メタバースドラマの進化形へ。新作『記録にない君』を作っています
どうも、久我レイジです。
その人は、たしかにいたはずなんです。
声も聞いたし、同じ時間を過ごした感覚もある。心が動いた瞬間だって、たぶん嘘ではなかったと思う。
それなのに、どこにも記録が残っていない。
もしそんなことが起きたら、人はその存在を信じ続けられるのか。
最近、そんなことを考えながら、新しい作品を作っています。
タイトルは、『記録にない君』
詳しい内容は、まだ全部は話せません。話しすぎると、この作品のいちばん大事な違和感を壊してしまいそうなので、今は少しだけにしておきます。
ただ、ひとつ言えるのは、『クロスロード』の次に作る作品として、僕の中ではかなり大きな挑戦になっているということです。
『クロスロード』の次に、メタバースドラマで何を描くのか

『クロスロード』では、メタバース恋愛ドラマとして、仮想空間の中で人の感情を描いてきました。
アバターで演じて、仮想空間でカメラを回し、声を重ねて、音楽を入れて、編集して、ひとつの物語として形にしていく。言葉にすると簡単そうに見えるかもしれませんが、実際にはかなり地道です。
思ったように動かないこともありますし、撮影中にトラブルが起きることもあります。アバターの表情だけでは伝えきれないものもあるし、仮想空間だからこそ生まれる距離感もある。
でも、それでも僕は、メタバースドラマをただの実験だとは思っていません。
画面の中に見えているのはアバターです。
でも、その奥にはちゃんと人がいます。
演じている人がいて、声を届けてくれる人がいて、カメラを回す人がいて、見届けてくれる人がいる。そういう人の温度が重なって、ようやく作品になるんですよね。
『クロスロード』を作りながら、僕はそのことを何度も感じてきました。
だからこそ、次に作るものは、ただ同じことを繰り返すだけではなく、もう一歩だけ違う場所へ進みたいと思いました。
『クロスロード』で積み上げたものを捨てるのではなく、その先にあるメタバースドラマの形を探してみたい。
そうやって動き始めたのが、新作『記録にない君』です。
新作『記録にない君』は、ミステリー濃いめのメタバースドラマです

『記録にない君』は、メタバースドラマです。
ただ、今回は恋愛ドラマというより、ミステリー要素を強めに置いた作品になると思います。とはいえ、恋愛がないわけではありません。
むしろ、その奥にはちゃんと恋愛があります。
誰かを好きになること。その人を信じたいと思うこと。でも、信じるための材料が少しずつ崩れていくこと。
たぶん、そのあたりの感情が、物語を奥へ奥へと動かしていくんだと思います。
僕の感覚としては、ミステリーとして始まり、恋愛の痛みに触れていく物語です。
恋愛が前面に出て、甘く進んでいく作品ではないと思います。どちらかというと、最初にあるのは違和感です。
たしかに会ったはずなのに、記録がない。見たはずなのに、証明できない。覚えているのに、それを信じていいのかわからない。
そういう不確かさの中で、人の気持ちが少しずつ揺れていく作品にしたいと思っています。
ただ謎を追うだけなら、たぶん別の形でもできるんです。
でも、謎の奥にいる誰かを忘れられなくなってしまう。そこに感情が絡んでしまうから、簡単には割り切れなくなる。
その感じを、今回はメタバースドラマとして描いてみたいんです。
メタバースだからこそ、「記録にない存在」が怖くなる

仮想空間って、不思議な場所です。
そこにいる人は、たしかに存在している。会話もできるし、笑い合うこともできるし、時には現実よりも深く心が動くこともあります。
でも、現実の身体が目の前にあるわけではありません。
画面越しの関係であり、アバター越しの表情であり、ログや映像やスクリーンショットに残る断片的な記録でもある。
だからこそ、ふとした瞬間に思うんです。
この人は、本当にここにいたのか。
僕が見たものは、本当にあったことなのか。
『記録にない君』では、この感覚を物語の入口に置いています。
誰もいないはずの場所に、ひとりだけ映っている。
でも、参加者の記録には、その名前がない。
これ以上言うと踏み込みすぎる気がするので、今はここまでにしますが、この違和感がかなり大事です。
見えているのに、残っていない。
そのズレが、物語を少しずつ動かしていきます。
現実でも、一緒に過ごした時間や、その場にいた人だけが覚えている空気は、どれだけ残そうとしても完全には残せません。
ただ、メタバースでは、その曖昧さが少し違う形で立ち上がってくる気がしています。
記録があるから存在したと言えるのか。記録がないなら、存在していなかったことになるのか。
ここは、まだ僕の中でも整理しきれていない部分があります。
でも、その引っかかりがあるからこそ、『記録にない君』という物語を作ってみたいと思ったのかもしれません。
「記録に残すこと」と、作品を作ること

