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「カラコロ工房 旧日本銀行松江支店」の魅力を語る。

私たちが松江市に移転するにあたり、決め手のひとつとなったのが転居先の「カラコロ工房」という建物の魅力でした。

松江に暮らしてトータルおよそ20年。歴史や自然の豊かさなど、いろんな魅力がある街ですが、なかでも昭和13年に建てられたこの建物のレトロな雰囲気が、松江の風情に一役買っている、と思うのです。

そんな建物の中で活動ができるというのは、自分たちにとって何より嬉しいこと。
きょうは、そんな「カラコロ工房」の建物の魅力をかいつまんでご説明します。

1.カラコロ工房の建物の歴史

「カラコロ工房」の建物はもともと「日本銀行松江支店」でした。

1918(大正7)年3月に開設された当初は木造建築でしたが、宍道湖畔の軟弱な地盤に建てられたこともあり、地下金庫が沈下してしまいます。


そのため、1938(昭和13)年3月に丈夫な鉄筋コンクリート造へと改築されました。これが、現在の「カラコロ工房」の本館にあたります。

設計は長野宇平治。辰野金吾(東京駅丸の内駅舎や奈良ホテルなどの設計を手掛けた、日本近代建築の父)の弟子として知られ、銀行の設計を多く手がけた建築家です。


建物は、正面にあるドリス式(ドーリア式とも言う)オーダー(柱が複数並んだ「列柱」のこと)が特徴的。

これは、ギリシャのパルテノン神殿に見られる様式です。

2階の回廊からは松江城も見えます。


また、山陰で初めてエレベーターが設置され、本格的なモダン建築として話題を呼びました。

しかし昭和47(1972)年、集中豪雨が松江市を襲い、宍道湖および京橋川が氾濫。
京橋川は今も「カラコロ工房」の前を流れ、堀川遊覧船が行き交う情緒あふれる風景のひとつですが、この川が氾濫し、銀行の地下金庫が浸水してしまいます。
このため、日本銀行は母衣町へ移転することになり、建物は島根県の所有となりました。

1981(昭和56)年、島根県から「県庁周辺整備基本構想」が発表され、建物を取り壊して新たに分庁舎を建設する案が浮上しますが、市民有志により「旧日本銀行松江支店ビルを語る会」が結成され、保存運動が高まります。

時を経て建物が島根県から松江市に譲渡されることになり、2000(平成12)年4月に改修工事が完了。
新たに『カラコロ工房』として再出発を迎えることになりました。

その後、2016年に登録有形文化財に。

川を挟んで反対側にある老舗カフェ「珈琲館」から見る「カラコロ工房」

2022(令和4年)年3月に策定した「カラコロ工房新活用基本構想」をもとに、2023(令和5)年4月からふたたび大規模改修が行われます。

マルシェ・ものづくり体験・フードホールなどの構想が形になり、2024年(令和6年)10月にリニューアルオープン。
これが、現在の「カラコロ工房」です。

たび重なる困難を超えて現代にその姿を残してくれているこの建物。
次の世代へと受け継いでいくためにも、ここを「居心地の良い場所」「また行きたくなる場所」にしていくことが、何より必要なのでは、と考えています。


2.今なお残る銀行のおもかげ

外観だけでなく、銀行として使われていた当時のまま残るカウンターや照明、2階部分の回廊、窓の格子など、多くの面影を現在も見ることができます。

窓口の番号も残っています

建物の中に入られたらぜひ、上を見上げていただき、2階の回廊や吹き抜けの天井、シャンデリア(とってもかわいいのです)をまず、楽しんでもらいたいと思っています!

シンプルでかわいいシャンデリア


重厚なドアとシャンデリア、とても素敵です



2階の回廊の細工も、細やか。


吹き抜けの天井から空が見えます


ドアの質感や装飾もレトロです


また、地下の金庫室にそのまま残る分厚い大扉は、この建物が銀行であった一番の名残として公開されており、金庫室はギャラリーとして一般利用も可能です。

2025年3月に開催された「しまね de 沖縄」イベントでは、私たちくらしアトリエが地下ギャラリーでうつわや特産品の販売を行いました。金庫の中でイベントをする、という、稀有な体験ができます。

金庫室のおもかげはどなたでもご覧になれますので、ぜひ階段を下りて地下もお楽しみください。

3.「カラコロ」という名前の由来と、水のまち松江

一度聞いたら忘れない「カラコロ」という響き。

これは、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲が、当時まだ木製の橋だった松江大橋に響く「カラコロ」という下駄の音に深く惹かれた、というエピソードから来ています。

宍道湖から中海へとそそぐ「大橋川」にかかる5本の橋のうち、一番歴史が古いのがこの「松江大橋」です。「カラコロ工房」からは歩いて5分程度。大橋から見える宍道湖、松江の風景もまた、とても魅力的です。

また、「カラコロ工房」から京橋川を挟んで対岸にある「松江ウォーターテラス」では、川沿いの風を感じながら過ごせる水辺のテラス席があり、周辺のカフェでテイクアウトしたコーヒーや、和菓子屋さんのお菓子などを楽しみながら、遊覧船の行き来を眺めたりすることもできます。

最高に松江が素敵だ、と思う瞬間!カラコロ工房×遊覧船×テラスで飲むおいしいコーヒーとお菓子

「水のまち松江」を存分に堪能できますよ。



京橋川、堀川遊覧船、そしてカラコロ工房。この素敵な風景は「シマシマしまね カラコロ店」のロゴにもなっています。

現在の「カラコロ工房」はテラスとフードホールに飲食店舗が並び、食を楽しめる場所として機能しています。

テラスではいろいろなイベントが行われます。レンタルも可能。

地酒のある日本酒バーやおでん屋さんといった「松江の夜を楽しむお店」もあり、旅行の際にふらりと立ち寄るのも楽しそう!

テイクアウトもできるので、テラスで外の空気を感じながら食事を楽しめます。

スイーツ屋さんもありますので、お茶の時間にもぜひぜひ。

夜にはライトアップされた「カラコロ工房」を川べりから眺めるのも素敵です。雰囲気がありますね。

夜の街歩きをされる際には、ぜひお立ち寄りください。
京橋川から見える街並み。マジックアワーの空が美しい。

お店とあわせて、ぜひ、周辺の町並みも散策してみてくださいね。

以上、「カラコロ工房」という建物の持つ魅力などについて語ってきました。
松江の皆さまにも、遠方からいらっしゃった方々にも、あらためてこのレトロな建物と風情ある街並みを体感していただけたら嬉しいです。

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