5年前の私が毎朝つぶやいていた「定時退社ハック」を、管理職になったいま採点する
こんにちは。定時退社研究家のこきちです。
5年前、私は毎朝noteに短い「つぶやき」を投稿していました。5時起きを目指しながら、その日思いついた定時退社のコツをひとつずつ書く。それだけの投稿を30本ほど。
先日、久しぶりに自分のマガジンを読み返しました。
結論から言うと——半分は今でも通用して、半分は完全に間違っていました。
当時の私は、まだ現場で自分の仕事だけをしていました。いまは管理職として、部下の残業も背負う立場です。景色が変わって初めて、「あのハックは本質じゃなかった」と分かったものがあります。
今日は、5年前の自分に○×をつけていきます。同じように「定時に帰りたいけど帰れない」と思っている方の、遠回りを減らせたらうれしいです。
① 「電話は暴力的に時間を奪います」 → ◎ いまも最強
5年前の私、これはよく気づいた。えらい。
電話の何が暴力的かというと、相手の都合で、こちらの集中を強制終了させるところです。メールなら好きなタイミングで開ける。チャットも同じ。でも電話だけは、鳴った瞬間に自分の作業が終わります。
集中し直すまでの時間まで含めると、5分の電話で失うのは20分です。
いま私がやっているのは、こういう運用です。
折り返しが必要な用件は、まず「何の件か」をチャットで聞く
自分からかけるときは「3分だけいいですか」と最初に宣言する
込み入った相談は、電話ではなく15分の打ち合わせ枠に変える(かえって早く終わります)
「電話を減らす」は、相手を雑に扱うことではありません。お互いの集中を守る合意を作ることです。
② 「生産性が高い午前中は、メールを見ない」 → ○ 方向は正しいが、詰めが甘い
これも当時の私の投稿です。方向は合っています。でも5年前の私は「じゃあいつ見るのか」を決めていなかった。
決めていないと、結局そわそわして10時に見て、11時に見て、集中は切れます。
いまは「見ない」ではなく「見る時間を決める」に変えました。
11:00
15:00
17:00(退勤前の最終確認)
この3回だけ。決めた瞬間に、その間の時間が本当に静かになりました。禁止するより、予定に入れるほうが守れます。
③ 「定時前の10分間は、仕事をセーブする」 → ◎ これは今も毎日やっている
5年前の私、いいことを言っています。
定時ぎりぎりまで全力で手を動かすと、終わらなかった仕事がそのまま残業になだれ込みます。 勢いがついているので止まれないんですね。
だから終業の10分前には、新しい作業を始めない。代わりにやるのは3つ。
今日やったことの記録
明日の最初の1タスクを決めて、机の上に出しておく
未完了のものを「誰待ちか」で仕分ける
この10分があると、翌朝の立ち上がりが劇的に速くなります。 前日の自分からの引き継ぎが完璧だからです。
④ 「出社前に、帰宅する電車の時間を決める」 → ◎ 効果は絶大。ただし条件つき
これは効きます。「〇時○分の電車に乗る」と決めた日は、本当にその電車に乗れます。人は締切がないと終われない生き物です。
ただし、5年前の私が書いていなかった条件があります。
その電車の後に、楽しみな予定を入れておくこと。
「早く帰ろう」だけだと、罪悪感に負けて残ってしまう日が必ず来ます。でも「19時から子どもと風呂に入る」「サウナの予約を取った」となると、話が変わる。帰る理由が、自分の意志ではなく約束になるからです。
⑤ 「シングルタスクを心がけましょう」 → △ 心がけでは無理でした
これは5年前の私に言いたい。心がけでは絶対に守れません。
マルチタスクになるのは意志が弱いからではなく、環境が割り込みを許しているからです。
いまやっているのは、心がけではなく設定の変更です。
メール・チャットの通知はすべてオフ(バッジも消す)
作業中のウィンドウ以外は全画面で隠す
スマホは画面を伏せて、手の届かない場所に置く
「気をつける」をやめて、「気が散る余地をなくす」に変えた瞬間に守れるようになりました。根性論を設定に翻訳する、これが5年でいちばん成長した点かもしれません。
