めちゃくちゃ褒めちぎったあとに?
前回は、200校の英会話スクールに頼み込んで2校しか返信が来なかったお話を書きました。その後、新潟のスクールへ住み込みでトレーニングに行き、デイビッドという素晴らしい恩師との出会い、手の上に月謝を乗せられた瞬間に責任を感じて涙が出た、というところまでお伝えしました。
▼ 前回の記事(誕生秘話②)
今回は、そこから少し時間が経った頃のお話をします。
現在の私たちの教室の根幹となっている、こどもえいごの指導哲学についてです。 「めちゃくちゃ褒めちぎって、笑かす」これが、私たちのこどもえいごの授業の基本スタイルです。一見ふざけているように聞こえるかもしれませんが、私たちはこれをものすごく真剣に考えて実践してきました。
この言葉が生まれたきっかけは、北海道で子どもたちにスノーボードを教えていた友人からの一言でした。
「子どもを雪嫌いにさせるのは、本当に簡単なんやで」
英語嫌いを生んでしまう「最初の体験」
大人も子どもも同じです。「ウィンタースポーツは苦手です」という大人がたくさんいますが、そのほとんどが「一番最初に雪山に連れて行かれたときにえらい目に遭った」という体験を引きずっています。
そのたった一度のつらい体験が原因で、それ以来、雪山には足が向かなくなってしまう。「雪が嫌い」になってしまったのです。
この雪山を英語に変えてみてください。残念ながら子どもたちを英語嫌い、英語苦手にするのはとても簡単なことなのです。
スノーボードや英語など、新しいことに挑戦するときは、子どもでも大人でも、勇気がいります。あれほど毎日練習に明け暮れているオリンピック選手だって、初めてのオリンピックではなかなか普段の力は発揮できないほど。英語学習はスポーツのように転んで怪我をする物理的な痛手はありませんが、「間違えた」「わからなくて恥ずかしい」といった精神的な苦痛があります。
一番最初の経験でその痛みを感じてしまうと、英語が嫌いになってしまう。講師として一番やらなければいけないことは、「英語を嫌いにさせない環境、夢中になれる環境をつくること」なんだと私たちは考えています。
そこで重要になるのが、「めちゃくちゃ褒めちぎって、笑かす」というアプローチです。
笑いが教室を「安全な場所」に!
というのも、英語を学ぶときの一番の敵って、実は「恥ずかしさ」だと思うんです。 「間違えるのが怖い」「発音を笑われるかもしれない」「うまく言えなかったらどうしよう」そういう気持ちこそが、英語を話せなくしている原因です。だからこそ、笑いが起きている教室は「安全な場所」になります。
「ここでは間違えてもいいんだ」「恥をかいても大丈夫なんだ」と感じられる場所。それが笑いのある教室です。
ただ、実はレッスン中に「ここで笑わせよう」「ここで褒めよう」と頭で計算して仕掛けているわけではありません。授業中の私たちは、完全に「フロー状態」に入っています。 目の前の生徒さんに100%向き合い、私たち自身が心から夢中になっているからこそ、身体が自然と動き、リアクションが大きくなり、(天然で)下手くそな絵を描いては一緒に笑いながら学んでいきます。
「あえて、わざとやっている」わけではなく、心から感情を解放して楽しんでいる先生の姿を見るからこそ、子どもたちも「先生も失敗するんや」「この人には飾らなくていいんだ」と体感し、英語を話すハードルがぐっと下がるのだと思います。
新潟でのトレーニングを思い返すと、デイビッドのレッスンには常に笑いが絶えませんでした。かといって規律がなかったわけではなく、ちゃんとレッスンの流れがあり、生徒さんたちが今何をすべきかわかった上で、同時に笑いがある。その絶妙なバランスがありました。
無理なく、身体が勝手に動くように
大阪に帰ってきて、母の友人たち3人に英語を教え始めた頃、私はデイビッドのレッスンを思い出しながら自分なりにレッスンを繰り返しました。
週に1度のレッスンでしたが、レッスンが終わったらすぐに次週のレッスンの準備に取り掛かりました。1時間のレッスンに1週間準備しました。
何度も無我夢中で接していくうちに、身体が覚えてくれて、直感で動けるようになっていきました。 「めちゃくちゃ褒めちぎって、笑かす」という指導哲学は、教室という現場で生徒さんと共にフローに入る中で、身体に染み付いた感覚から選ばれた言葉なんです。芸人さんではないので、オモロいことを頭で「こうしよう」と理解したことを、いざ子どもたちの前に立って行動としてアウトプットするのは、実はすごく難しいことです。理屈ではなく、無意識の領域で身体が勝手に動くというところに持っていかないと、なかなか実践できません。
だからこそ、私がここに至るまでに辿ってきた道や、デイビッドから受け取ったすべての体験を、これから「こどもえいご講師」になりたい人たちにそのまま届けられないかと考えました。
