世界がうるさすぎる日に思い出す、ひとつの音
一番近くで鳴っているのに、
いちばん届かない音がある。
それは、心臓の音。
あなたが、今日もここにいるという、
いのちのリズム。
世界はいつも賑やかで、
いくつもの声が、
外から絶えず流れ込んでくる。
その中で、
自分の内側の感覚だけが、
かすんでいくときがある。
ベッドに入っても眠れない夜。
理由もなく、心がざわつく。
そんなときは、
少しだけ、そのままで。
そっと、耳を澄ませてみる。
かすかに続いているリズムが、
途切れることなく、
胸の奥で響いている。
何万回も、気づかれないまま、
ただ静かに、巡っている。
子どもの頃、
母の胸に顔をうずめたとき、
ふっと安心するあの感覚。
言葉がなくても、
意味がわからなくても、
その鼓動だけで「大丈夫」を思い出せる。
もしかしたら私たちは、
大人になってからもずっと、
そうやって、
自分に還る道を探しているのかもしれない。
誰に気づかれることもなく、
評価されることもないまま、
ずっと続いてきたもの。
あなたをずっと支えてきた音。
今日は少しだけ、
世界の音量を下げてみる。
胸の奥で響いている
その音を、
もう一度、思い出す。
それは、何かを頑張るのではなく、
ただ、自分に還っていくという「在り方」。
その静かな一歩一歩が、
これからのあなたを、
気づかれないほどのやさしさで
少しずつ、変えていく。
ふと意識を向ければ、
いつでも自分の鼓動に触れられる。
あなたの中で、
それは、
ずっと在り続けている。
《 あわせて読みたい、世界の音量を下げて自分に還るエッセイ 》
外側の賑やかな声からそっと離れて、
ただ「いま、ここに在る」という静けさに満たされる3編です。
言葉の奥にある、あなたの心の灯りにそっと触れてみてください。
✦ コントロールを手放し、ただ水に浮かぶように世界に身を委ねるひととき。言葉から心地よい弛緩へと、あなたを本来の「自然体」の場所へと連れ戻してくれるお話です。
✦ 特別な出来事がなくても、外の光が遠ざかったぶん、自分の内側の灯りに目が慣れていく夜。何かを急いで完成させなくていい、静かな時間にそっと寄り添います。
✦ 何かを終わらせなきゃと焦る心の区切りを外して、未完成の「途中」である自分をそのまま抱きしめること。ありのままの呼吸を取り戻させてくれるエッセイです。
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