⑥ 「休憩時間は、スマホを見ない」 → ○ 正しい。でも理由が違った
当時の私は「時間の無駄だから」と書いていたと思います。いまは理由が違うと思っています。
脳が休まらないからです。
昼休みにSNSを見た日の午後は、明らかに頭の回転が落ちます。情報を浴び続けているので、休憩になっていない。逆に、5分でも目を閉じるか、外を歩いた日の午後は別人のように進みます。
休憩は「サボり」ではなく、午後のパフォーマンスへの投資です。定時に帰るために、昼休みはちゃんと休んでください。
⑦ 「習慣化するまでやり続けると、大きく変わる」 → ○ 正しいが、根性が要りすぎた
正論です。でも、5年前の私はここで何度も挫折しています。
いま思うのは、習慣化を根性でやろうとしたのが間違いだったということ。
続いた習慣には、必ず「続く仕組み」がありました。
朝のつぶやきが30日続いたのは、noteに投稿するという公開の場があったから
定時退社が続いているのは、帰った先に家族の予定があるから
続かないときは、意志を責めるのではなく、「続く理由が外側にあるか」を確認してみてください。
⑧ 「意味のない会議に出ない」 → △ 当時は言うだけだった
5年前の私、これはただの願望でした。実際には出ていた。
管理職になって分かったのは、会議は「減らす」より「作り方を変える」ほうが早いということです。
私がいま主催する会議には、必ずこの3つを入れています。
終了時刻を先に宣言する(「30分で終わります」と冒頭で言う)
決めることを1つに絞る(共有だけならチャットで足りる)
出なくていい人を明示する(「〇〇さんは議事録だけで大丈夫です」)
自分が出る会議を減らすより、自分が主催する会議で人の時間を返すほうが、影響が大きい。 これは管理職になって初めて持てた視点でした。
⑨ 「5時起きをめざす」 → ✕ 正直、これは合わなかった
これははっきり×をつけます。
当時の私は早起きに憧れていました。実際、何度も挑戦しました。でも続きませんでした。 起きられた日は夜に眠くなり、子どもの寝かしつけで一緒に落ちて、翌朝また起きられない。
いま分かるのは、早起きは目的ではなく手段だということ。私が欲しかったのは「誰にも邪魔されない静かな時間」であって、それは朝である必要がなかった。
いまは夜、家族が寝たあとの30分をその時間に充てています。同じものが手に入って、しかも続いています。
「みんながやっている習慣」が自分に合うとは限りません。欲しいものが何かを先に決めて、手段はあとから選んでください。
⑩ 「季節の変わり目は無理をしない」 → ◎ 5年経って重みが増した
これは当時、何気なく書いた一言だったと思います。でもいちばん大事かもしれません。
定時退社は、体調が前提です。 体力が落ちている時期に同じ量をこなそうとすると、必ずどこかで大きく崩れて、結果的にもっと時間を失います。
いまは「今週は仕上がりが8割でいい週」と自分で決める日があります。5年前の私にはできなかった判断です。
まとめ:5年でいちばん変わったこと
10個振り返って、共通していたことがひとつあります。
5年前の私は「心がける」で解こうとしていて、いまの私は「仕組みにする」で解いている。
電話を減らすのも、シングルタスクも、習慣化も、根性でやろうとすると必ず折れます。折れない人がいるとしたら、その人は意志が強いのではなく、折れなくて済む環境を作っているだけです。
そして最近は、その先も見えてきました。仕事の中の時間をどれだけ削っても、毎朝のヒゲ剃りや、メガネの管理みたいな「仕事の外の義務」は減らない。 そこにお金を使って恒久的に消す、というのが今の私のテーマです。
その話は固定記事にまとめてあるので、よければどうぞ。
→ 残業を減らしても、時間は増えなかった。30代管理職が「時短投資」に100万円使った話
5年前のつぶやきに、当時スキをくださった方々。ありがとうございました。おかげでこうして振り返ることができました。
これからも、実際に試したことだけを書いていきます。スキ・フォローをいただけると、とても励みになります。
さあ、今日も定時ダッシュです。