僕は普段、noteを書いたり、動画を作ったり、SNSであれこれ発信したりしています。
それもたぶん、広い意味では記録なんですよね。
その時に何を考えて、誰と関わり、何を残そうとしていたのか。そういうものを、少しずつ置いていく作業でもあると思っています。
もちろん、全部は残りません。
声の震えや、撮影現場の空気、誰かが言葉にしなかった気持ちみたいなものは、どうしてもこぼれ落ちていきます。
映像にしても、文章にしても、残せるものには限界があります。
それでも、僕は作品として残したいと思っています。
記録に残っていないものは、思っている以上に簡単に、なかったことにされてしまう気がするからです。
そこに誰かがいたことや、誰かが傷ついたこと。誰かが誰かを好きだったことまで、記録がないという理由だけで消えてしまうなら、それは少し怖い。
『記録にない君』は、その怖さから始まっている作品でもあります。
メタバースドラマの進化形として、新作『記録にない君』で試していること

今回は、これまでやってきたメタバースドラマの作り方を使いながら、少しだけ見せ方をずらしています。
アバターの演技、仮想空間の空気、映像編集、音楽の入り方、画面の切り替わり方。その組み合わせ方を、今回は少し変えています。
ただ、新しいことを入れれば、それだけで作品が良くなるわけではありません。ここは、本当に気をつけないといけないところです。
技術が目立ちすぎると、物語が負けることもある。
これは、今かなり意識しています。
僕がやりたいのは、派手な見せ方で驚かせることではなくて、作品の中にある違和感や痛みを、ちゃんと届く形にすることです。
『記録にない君』は、ミステリー要素が濃い作品です。
だから、映像の見せ方も、少しだけ不穏で、少しだけ引っかかるものにしたい。何かを見たはずなのに見逃している気がするとか、画面の中に答えがあるようで、まだそこまで届かない感じとか。
静かな場面なのに、なぜか胸の奥が落ち着かない。そういう空気を作れたらいいなと思っています。
『クロスロード』でやってきた恋愛ドラマの延長線にありながら、今回はもう少しミステリー側に踏み込む。
でも、人の感情を描くことは変えません。
むしろ、謎があるからこそ、感情がより痛く見えることもあるんじゃないかと思っています。
告知って、言いすぎると壊れてしまう
ここまで書いておいてなんですが、告知って本当に難しいですね。
言わなければ届かない。
でも、言いすぎると壊れてしまうものもある。
特にミステリー要素のある作品は、その加減が本当に難しいです。
本当は、もっと話したいこともあります。どういう映像にしようとしているのか、どこまで新しい表現に踏み込むのか。
でも、今ここで全部言ってしまうと、作品を観る前に説明だけが先に立ってしまう気もしています。
だから今回は、ここまでにしておきます。
新作のタイトルは、『記録にない君』。
ミステリー要素を強めに置いたメタバースドラマです。ただ、その奥にはちゃんと恋愛があります。
記録には残らなかったのに、心だけが覚えてしまう。
その厄介な感情を、今回は物語にしてみたいと思っています。
『クロスロード』で見えたものがあります。
でも、まだ見えていないものもあります。
まだ、これが答えなのかはわかりません。
ただ、少なくとも今の僕は、そこに向かって作っています。
『記録にない君』は『クロスロード』の次に僕がどこへ進もうとしているのか、その途中にある作品です。
まだ制作途中です。
でも、少しずつ形にはなってきました。
その途中も含めて、見守ってもらえたら嬉しいです。
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