〜わさび生い立ち記〜 Vol.3 ガラス張りの病室
【読者の皆様へ(閲覧上のご注意)】 本記事には、過去の家庭環境や虐待、精神的なショックに関する描写が含まれています。フラッシュバックや気分を害される恐れのある方は、閲覧をお控えいただくか、体調に合わせてお読みいただくようお願いいたします。
【前回までのあらすじ】
父の会社を一人の男性が訪ねてきたことをきっかけに、家族の運命は一変する。父は会社をたたんで大きな会社に吸収され、一家は見知らぬ土地へ引っ越すことに。父はほとんど家に戻らなくなり、わさびは母と二人きりで取り残される。寂しさを募らせた母から、次第に理不尽な暴言や暴力を受けるようになったわさび。ある日、家事の最中に意識を失って倒れ、気づけば静まり返った病院のベッドの上にいた――。
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それからというもの、私はありとあらゆる検査を受けました。
MRIに始まり、 背中に細い針を刺して脳脊髄液を採取する、
激痛を伴う「髄液検査」まで……
それでも、原因は何もわかりませんでした。
なぜなのかは未だに謎のままですが、
私はナースステーションから丸見えの、
全面ガラス張りの部屋に入院させられていました。
そう、まるで実験体のモルモットのように……
入院して一週間ほど経った、ある日のことです。
主治医の先生と母が、何かを真剣に話していました。
離れていたため会話の内容までは聞き取れませんでしたが、
先生のあのあまりに重く、厳しい表情だけは、
幼心に強く焼きついています。
――先生は一体、母に何を告げていたのだろう。
結局、私の身体に何が起きたのか、
原因を突き止めることはできませんでした。
退院後、母の態度は少しだけ柔らかくなりました。
しかし、それは身体的な暴力が収まっただけのこと。
今度は別の形で、理不尽な圧迫が始まったのです。
母は、学校で使う備品や学用品を、一切用意してくれなくなりました。
昼間から酒に溺れるようになったのも、ちょうどこの頃からです。
それでも私はくじけず、毎日休まず学校へ通い続けました。
けれど、絵の具やお習字の道具すら買ってもらえない私は、
次第に授業を受けることすら困難になっていったのです。
小学生の自分には、自分で買い揃える術すらありませんでした。
そんな折、母の妊娠が発覚します。
母は臨月を迎えると、私の身の回りの世話もそこそこに、
さっさと自分の実家へと帰っていってしまいました。
まだ小学3年生だった私を、たった一人、家に残して…………
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