ターゲットを決めると、なぜ施策は選びやすくなるのか
Webマーケティングの仕事をしていると、施策の選択肢は本当にたくさんあります。
SEOをやる。
広告を出す。
SNSを始める。
ホームページを改善する。
記事を書く。
Googleマップの情報を整える。
どれも間違いではありません。
だからこそ、
「結局、何からやればいいんだろう?」
と迷いやすい。
そんなとき、予算や流行している施策を見る前に、一度確認したいことがあります。
「今回は、誰に届けたいのか?」
ターゲットを決めることは、単に対象を絞り込むためではありません。
僕は、たくさんある施策の中から、何を優先するかを決めるための基準でもあると思っています。
施策は、どれもそれなりに正しく見える
たとえば、「もっとWebから問い合わせを増やしたい」とします。
そこで施策を考えると、
「SEOを強化した方がいい」
「最近はSNSも必要だ」
「広告を出した方が早い」
「集客用のLPをつくろう」
「そもそもサイトが古いからリニューアルしよう」
いろいろな意見が出てきます。
しかも、どれも間違っているわけではありません。
問題は、正しそうな選択肢が多すぎることです。
予算も人手も時間も十分にあるなら、全部やる方法もあるでしょう。
でも、実際の仕事ではそうはいきません。
だから必要になるのが、
「何をやるか」より先に、「誰に届けたいか」を決めること。
ここが決まると、施策の見え方が少し変わってきます。
同じWebサイトでも、相手が違えば必要な施策は変わる
たとえば介護施設が、「もっと施設のことを知ってもらいたい」と考えたとします。
でも、
誰に知ってもらいたいのか
によって、優先したい施策は変わります。
入居を検討し始めたご家族なら、
Google検索やGoogleマップで見つけてもらう
費用や入居条件をわかりやすくする
施設での暮らしがわかる写真を充実させる
見学までの導線をわかりやすくする
といった施策が候補になります。
一方、求職者に施設を知ってもらいたいなら、
採用ページを充実させる
職員の仕事や職場の雰囲気を伝える
SNSで日常を発信する
応募前の不安を減らす情報を用意する
といった施策の方が優先されるかもしれません。
同じ施設でも、伝えたい相手が違えば、
使う媒体も、伝える情報も、最後にしてほしい行動も変わります。
だから「Webを強化する」という言葉だけでは、まだ施策は決められないんです。
ターゲットは、細かい人物像まで作らなくてもいい
ここで「ターゲットを設定しましょう」と言うと、
年齢、性別、年収、家族構成、趣味、休日の過ごし方……。
そんな細かなペルソナを作る話を想像するかもしれません。
もちろん、必要な場面もあります。
でも、施策を考える最初の段階なら、そこまで細かくなくても大丈夫です。
僕なら、まずは次の3つを考えます。
・誰が
・どんな状況にいて
・次にどう動いてほしいのか。
たとえば、
「親の介護施設を探し始めた家族が」
「いくつかの施設を比較している段階で」
「この施設も見学してみようと思える」
ここまで決まれば、必要な情報がかなり見えてきます。
施設の歴史を長く説明するより、費用や生活の様子をわかりやすくした方がいいかもしれない。
Instagramのフォロワーを増やすより、Googleマップの情報を整えた方が先かもしれない。
ターゲットが、施策を選ぶ基準になります。
「やる・やらない」より、「何からやるか」が決めやすくなる
ターゲットを決める一番のメリットは、施策を減らせることではないと思っています。
むしろ、
優先順位をつけやすくなること。
SEOも必要。
SNSもやった方がいい。
サイトも改善したい。
それでも、
「今回、一番届けたい人にとって何が必要か?」
と考えれば、
まずこれからやろう
という判断がしやすくなります。
マーケティングでは、新しい施策が次々に出てきます。
最近ならAIもそうですし、SNSにも新しい機能が増えていきます。
そのたびに全部追いかけていたら、時間も予算も足りません。
だからこそ、施策そのものではなく、
誰に届けるための施策なのか
という基準を持っておく。
それだけでも、流行に振り回されにくくなります。
ターゲットが決まると、見る数字も変わる
もうひとつ変わるのが、施策を実施したあとの見方です。
たとえばSNSを始めたとします。
ターゲットが曖昧だと、
フォロワーが増えた。
「いいね」が増えた。
アクセスが増えた。
という数字だけを見がちです。
もちろん、それらも大切な数字です。
でも、目的が
「施設を探しているご家族に、見学候補として興味を持ってもらうこと」
なら、本当に見たいのは、
SNSから施設ページを見てもらえたか。
見学につながる情報まで届いたか。
問い合わせや見学につながったか。
といった部分かもしれません。
誰にどう動いてほしかったのかが決まると、何を成果として見るのかも決まりやすい。
ターゲットは、施策を選ぶときだけでなく、振り返るときの基準にもなります。
迷ったら、「誰に届けたい施策か」に戻ってみる
マーケティングでは、できることが増え続けています。
だから、「何をやるか」から考えるほど迷いやすくなる。
そんなときは、
「今回、一番届けたい相手は誰だろう?」
に戻ってみる。
ターゲットを決めるのは、届ける相手を減らすためではありません。
SEO、広告、SNS、サイト改善。
たくさんある選択肢の中から、
今、何を優先するべきかを決めやすくするため。
そう考えると、ターゲット設定は少し身近なものになる気がします。
あなたが今取り組んでいるその施策、
「誰に届けるためのものか」をひと言で説明できますか?
「誰に」の次は、「なぜ」を考えてみる
今回は、ターゲットを決めることで「どの施策を優先するか」が考えやすくなる、という話を書きました。
もうひとつ、施策を考えるときに大切なのが、「なぜ、その施策をやるのか」を説明できることです。
「誰に」と「なぜ」。
この2つが整理できると、企画や施策はかなり迷いにくくなります。
