犬と猫の陰虚(水分不足)体質
獣医師の水越です
今日は中医学の話題です
陰虚体質とは、身体のはたらきに必要な三大要素(気・血・津液)の一つ、津液が不足する体質です
津液は身体を潤わせる、潤滑油のように身体の動きを助ける、熱を冷ますなどの働きを担います
生まれつきの陰虚体質もありますが、基本的に犬も猫も人も、壮年期を過ぎると老化現象として歳を重ねるごとに陰虚になっていきいます
犬の場合は痩せていて、乾燥肌で、チャカチャカとよく動く
人の場合は頑張りは効くけど電池が切れるとすごく疲れる 夜型で、痩せていて、頬が赤いことが多いです
これが陰虚体質の特徴です
高齢になると犬猫も人間も肌の張りや潤いが少なくなり、皮膚は乾燥気味でシワも多くなります
これが老化による陰虚体質です
典型的な陰虚体質の症状・特徴とその対策について
①痩せ型で、乾燥肌で白いフケが目立つ、チャカチャカとよく動くわんちゃん
典型的な陰虚タイプです
対策⑴ 水分補給をこまめに行いましょう
飲水量の目安ですが
5kg以下の小型犬なら体重×70mL(2kgだったら140mL)が1日の引水量の目標です
中型犬なら体重×60mL、大型犬なら体重×50mLです
飲水量を増やすコツですが
・水飲み場を増やす 飲水を促す
・鶏肉や野菜の煮汁(スープ)を与える
・ウェットフード、手作り食(野菜煮がオススメ)を併用する
・ヤギミルクや薄めたジュースを与える
など
対策⑵ スキンケアとして保湿しましょう
毎日1〜2回、スプレー、フォーム、ローションなどの保湿剤を使って保湿しましょう
さらに、週1回の入浴もオススメです
シャンプーのやり過ぎに注意しましょう
シャンプーは皮脂を取り除くので、やり過ぎると乾燥肌が悪化してしまう恐れがあります
お自宅で入浴すれば、洗浄効果もあるので、シャンプーの間隔を開けることができます
②高齢(10歳以上)になってから乾いた咳が増えたわんちゃん
対策⑴ 水分補給をこまめに行いましょう ➡︎①と同じです
対策⑵ 吸入しましょう
乾燥は皮膚だけでなく、身体の内側も同様です
気道(気管と気管支)の内側には潤いが必要ですが、身体の乾燥によって気道の潤いが不十分になることがあります
気道の内側が乾いていると、空気の出入り、痰などの付着、寒暖差などの刺激で咳が出やすくなります
咳がひどいと咳の刺激で気道に炎症が起こることもあります
吸入をすることで気道を潤わせることが可能です
僕がよくお勧めする吸入器はこちらです

人間用のハンディタイプの吸入器です
薬液は必要なく、水道水だけを入れて、1回5分ほど×1日2回です
部屋の湿度管理も大切です
50%前後が理想なので、10月から4月ごろには加湿器を使ってください
③全ての猫ちゃんに
野生の猫科動物は動物の肉を食べますので、猫科の猫も本来なら肉を食べて生きていきます
水を飲みますが、野生では常に水飲み場ががあるわけではなく、食べた肉に含まれる水分が貴重な水源となります
現在の家庭猫の多くはドライフードが主食ですが、あまり水を飲まない習性の猫に100%ドライフードの食生活は不向きです
ある程度水を飲みますが、ドライフードからはほとんど水分を摂れませんので水分が不足がちです
そういった食生活を何年も続けることで、徐々に陰虚体質へと傾いていくと中医学では考えます
猫に慢性腎臓病が多い理由の一つはドライフードによる陰虚体質だと考えられます
若い時から水分摂取を心がけるようにしてあげてください
1日あたり 体重×50mL以上 が目安です(4kgなら200mL)
100%ドライフードにするのではなく、ウェットフードを併用するのがオススメです
水分補給という目的でチュールをあげるのもいいと思います
水飲み場を増やす、好みの飲水スタイルを見つける(例えば、水道から飲むのが好きな猫ちゃんもいます)、水の飲み方のバリエーションを増やすなど方法もあります
犬の陰虚体質と同様、味をつけた水を与えるのも良いです
今回は中医学的な体質の一つ陰虚について書きました
典型的な体質を8つに分けて、それぞれの体質の特徴・対策をざっくりと記したnoteも書きましたので、そちらも参照してください
8つの体質を詳しく説明するセミナーも開催します(2026年6月11日20時〜開催 zoomを使ったオンラインセミナー 参加費1000円)
興味がある方はチェックしてみてください
今回は以上です
獣医師 水越健之 の自己紹介の記事です
その①
少年時代から獣医師になるまでの生い立ちを綴りました
その②
大学卒業からの獣医師としてのキャリア
その③
自己紹介(パーソナリティ)
