メタバースドラマ制作は技術だけでは進まない|信頼関係を大切にしたい理由
どうも、久我レイジです。
作品づくりを続けていると、ときどき立ち止まる瞬間があります。
ありがたいことに、メタバースドラマを作っていると「ボイスアクターとして参加してみたいです」「作品づくりに関わってみたいです」と声をかけていただくことがあります。
本当にありがたいです。
声の表現力がある方、演技に興味がある方、アバターでの演出に関心を持ってくださる方。
そういう方と出会えること自体、創作を続けてきた中でのひとつの財産だと思っています。
ただ、最近の僕は、そこで少し考えるようになりました。
ありがたい。
でも、すぐに大きな役をお願いしていいのか。
ここは、以前よりもかなり慎重に見ています。
メタバースドラマ制作で大切なのは、技術だけではない

ボイスアクターなら、声の質や台詞の間、感情の乗せ方、キャラクターへの理解はとても大切です。アバターアクターなら、立ち位置や視線、動きの細かさ、画面の中でどう見えるか。
どれも作品の完成度に直結します。
ただ、メタバースドラマを作っていて感じるのは、技術だけで現場が前に進むわけではないということです。むしろ、技術やこだわりがあるからこそ、難しくなる場面もあります。
お互いに大切にしているものがある。
それぞれに譲れない感覚がある。
だからこそ、作品の方向性や現場の空気が共有できていないと、少しずつズレていくことがあります。
そのズレは、最初は本当に小さいんです。でも、撮影が進み、編集が進み、公開が近づいてくると、思っていたより大きなものになっていたりする。
ここは、実際に作ってみないと分からない怖さでもあります。
『クロスロード』で学んだ、メタバースドラマの信頼関係

メタバースドラマ『クロスロード』は、制作に3年かかりました。
本来は、もう少し早く完成する予定でした。
けれど、僕自身も含めて、制作の進め方や考え方を十分に共有しきれていない部分があり、結果として意見の食い違いが起こりました。そのことで、多くの方に迷惑をかけました。
これは、今でも軽く言える話ではありません。
作品づくりは、熱量だけでは続かないんですよね。正しいことを言っているつもりでも、それだけでは人は動けない。
相手が何を大切にしているのか。
こちらがどこへ向かおうとしているのか。
その間にあるものを、ちゃんと言葉にしておかないと、ある日ふっと噛み合わなくなる。
『クロスロード』を通して、僕はそこをかなり痛感しました。
ボイスアクター募集も、まずは小さな参加からでいい

だから今は、いきなり主要キャストをお願いするよりも、まずは小さく関わってもらう形があっていいと思っています。
たとえば、エキストラ参加や短いワンフレーズの収録。本編に入る前の空気合わせのような形でもいい。
そういう段階を挟むことで、お互いに見えてくるものがあります。
この人は、どんな距離感で制作に関わる人なのか。連絡のやり取りは無理なくできるのか。作品の方向性を一緒に見られるのか。
そして、相手から見ても、久我レイジという人間がどんな監督なのか、少しずつ分かってくるはずです。
僕の撮影はcluster内で行っています。
エキストラ専用のDiscordもありますが、無理に交流を求める場所ではありません。撮影日時が決まったら、参加できる方が手を挙げて、その場に来てもらう。
最初は、それくらいの関わり方で十分だと思っています。
でも、その積み重ねの中で、ただの参加者ではなく、一緒に作品を作っている仲間のような感覚が生まれてくることがあります。
これは派手ではないけれど、かなり強いものです。
メタバースドラマのキャスティングは「上手い人探し」だけでは終わらない

正直に言うと、技術のある方と出会う機会は少しずつ増えてきました。
声が魅力的な方もいますし、演技に真剣な方もいます。アバターの動きや見せ方が上手い方もいる。
それは、本当にありがたいことです。
でも、作品を最後まで一緒に作れるかどうかとなると、少し話が変わります。
制作の途中では、修正が入ることもあります。撮影や編集を重ねる中で、最初に思い描いていた形から少し変わっていくこともある。
そのときに、それをただ不満として抱えるのではなく、作品のために話し合えるかどうか。ここは、かなり大きいです。
もちろん、僕自身も完璧ではありません。
むしろ、失敗してきたからこそ、今こうして慎重になっています。
だからこそ、次の作品では、技術の前にまず信頼を積み上げたい。
すぐに役を決めるのではなく、少しずつ関わって、お互いに「この人となら作れるかもしれない」と思えるところまで持っていきたいんです。
メタバースドラマを続けるために必要なもの

メタバースドラマは、まだまだ新しい制作分野です。
リアルの映像制作とも違うし、声だけの活動とも少し違う。アバター、空間、カメラ、音声、編集、演出。いろいろな要素が重なって、ようやくひとつの作品になります。
だから、ひとりの才能だけでは届かない場所があります。
たぶん、これから必要になるのは、目立つ技術だけではなく、静かに積み上がっていく関係性なんだと思います。
・この人となら、もう一度作ってみたい
・この現場なら、少し踏み込んでみたい
そう思える場所を作れるかどうか。
メタバースドラマを続けていくために、僕が今いちばん大切にしたいのは、そこなのかもしれません。
まだ、うまく言い切れないところもあります。
でも、作品を作るというのは、たぶん技術を集めることだけではなくて、人と人の間にある曖昧なものを、少しずつ形にしていくことでもあるのかなと。
最近は、そんなことを考えています。
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