AIで『笑い男』になる日は来るか? 〜社外秘の壁をぶち破る内部告発と、泥臭い人間社会のサバイバル知財論〜
ここでライセンスが「営業秘密」の他ならどれもつけられると記しました。
さて、ではその「営業秘密」とはなんぞや?
そういう話です。
守られるための条件
要は「企業秘密」です。
でも案外それには「条件」があることが知られていません。
秘密管理性:パスワードをかけるなどして厳重に管理している
非公知性:世間に知られていない情報である
有用性:ビジネスとして客観的に役立つ、正当な情報である
この3つが揃った情報については国が「守ってあげるね」と味方についてくれるのです。
しかし意外とこれが知られていないので誰も彼も「会社の秘密をバラしたら全部アウトだから、会社であった一切の事はみんな内緒な!」みたいな話になってしまう。
今日の食堂の日替わり定食の中身なんか守秘義務ないっちゅうねん!
さらに言うと実は「秘密にしていることが悪事(法律違反)」だったら、有用性のところが欠格事項になるので、不正競争防止法は守ってくれないんですよね。
これが意外と知られていない。
企業の違反行為は「有用性ゼロ」と判断される
「脱税の記録」「排気ガスのデータ改ざん」「談合のメモ」といった違法行為の情報は、「有用性」がゼロだと判断されます。
反社会的な行為のデータは会社の都合からすれば有用性が高いのかもしれませんが、社会全体にとっては大変不義理な話ですので「あってはならない情報」だからです。法律がわざわざコストをかけて保護する価値など、どこにもありません。
つまり、会社がどれだけ「社外秘」のハンコを押して、最高レベルのセキュリティで隠していたとしても、中身が法律違反であれば、その瞬間に知財としての保護は剥がれ落ちます。
これはとても大切な設計です。
もし「企業の違反行為」が営業秘密として認められてしまうと、悪事を働いた企業が「これは我が社の極秘情報だ!外に漏らした社員を不正競争防止法違反で訴えるぞ!」と法律を悪用できてしまうからです。
法律は悪党を守るためにあるわけではない、ということですね。
だから「内部告発」が守られる
このルールがあるからこそ、正義感のある従業員が会社の不正を警察や消費者庁に告発する「内部告発(公益通報)」が守られます。
犯罪データを持ち出して告発した場合、元々それは営業秘密ではないため、会社は「営業秘密を漏洩された!」として損害賠償を請求することができません。
経済産業省の公式ガイドライン(営業秘密管理指針)にも、内部告発目的での情報開示は刑事罰の対象にならないと明記されています。
「悪事に知財の盾は通用しない」。
非常にクリーンで、スカッとする設計です。
でも現実はそんなに甘くない、という話
とはいえ、です。
現実のニュースを見ていると、内部告発者が会社から「裏切り者」「秘密漏洩だ」と袋叩きにされているケースを見かけますよね。
法律では完全にセーフなはずなのに、なぜでしょう?
その背景には、大人社会の「3つのリアル」があります。
上司や同僚の怒りは「法律」基準ではなく「身内のマイルール」
よくある「ウチの空気を乱した」「身内の恥を晒した」という村八分の論理です。因習村の非人道的な神事を警察にバラしたら、村人が襲いに来るような。
同僚にとっては「会社が潰れたら自分の給料はどうなる」という恐怖が、正義感より先に来てしまうのも、正直わからなくはありません。
同調圧力が「これくらいはどこもやってる隠ぺいだから」と罪悪感を麻痺させるわけです。法律で正面から勝てないための嫌がらせ
なので会社は、個人に対して別のこじつけで攻めてきます。
「社内パソコンを私的に使った」
「就業規則の信用棄損に違反した」
「告発内容に1ミリでも事実と違う点があれば名誉毀損だ」
といった具合に、外堀を埋めてくるわけです。
違反行為をしておいて信用棄損もくそもへったくれもないと思いますけどね。告発者を守る「公益通報者保護法」という盾の存在
日本では告発を理由にした解雇や嫌がらせは法律で禁止されています。実はね。ただし、この盾を使うには「正しい手順」を踏む必要があります。
まずは社内の窓口(事業者内部)へ通報し、そこで対応されない場合などに国などの行政機関、さらに最終手段として報道機関などの外部へ段階的に通報しなくてはいけないのです。
ま、社内窓口が一番信用ならなかったり、事情聴取という名のもとに敵側に情報が流れていったりとあてにならないから、感情に任せていきなりSNSに暴露したりするんでしょうけどね。
ただこれをやってしまうと、守備範囲から外れて、逆に会社から攻め立てられる隙を与えてしまうこともあるのです。
法律の盾は「後出し」で発動する
しかもこの「公益通報者保護法」は、告発した瞬間にバリアを張ってくれるわけではありません。
最終的に裁判になったときに「告発者は悪くない」と守ってくれる、後出しの最強の盾なのです。
だからこそ、裁判で勝つまでの間、告発者は職場で孤立し、理不尽な精神的苦痛を味わうことになります。
そして負けることもないわけではない。
一番怖いのは交通事故や転落、自殺などで通報者が証言できなくなってしまったりね。
「法律では守られているはずなのに、現実には正義の味方が泣く」というギャップ。
これが人間社会のリアルであり、知財や法律が単なる「条文の暗記」ではなく、生きたドラマだと思う理由でもあります。
知財って、意外と深い。
内部通報は、言い回しや句読点で、「誰が通報したか」が分かってしまいます。
— ひとごとMD (@hitogoto_butyo) March 5, 2026
担当者は口外しないだけで本当に分かってしまうのです。
それを防止するために、Chat-GPTなどでギャル語化してから通報すると良いと思います。
最近ではAIをそういう風に使って内部告発するという案もあるのですね。認められるんでしようか。
Claude Codeとかでうまい事システムを利用したら、時間差で匿名告発とかできそう。
ただしそれが笑い男(攻殻機動隊)みたいに全液晶及びネットハッキングとかになったら、それはそれで別の犯罪として警察が動くことにはなるんでしょうけど。
※本記事は知的財産検定3級の学習記録をもとに、知的財産権の条文と各社の調査報告書を参照してまとめたものです。
法的な判断・アドバイスを提供するものではありません。
いいなと思ったら応援しよう!
温かいサポートをいただき、本当にありがとうございます! いただいたお気持ちは、これからの執筆活動や新しい創作の糧として大切に活用させていただきます。