信心と拳、中央アジアの熱を感じて|The Ultimate Fighter Season 33|EP5の感想
👉はじめに
水曜日の11:15〜からはThe Ultimate Fighter Season 33。
前回、チェール・ソネンの交渉術という「場外戦」が大きな話題を呼びましたが、今回は打って変わって純粋なファイター同士の激突。しかも、TUF史上でも珍しい中央アジア出身選手同士の対決です。さらにゲストコーチにはあの陽気な元王者ブランドン・モレノが登場。信心深い二人のファイターが見せる静かな闘志と、名将の片鱗を見せるコーミエのコーチングにも注目です。
よければご覧ください。
前回の感想はこちら。
TUFとはなんぞや?ということについても述べていますのでよければご覧ください。
✔️エピソード5のあらすじ
今回はフライ級の対戦です。
まずはゲストコーチとして、元フライ級王者で人気者のブランドン・モレノが登場。自身もTUF出場経験があるものの、トーナメントでは敗退。しかし、そこから這い上がりUFCの頂点に立った彼の存在は、ハウスにいるファイター達にとって大きな刺激になったようです。
今回の対戦は、中央アジア出身のイスラム教徒(ムスリム)同士という興味深いカード。
アリビ・イディリス(チーム・コーミエ):カザフスタン出身。敬虔なムスリムで、妻子を持つファイター。彼のホームビデオは、これまで登場した北米や欧州の選手とは全く違う、静かで独特な雰囲気でした。街の人々の顔にモザイクがかかっていたのは、宗教的・文化的な配慮からでしょうか。無敗のストライカーでフィニッシャーとのこと。
フルカトベク・ヨクボフ(チーム・ソネン):ウズベキスタン出身で、現在はドバイでトレーニングを積んでいます。元アマチュアキックボクシング王者で、こちらも強打を武器にするフィニッシャー。中央アジアの選手達の生活を見ると、どこか裕福な印象を受けますが、格闘技に専念できる環境が整っているのかもしれません。
対戦を前に、イスラムの教えに従い共にお祈りを捧げる両陣営のムスリム選手達。試合前の緊張感の中、信仰の下では敵も味方もないという光景は印象的でした。
計量時、英語が堪能でないイディリスに対し、ヨクボフが英語で話しかける一幕も。これに対し翻訳では『(イディリスは)ビビってたんじゃない、知らんけど』と絶妙な関西弁テイストの字幕が入り、思わず笑ってしまいました。
また、試合前にはNFLのスター選手がゲストで登場し、プレッシャーとの向き合い方について選手達に熱く語りかけます。こういうメンタルケアまで企画するあたり、コーミエ陣営のサポートの手厚さを感じます。
フライ級
🟡チームコーミエ:🇰🇿アリビ・イディリス
vs
🔵チームソネン :🇺🇿フルカトベク・ヨクボフ
指名5位アリビ・イディリスと指名6位:フルカトベク・ヨクボフ。中央アジアのストライカー対決。
1R、プレッシャーをかけるヨクボフに対し、イディリスはスイッチを織り交ぜながら打撃と組みを狙います。フィジカルではヨクボフがやや上回るかと思われましたが、イディリスの高く構えたガードやボディロックへの動きは、どこかゲストコーチのモレノを彷彿とさせます。コーチと選手の連携が早速機能しているのかもしれません。組みの展開からバックを奪うと、一気にイディリスが優勢に。ヨクボフのグラップリングの穴を、コーミエ陣営が的確に突いた形です。
2R、ヨクボフは疲れが見え始め、イディリスの多彩な攻めに苦しみます。不運なアイポークによる減点1があったものの、一度組んでしまえばイディリスの独壇場。グランドコントロールで圧倒し、終始ヨクボフを支配し続けました。陣営の指示に忠実に戦い抜いたイディリスが、文句なしの判定勝利を収めました。
試合後、次回の対戦カード選択へ。 次はウェルター級で、選択権はチーム・コーミエ。
チーム・コーミエ:アレックス・サンチェス(メキシコ)
チーム・ソネン:マット・ディクソン(アメリカ) ディクソンはDWCS(デイナ・ホワイトのコンテンダーシリーズ)出場経験者で、UFC再挑戦を狙います。
そして、次回のゲストコーチには女子の人気実力者、ローズ・ナマユナスとラケル・ペニントンが登場するようです。
✔️全体的な感想
ムスリム、そして中央アジア出身という、これまでにない組み合わせの対戦は非常に興味深いものでした。彼らのホームビデオから垣間見えた、我々が普段あまり目にすることのない文化や生活様式は、多くの国の選手が揃った今シーズンのTUFならではの魅力と言えるでしょう。ゴツゴツとした打撃戦の予感がありましたが、結果的にはレスリングとグラップリングの巧みさが勝敗を分けるという、MMAらしい一戦でした。
そして今回、特に光っていたのがダニエル・コーミエのコーチング能力です。 イディリスは元々のファイトスタイルに加え、ゲストコーチであるモレノの技術を自身の戦いにしっかりと落とし込んでいるように見えました。試合中もコーミエの指示を忠実に実行し、勝利を手繰り寄せる姿が印象的でした。試合前にNFLのスター選手を招き、選手のメンタルを鼓舞するなど、技術面だけでなく、あらゆる角度から選手をサポートする姿勢は「名将」と呼ぶにふさわしいかもしれません。
対照的に、チェール・ソネンは苦しい状況が続きます。前回見せた派手な交渉術とは裏腹に、試合本編では選手のポテンシャルを引き出しきれていない場面が目立ちます。「物語を作る才能と、試合を勝たせる才能は別物である」という前回抱いた意地悪な見方が、今回でより強まった気がします。ここからコーチとしてどう挽回していくのか、ある意味見どころではあります。
そんなこんなで今週のエピソード5の感想は以上です。 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
仕事が忙しく、なかなか放送当日の夜に視聴ができず週末まで積み残しになってしまい結果的に感想記事の作成が遅れてはいますが、まだまだ感想記事の作成を続けますのでぜひ読んでいただけると嬉しいです。
また、今週末のUFC 317: Topuria vs. Oliveira大会レポートのnoteも作成しています。よければこちらもどうぞ。
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