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強みが変化した、と感じた日

最近、細かいロジ周りの仕事が苦手になった気がする。

資料の細かな整合性をチェックする。 数字の辻褄を合わせる。 一つひとつ確認しながら、抜け漏れがないか見直す。

以前の私は、こういう仕事が得意だった。

「仕事が早いね。」 「丁寧だね。」

そんな言葉をかけてもらうことも多かった。

資料は、相手が次に何をすればいいかまで考えて作る。 受け取った人が迷わず動けるように、一つひとつの表現や構成を整える。

そんな仕事に、むしろ楽しさを感じていた。

ところが最近、その作業に取り掛かること自体が億劫になっている。

集中が続かない。 細かい確認がしんどい。

「年のせいかな。」

そんな言葉が頭をよぎった。


でも、不思議なこともあった。

部下との面談では、本音を引き出せるようになった。

利害がぶつかる場面でも、「じゃあ、どうすればみんなが前に進めるだろう」と考えられるようになった。

企画を考えたり、人を巻き込んで前に進めたりすることも、以前よりずっと自然にできる。

苦手になったことがある一方で、明らかに伸びたこともある。

そこで、ふと思った。

もしかしたら、衰えたんじゃない。

強みが変化したのかもしれない。


若い頃は、処理する力が武器だった。

速く、正確に、丁寧に。 自分の手を動かして成果を出すことが評価につながった。

でも管理職になり、子どもが生まれ、限られた時間の中で働くようになってから、求められるものは少しずつ変わっていった。

目の前の仕事をこなすことよりも、誰の話を聞くか。 どんな順番で進めるか。 どこで意思決定するか。

そんな「考える仕事」が増えていった。

脳の使い方そのものが変わってきたのかもしれない。


そう考えたとき、昔の自分を思い出した。

管理職のおじさんたちを見て、「手を動かしてくれたらいいのに。」

そう思っていた。

現場は忙しいのに、なんだか会議ばかりしているように見えた。

でも今なら、少しだけ分かる。

あの人たちは、サボっていたわけじゃなかった。

表からは見えないところで、 人をつなぎ、 衝突を調整し、 優先順位を決め、 責任を引き受ける。

そんな仕事をしていたのだ。

もちろん、全員がそうだったとは言わない。

でも少なくとも、「手を動かしていないように見える仕事」が確かに存在することを、今の私は知っている。


昔できたことが、前ほど得意ではなくなる日は、少し寂しい。

でも、それは同時に、別の強みが育った証なのかもしれない。

失ったものばかり数えていたけれど、 本当は、増えたものもあった。

だから私は今日を、「能力が衰えた日」ではなく、

強みが変化した、と感じた日。

そんな一日として覚えておきたい。

▼部下との面談関連の話はこちら


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