そうして子どもたちを前にレッスンをする皆さんの「身体が自然と動く状態」になるところまで、無理なくお連れしたい。その一心で、3年以上かけて創り上げたのが『こどもえいご講師育成プログラム』のe-learningコンテンツです。
3年かけて創り上げた500本の動画
なぜそんなに数が多いのかというと、私自身が「15分以上動画を続けて見られない性格」だからです(笑)。そのため、1本の動画は1分から、長くても15分以内、多くは5分程度に収まるように細かく区切っています。
少しずつステップを踏みながら、最初はただ講師のレッスンを見てそっくりそのまま真似をしてみます。(完全に武道の「守破離」の「守」ですね!)用意されたスクリプトをただ音読することからスタートし、次に表情をつけ、ジェスチャーもつけてやってみる。
そうやってひとり芝居のようにお稽古を繰り返していくうちに、だんだんと目の前に子どもたちの姿(イマジナリーキッズ)が見えてくるようになります。そのイマジナリーキッズに向かって様々なやり取りをし、反応し、対応していく。
この練習を重ねることで、自分のやるべきことがどんどん「無意識の領域」へと落とし込まれ、いざ本番で子どもたちの前に立ったときに、身体が勝手にさりげなく動けるようになるのです。まさに、私が長年かけて体得してきた感覚を、ご自身の中に再現してもらうための学びの仕組みです。私は講師になってからこの感覚を養いましたが、皆さんには講師になる前からこの感覚を養うことができます!
もちろん、発音指導、フラッシュカードの使い方、レッスンプランの作り方など、具体的な教え方もすべてお伝えします。そのあたりも余すところなくお伝えしつつ、この「子どもが安心できる空気をつくる土台(スタンス)を無意識レベルにまで落とし込んでいくことなのです。
「先生だから完璧じゃないといけない」なんてことはありません
少し反対の立場で考えてみてください。「決して失敗しない先生」の前だと、緊張してしまいませんか?
だからこそ、「正しい答えを教える立派な先生」であるよりも、ゲームで本気になって悔しがったり、失敗しても明るく笑い飛ばせる先生のほうが良いのです。そうやって先生自身が隙(すき)を見てもらうことで、子どもたちに「ここでは間違えても大丈夫なんだ」という安心感を強く与えられるのです。
次回(誕生秘話④)は、この「子どもが夢中になれる環境づくり」についてもう少し深掘りしてみます。「走らないで」と言ってはいけない理由や、私が子どもに怒らない理由、そして最近出会った5歳の女の子とのスケート体験のエピソードをお届けします。どうぞお楽しみに!
\ トークイベント開催! /
一緒に学ぶ、仲間に出会うーオンラインコミュニティ立ち上げます

仲間と一緒に学ぶと楽しい。楽しいから続く。
「英語を学びたい気持ちはあるけどなかなか続かない」という人も多いのではないでしょうか?
みなさんの学びがもっと楽しく、有意義なものになったらと思い、学ぶ仲間が集うオンラインコミュニティ「こどもえいごラボ」を立ち上げることにしました。そこで改めて、こどもえいごのブランディングに携わってきたデザイナーの田中さんと、こどもえいごが大切にしている「楽しく学ぶ」とは何なのかを紐解くトークイベントを開催します。
[日時] 2026年7月10日(金)19:30〜21:00
[形式] オンライン(Zoom)
[参加費] 無料
[スピーカー]
松谷 愛(こどもえいご 校長)
田中 悠介(designと 代表)
▶ イベントの詳細・お申し込みはこちら(Peatix)
【オンラインコミュニティ「こどもえいごラボ」とは】
こどもえいごラボは、一緒に学ぶ仲間が集うオンラインコミュニティです。ここでは、日々の学びを共有したり、楽しくおしゃべりしたり、こどもえいご校長で講師の愛先生によるミニ講義なども企画していきます。
▶ コミュニティの詳細・ご入会はこちら
\ 受講生募集中! /
こどもえいご講師育成プログラム(2026年9月開講)

16年の英語教室運営と、400名超の講師育成の中で生まれた実践型の講座です。(全13回 | 毎週金曜)
いつでも好きな時に見れる説明会動画があります♪
▶ 説明会動画を見る(無料): https://kodomoeigo-on-demand2.peatix.com
こどもえいご 校長 松谷 愛
こどもえいご講師トレーナー / 16年の英語教室運営 / 400名超の講師育成実績
▷ ウェブサイト: https://88-english.com/
▷ Instagram: https://www.instagram.com/kodomo_eigo_/
