思い返せば、だいたい黒歴史 第2章
第1章は、こちらから。
Bが一時期、最推しになった理由は至って単純だ。
とにかく歌が上手かったからである。
男性にもかかわらず、かなり高い音域まで難なく出せて、そこに強烈な煌めき(?)を感じた。
(……のだと思う。今となっては、その煌めきの記憶もだいぶ霞んでいる。静岡にいながら富士山が霞んで見えない、そのレベルだ。)
Bは今も歌手として活動していて、当時仲良くしていたオタク友達のInstagramのストーリーで、時々その姿を見かける。
相変わらず綺麗な歌声だな、としみじみ思う。
一方で、Aが特別歌が下手だったかというと、決してそうではない。
ただ単に、そのグループには歌の上手いメンバーが多かっただけだ。
Aの得意分野は、愛嬌とファン対応、そして日本語。
加えて、いわゆる「かわいいタイプ」の顔立ちでもある。
私は昔から、比較的きれいめな顔立ちよりも、かわいいタイプの顔立ちに惹かれる。
(ちなみに、Bはきれいめな顔立ちだ。)
それはいまでも変わっていない。
友達に「この中なら誰がいい?」と聞かれれば、気づけば必ず、かわいいタイプの顔立ちの人を選んでしまう。
そして何より、Aは日本語が話せた。
文法が少しおかしかったり、謎の言葉を繰り返したりすることはあったが、韓国語が一切わからなかった当時の私にとって、それは推しとして最高の条件だった。
結局、私は歌の上手いBから、変な日本語を使うAに、まんまと引き戻されたのであった。
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K-popアイドルも、CD(アルバム)をリリースするとなれば、日本での活動を予定している場合、リリースイベントを行うことが多い。
内容はグループやリリース時期によってさまざまだが、多くの場合、購入枚数に応じて
• 握手会
• CDジャケット(アルバム)へのサイン
• ツーショット
などの特典が用意されている。
また、
• ハズレあり・なしの抽選方式
• 完全抽選
• 「ボーダー」と呼ばれる、購入枚数が多い人ほど当選しやすい、表向きは抽選という名のシステム
なども存在する。
ちなみに、私が応援していたグループは、ハズレあり・なしの抽選方式とボーダー方式を採用していた。
購入枚数と特典内容が最初から決まっているなら、正直なんの文句もない。
買った枚数分だけ参加できる、それだけの話だからだ。
しかし、抽選方式やボーダー方式が採用されると、話は別。
言うまでもない。完全にギャンブルだ。
日本のアイドルのCDと違い、当時のK-popアイドルの韓国アルバムは、とにかく分厚かった。
しかも1枚あたり、日本でのイベント価格で2,500〜3,000円ほど。
それを2枚で1口応募という仕組みである。
つまり、単純計算で約6,000円の宝くじを買っているような感覚。
しかも1口や2口で済む話ではない。
思い返せば、このシステムこそが、私の黒歴史の中でも最大の汚点だ。
思い返したくもない。
……少し思い返しただけで泣きそうになる。
いや、正直に言おう。
もう泣いている。
泣きすぎて琵琶湖ができそうだ。
きっと、これを読んでいる同じ方式に苦しめられたオタクたちは、心の中で一緒に泣いてくれているだろう。
……あー、本当に。はぁ。
後悔しても仕方ないと分かっているのに、
「タイムリープできないかな」と考えたこともある。
正直に言えば――今も、現在進行形で考えている。
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そんな黒歴史の中にも、眩い光を放つ思い出はある。
それは、もう黒歴史を吹き飛ばしてしまうほど……いや、盛りすぎたか。半分くらいは吹き飛ばしてくれるだろうか。
オタク友達だ。
私がオタクから足を洗った今も、日本のみならず韓国、台湾、フィリピン、タイ、シンガポールに住む当時のオタク友達は仲良くしてくれている。心から感謝してもしきれない。
学生時代の友達とはほとんど疎遠になってしまった中で、オタク友達がどれほど私の心の拠り所になっていることか。
年齢が上にも下にも離れていても、国や言語が違くとも、同じグループのオタクというだけで安心感があった。
今では、くだらないことも共有できたり、以前よりは減ったが会ってくれたりと、本当に助かっている。
この場を借りて、特大のお礼と愛を贈りたい。
ありがとう。はーと♡
黒歴史をも吹き飛ばすハッピーなオタク友達と食べたご飯を載せて、次回の黒歴史へつなげたい。
(つなげたいってなんだ)




















