『上を目指さない』選択をした55歳が、AIに賭けている理由
家電量販店、通信、道具店、便利屋。いくつもの現場を渡り歩いた末に辿り着いた、いまの場所
家電量販店で店長をしていた頃のことです。
売上は安定していて、上からの評価も悪くありませんでした。次のステップとして、もう一段上のポジションを打診される雰囲気もありました。
ただ、ある日ふと思ったのです。
このまま上に行くと、自分の下で働く人たちが、たぶん不幸になる。
体力で抑え込むことはできます。数字で締め上げることもできます。でも、それをやるたびに、自分の中で何かが擦り減っていく感覚がありました。
そして、抑え込まれた部下は、いずれ私を恨むでしょう。
その日から、上を目指すことに少しずつ興味がなくなっていきました。
55歳になった今、私は AI に賭けています。
家電量販店、米軍基地の通信保守、大工道具や建築資材を扱うプロ向けの道具店、自動車部品プレス工場、便利屋。これまでいくつもの業種を渡り歩いてきた人間が、なぜ今 AI なのか。この記事は、その理由を整理するために書きました。
渡り歩いた職場
最初に働いたのはマクドナルドでした。高校1年、学費を自分で稼ぐ約束で進学させてもらった経緯があり、入学してすぐにアルバイトを始めました。
ただ、シフト制で思うように稼げず、すぐにビル清掃の深夜バイトに切り替えました。部活との両立を考えると、時給と時間帯の両方で都合がよかったのです。
高校を出て最初に就職したのは、スポーツ用品の卸売会社でした。営業職で入ったのですが、新規事業のクリーニング部門へ配属になり、店舗で受付からアイロンがけまで一通り覚えました。今でもアイロンだけは得意です。
その後、家電量販店、米軍基地の通信保守、大工道具や建築資材を扱うプロ向けの道具店、フォークリフトのディーラー営業、自動車部品プレス工場の生産管理。途中で個人事業としてパソコン修理を始め、中古販売、コロナ禍を経て便利屋、その延長でマンション設備の下請け業まで広げていきました。
業種は本当にバラバラです。
転職を繰り返した理由を、当時はうまく説明できませんでした。「合わなかった」「人間関係が悪かった」と一言で片付けるしかなかった時期もあります。
ただ、年齢を重ねて振り返ると、見えてきたものがあります。
私が辞めてきた職場の多くは、人として扱われない場面が日常にある場所でした。
具体的なことは書きません。書けば誰かを傷つけますし、業界が狭い世界ではすぐに特定されます。ただ、書類で頭を叩かれたことも、上司のアリバイ工作をさせられそうになったこともある、とだけ書いておきます。
会社員としての最後となった自動車部品プレス工場では、入社初日から部下30人を任され、心身に限界が来て退職することになりました。
逃げることを情けないと思った時期もあります。でも今は違います。
あの場所に居続けた自分を想像すると、たぶん、もう壊れていました。
辞めるという選択は、私にとっては自分を守る手段でした。
そして、いくつもの業種を見てきたことで、ひとつだけ確信したことがあります。
職場の質は、業種ではなく、人で決まります。
立派な会社にもひどい現場はあります。地味な現場にも、信じられないほど誠実な人がいます。
この感覚は、後に AI コンサルを志す時、自分の判断軸として大きく効いてきました。
妻との出会いと、出世を追わない判断
家電量販店時代に、今の妻と出会いました。
私が店長で、妻は田舎から出てきたばかりの新社会人。配達先で初めて会って、私の一目惚れでした。
当時の私は、出世欲が強くて、口も悪く、自分のやり方を譲らない人間でした。今思い返すと、よくこんな人間と結婚してくれたなと思います。
妻は頭の回転が速く、嘘が嫌いで、好き嫌いがはっきりしている人でした。その性格にどうしようもなく惹かれて、結婚に至りました。
結婚してから、私はいくつかの判断を変えるようになりました。
ひとつは、出世を追わないこと。
家電量販店では店長まで進みましたが、転職するたびに中間管理職を勧められても、できるだけ受けないようにしました。
販売の現場では、上に行くほど数字を背負わされます。自分の数字のために、部下を追い込まなければいけない場面が増えます。それが私には耐えられませんでした。
ただ、工場や現場の管理職には、別のしんどさがありました。シフトの調整、派閥の調整、上と下の板挟み。そして何より、自分の采配次第で部下の給与や賞与、その先のキャリアまでが決まる重圧がありました。
人を動かす仕事は、数字を追う仕事とは別の意味でしんどい。
このことを、いくつかの管理職を経験して、ようやく分かりました。
私は、組織の中で人の未来を背負う立場には、向いていなかったのです。
もうひとつは、家族と一緒にいられる場所で働くこと。
通信会社時代に、新興国への長期出張を命じられたことがありました。何年かかるか分からない、日本との連絡もほぼ取れない場所です。子どもが生まれたばかりだったので、その仕事は断り、退職しました。
キャリアとしては、たぶん遠回りだったと思います。
ただ、あの時の判断を、私は今でも後悔していません。
家にいられる人生のほうが、私にとっては正解でした。
便利屋からAIへ
家電量販店、通信、道具店、フォークリフトのディーラー、プレス工場と渡り歩いたあと、私は個人事業に切り替えました。
最初はパソコンの修理とメンテナンスです。家電量販店時代から機械を触るのが好きで、その延長で始めました。修理を続けるうちに使える部品が溜まっていき、中古パソコンの販売も並行するようになりました。
ようやく自分のペースで仕事ができる、と思ったところでコロナ禍が来ました。
修理の依頼は減り、中古パソコンも売れなくなりました。
そう思って始めたのが、便利屋です。
