それは、こういった計算に基づいて考えた戦略である。

 同じように、1人、2人、4人の場合について、最低水準および平均の生活費、取り崩し率4%および6%の計算をした結果が以下の通りである。

1人、最低 2400万円(6%)~3600万円(4%)
1人、平均 4000万円(6%)~6000万円(4%)

2人、最低 3600万円(6%)~5400万円(4%)
2人、平均 6000万円(6%)~9000万円(4%)

4人、最低 4559万円(6%)~6838万円(4%)
4人、平均 7566万円(6%)~1億1333万円(4%)

 いかがだろうか?なお、URの保証金である家賃100か月分を350万円として考慮すると、おそらくは、独身の場合の本当の最低ラインはだいたい2700万円ぐらいで、平均的な家庭を統計的には保証できるラインがだいたい1億2000万円ぐらいなのではないかと思う。

・金融危機を気にするなら、資産1.5倍
 FIRE直後にリーマンショックが来たらどうしよう・・というのは、みんなが考える問題のはずだ。全世界株式はリーマンショック、コロナショックから2年程度で復活したのだが、それでも不安にはなるだろう。リーマンショックの下落率は月足でピークから約30%、コロナでは20%程度であった。なので金融危機の悪影響の目安は、最悪に近いケースで、だいたい資産総額がマイナス30%で、0.7倍ぐらいだと思ってよいだろう。

 つまり、必要金額の1.5倍の資産を準備しておけば、金融危機で0.7倍になっても、1.5×0.7=1.05なので必要金額が維持されるということになるはずだ。

 4人、平均生活費、取り崩し4%の場合は資産総額が1億2000万円なのであった。これを1.5倍すると、1億8000万円である。ファットFIRE(充実した生活をするFIRE)の目安として、2億円という数字をよく見る。2億円あればリーマンショックが来ても平均的な家庭を維持できるということだろうから、納得のいく数字だ。

・物価高に気を付けよう
 物価が上がってしまうと、生活費も上がってしまうのでFIREに必要な金額が増えてしまう。とは言え、株式やゴールドなどのインフレ耐性の高い資産で運用していれば、資産も増えているはずである。ちょっと危険なのが、何らかの理由で日本の物価だけ大きく上がってしまった場合だ。この場合、全世界株式などの上昇率が生活費に追いつかない可能性もある。とは言え、日本は世界でも有数のデフレ傾向国家だから、過去数十年のデータからはそのような可能性は低いと推測されるが。むしろ逆に、日本の物価よりも、世界の資産価値は大きく上がってきたはずだ。

・高配当や不動産投資は期待値的には必要金額が上がるだけ
 耳が痛いかもしれないが、高配当株や不動産の統計平均リターンは全世界株式には勝てない。だから、これらの商品の運用だと必要金額の推定値が上がっていく。運用のリスクを下げるために様々な資産を混ぜることは有効であるが、その目的だと高配当株や不動産ではなく債券やゴールドが適切なはずだ。

・さらに生活費を下げられる可能性
 家賃は3万5千円と仮定したが、仮に1万円に物件の入居できたとすると、必要な総額は、6%取り崩しだと550万円も下がる。食費も3万円を仮定したが、切り詰めればきっと2万円でも生きていけるだろう。また、運用益がおよそ100万円以下の場合は、確定申告によって税金が下がる可能性もある。(所得控除があるため。しかし国保は上がるので複雑。)運用益を含めた全ての所得が年73万円以下の場合は、国保の7割免除を受けられる可能性も高いらしい。そうでなくても、全額NISA運用を実現できれば、税金はゼロだ。

 本当の下限の条件として、家賃1万円、食費2万円、税率0を仮定する。そうすると、必要な資産の総額は1460万円(6%)~2190万円(4%)となる。つまり、本当に仙人みたいな暮らしで満足ならば、1500万円がスタートラインと言えそうだ。

・要約
1人暮らしのFIREに必要な最低金額は2700万円ぐらいだろう。
限界まで切り詰めれば、1500万円ぐらいでも可能かもしれない。

平均的な家庭だと1億2000万円ぐらいだろう。
2億円あればリーマンショックが来ても、働かずに家庭を持てそうだ。

注意点は、金融危機、物価高、利回りの高い資産を選ぶ必要性など。

【他の記事も読んでみませんか?】
アラサーで数千万円の資産形成に成功した僕が経済を語るnote

★本日のAI生成画像★
幸せな家族を、ご照覧あれ!

幸せな家族のAI生成画像

免責事項
この記事は個人的な意見と分析の公開であり、断定的事実や投資助言は一切記載されていません。
この記事は経済および時事問題の解説を目的としており、特定の商品の購入や売却を推奨および助言するものではありません。
この記事は個人的な推測を公表しているだけであり、特定の商品の価格を保証する意図は一切ありません。
この記事を参考にして行った投資、運用、トレーディングなどの取引の結果について著者は責任を取ることは一切できません。


いいなと思ったら応援しよう!

相場★大好きマン★note チップで応援していただけると、狂ったように喜びます。むしろ狂います。