ハウスクリーニング、片付け、不用品処分、エアコンの取り外し、解体作業。倉庫を借りて、運べるものはなんでも運びました。便利屋の延長で、マンションの排水管再生の下請けにも入りました。設備の現場仕事です。
身体は正直、きつかったです。
腰の痛みは年々ひどくなりましたし、現場で「人として扱われない」場面も、若い頃と同じように何度もありました。下請けという立場は、想像していたよりも厳しいものでした。
50歳を超えて、これ以上身体と精神を削られたくないと、はっきり思うようになりました。
ちょうどその頃、片付けの仕事で訪問したお客様から、AIの話を聞きました。
その場では「AIが仕事になる」という話がうまく結びつかず、自宅に戻ってから自分で調べました。調べるほど、これは今までの自分の経歴と何かが繋がるかもしれない、と感じました。
機械を触るのが好きだったこと。 新しい技術に最初に触れる仕事が多かったこと。 人に何かを教えるのが嫌いではなかったこと。
体力勝負ではなく、これまでの経験を活かせる方向に舵を切れるかもしれない。
そう思って、まずG検定を受けました。1ヶ月の独学で、一発合格でした。
55歳で取った資格としては、自分でも少し誇らしい結果です。
いま、私が目指している場所
G検定に合格したとき、正直なところ「これで進める」と思いました。
ただ、現実はそんなに甘くありませんでした。
資格を取っただけでは仕事は来ません。AIコンサルタントを名乗っても、最初は誰も声をかけてくれません。私は今もnoteで記事を書きながら、Webライターの仕事を並行して、少しずつ仕事を作っているところです。
AIの世界には、すでに優秀な人たちがたくさんいます。専門知識も実績も豊富な人たち。私はそこに、55歳から、しかも独学に近い形で入ろうとしている人間です。
正直に言えば、迷うこともあります。
ChatGPT、Claude、Geminiと、3つのAIを契約しているのに、まだ使いこなせている気がしない日があります。何かを学んでも、すぐに新しいツールやアップデートが出てきて追いつけない感覚もあります。
それでも、AIを諦めようとは思っていません。
理由は、私がこれまで見てきた現場と、AIの相性がいいと感じているからです。
家電量販店で、お客様に「パソコン、分かりません」と何度も言われました。便利屋として50代、60代のお宅に上がった時にも、買ったまま使えていない家電や、設定途中のままになっているスマホを何台も見ました。
新しい技術に戸惑う人を、私はずっと見てきました。
そして、戸惑う人に対して、上から教えるのではなく、隣で一緒に試すスタイルが、自分には合っていると感じています。
AIコンサルタントとして、私が目指したいのはここです。
最先端を語る人ではなく、現場で戸惑う人の隣に立てる人。
立派な理論を渡す人ではなく、「まずこれだけ試してみませんか」と具体的に提案できる人。
そういう存在になりたいと、いま思っています。
このnoteでやっていきたいこと
このnoteでは、50代からAIに触れ始めた人に向けて、記事を書いていきます。
ChatGPT、Claude、Gemini、どれが入口でも構いません。私自身が試行錯誤しながら、「これは50代にも使える」と感じたことを、できるだけ具体的に書いていく予定です。
ただ、AIの話だけを書くつもりはありません。
これまで何度も書いてきましたが、私は現場を渡り歩いてきた人間です。家電量販店、通信、道具店、フォークリフト、プレス工場、そして便利屋。それぞれの現場で、人間関係や働き方で削られた経験もあります。
AIの記事を書きながら、同じように削られている人、これから道を変えたいと考えている人にも、何か届けられたらと思っています。
なぜなら、AIは依存する相手ではなく、隣で一緒に考えてくれる存在だと、私は思っているからです。
どう付き合うかは、その人がどんな現場で何に悩んでいるかによって変わります。だから、AIの話と、働き方の話、生き方の話は、私の中では切り離せないものだと考えています。
もし、AIのことで相談したい、話を聞いてみたい、という方がいれば、コメントやメッセージでお気軽にどうぞ。60分のオンライン相談も別記事でご案内しています。
すぐに正解を渡せる人間ではありません。
ただ、隣で一緒に考えることはできます。
家電量販店、通信、道具店、フォークリフト、プレス工場、便利屋。
そしてAIコンサルタントを目指す今。
何度も会社を変わってきました。途中、心身に限界が来て立ち止まったこともあります。でも、走ってきた経験は無駄じゃなかったと、今初めて思えています。
55歳から新しいことを始めるのは、正直、不安のほうが大きいです。
ただ、不安を抱えながらでも、自分が積み上げてきたものを誰かの役に立てられるなら、まだやれることはあると思っています。
同じように、年齢や経歴に迷っている人がいたら、ぜひ気軽に話しかけてください。
ここから、また始めていきます。
次の記事では、自己紹介で少しだけ触れた「3つのAIサブスク」について、もう少し詳しく書きます。
ChatGPT、Claude、Gemini。なぜ3つも契約しているのか。
使いこなせていないのに、なぜ解約できないのか。
そして、その迷走から見えてきたことがあります。
よろしければ 次も読んで下さい。
第2弾を公開しました。
「ChatGPT・Claude・Gemini、半年で3つ契約した55歳が気づいた『50代がAIを1つに絞れない理由』」
3つのAIサブスクを契約してしまい、それでも辞められない理由を、正直に書きました。同じ場所にいる方は、よかったら読んでみてください。
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